
ボルトやナットは、適正トルクで締め付けることで性能を発揮する。デリケートな回転や摺動部分の締め付けは、メーカー指定のトルクで行うのが大原則だ。KTCでは、機械式やデジタル式トルクレンチを販売。「デジラチェ」や「トルクル」には、作業者の使い方によって生じる個人差を小さくできる利点があり、さらにトルクルは測定値を記録できる利点もある。本記事では差込角9.5sq.のトルクレンチを紹介。自分のスタイルに最適な製品を選択しよう。
●写真/文:モトメカニック編集部 ●外部リンク:京都機械工具
音と光で測定トルクを知らせる、ラチェットハンドル感覚のデジタルトルクレンチ
設定した目標トルクに到達すると、音と光で計測値を確実に確認できるのが特徴。頻繁に使用するトルク値をセットでき、ワンタッチで呼び出せるのもデジタルならでは。
【KTC 9.5sq.デジラチェ Type rechargeable(充電式) GEKR060-R3】●税別小売参考価格:3万4600円
コイン型電池に代わり充電式電池を採用したリチャージブルタイプが新登場。最大5件のトルク値をメモリー登録できるほか、締め付けトルクのリアル表示も可能。設定トルクの90%に達するとLEDの点滅とブザーが断続的に鳴り、100%でLEDが点灯しブザーが連続音になる。
ラチェットハンドルと同様の使い勝手で、ワーセンサ搭載の固定グリップにより度の高い測定が可。プレセット型のように「カチッ」としたクリック感はない。
あらゆるハンドルで使える先進の測定アイテム。スマホやタブレットでコントロールする「トルクル」
電源スイッチ以外の操作部がない個性的なトルクルは、ラチェットハンドルやT形ハンドルに装着でき、スマホやタブレットで操作設定ができる多様性が特徴。プレセット型やデジラチェは、トルク設定範囲により複数の製品の使い分けが必要だが、9.5sq.トルクルは8~80N・mの広範囲をカバーでき、測定結果をスマホに記録できるのも魅力。
【KTC 9.5sq.トルクル 80N・m GNA080-03】●税別小売参考価格:3万2200円
スマホやタブレットに専用アプリ「TRASASAdmin」をインストールすると、トルクルが使用可能となる。目標トルク値は、スマホ画面のスライドバーまたはキーボードから数値で入力する。使用頻度の高い設定値の記憶も可能。
目標トルクを設定しておくと、締め付けトルクが目標値に達した時点で画面が緑色になりチャイム音と振動が発生するので、スマホをポケットに入れた状態でも作業できる。また繰り返し測定を行った結果は“ラップ”として記録されるので、履歴の把握も容易。
ひと目で分かる読みやすい目盛。アナログ派も納得のプレセット型トルクレンチ
グリップを回してトルクを設定する、サンデーメカニックにとってもっとも馴染み深いトルクレンチ。ソケット差込部から入力位置までの距離でトルク値が変化するので、作業時はグリップの中央を握る。設定トルクに達すると、手に軽いショックと「カチッ」という音で締め付け完了がわかる。
【KTC 9.5sq.プレセット型トルクレンチ GW025-03】●税別小売参考価格:2万100円
グリップエンドのロックを緩めて回すとトルクが設定できる。測定範囲5~25N・mのG W025-03は、1N・m刻みの主目盛りに対して副目盛りが0~0.9N・mの十等分表示となる。
一定の速度で締め付けて、ラチェットヘッドが「カチッ」という音がしたら設定トルクに到達。設定トルクが小さいと予想外に早く到達するので、勢いよく回さないこと。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
レーサーレプリカ由来の高回転型エンジンはエンジンオイルのメンテナンスが重要 率直に言えば、中古車で“安くて良い物”はよほどの奇跡でもないかぎりあり得ない。『モトメカニック』読者のようなサンデーメカニッ[…]
ツイストソケット:螺旋状の刃が食い込む。ラチェット/メガネのどちらでも使える 六角部がなめたボルトやナットはもちろん、十字穴が潰れたナベ小ネジを緩める際にも使えるツイストソケットは、螺旋形状の刃がボル[…]
パウディーシステムライン:金属部品に電気的に付着させるパウダーコーティングの連続作業が可能に 焼付塗料の乾燥器やパウダーコーティング用のコロナガンなど、従来であれば工業系ユーザーをターゲットとしていた[…]
美しい仕上がりのフルレストア車両でも不調に… バイク仲間が所有するホンダCL250。最近見かけないのでどうしたのと尋ねると、「キャブからガソリンが漏れてエンジンが調子悪く…」とのこと。『モトメカニック[…]
年式の新旧やナンバープレートの有無にかかわらず、愛車を全開できる楽しさを提供 1970〜80年代に熱かったTTF1やF3、GP125/250レーサーなど、クラシックなLOCレギュレーションには含まれず[…]
人気記事ランキング(全体)
電子制御スロットルにアナログなワイヤーを遣うベテラン勢 最近のMotoGPでちょっと話題になったのが、電子制御スロットルだ。電制スロットルは、もはやスイッチ。スロットルレバーの開け閉めを角度センサーが[…]
勝手に妄想、クーリーレプリカ! スズキの『8』プラットフォームに新顔の「GSX-8T」と「GSX-8TT」が登場した。まずは欧州や北米で発売され、順次日本にも導入の見込みだ。 この新型については以前ヤ[…]
美しい孔雀の羽根の色味が変わる特殊ペイントで仕上げた新グラフィック 『エクシード-2』は、カブトがラインナップするオープンフェイスの上級モデルで、赤外線(IR)と紫外線(UV)を大幅にカットしつつ、空[…]
ホンダのスポーツバイク原点、CB72とマン島T.T.イメージを詰め込んだクラブマンだった! ご存じGB250クラブマンは1983年の12月にリリース。同じ年の4月にデビューしたベースモデルのCBX25[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
最新の記事
- 【速報】ホンダCB1000F SE コンセプト発表へ! ヘッドライトカウル付きの新たなモデル「シルエット公開」
- 意外と本格派! ヤマハPG-1ライバル比較オフロード試乗インプレ
- 4気筒250cc・スポーツ系の心臓を持った元気印ネイキッドたち[クォーターマルチ烈伝#03]
- 2025年も暑すぎる! じつは夏がオイル交換のベストタイミングって知ってた?【バイクメンテのワンポイント】
- 年間1000万台に採用される部品も?! ケーヒン、ショーワ、ニッシンなどを擁するAstemoの本領は『アジアの足を支える』こと
- 1
- 2