車両販売や“とことん整備”、オリジナルパーツ開発から独自ブランドのエンジンオイル販売まで、絶版車に関するあらゆるジャンルで積極的に活動を続けている絶版車専門店・モトジョイ(三重県鈴鹿市)。1970年代絶版車の価格高騰と台数不足に対応する1980年代以降の絶版車販売が若いライダーに好評であるとともに、海外でのレース活動を見据えてテイストオブツクバ参戦中のOV-41 のフレーム補強も順調。まさに勢いが止まらない。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:モトジョイ
“とことん整備”が魅力の絶版車販売
「“Z1の代わり”というより、これが欲しいという方が多いです」と米倉マネージャーが語るように、20代のライダーにも人気が高いゼファー750。販売前にエンジン本体/サスペンション/ブレーキまわりの整備を行うのは当然だが、好調に仕上がった車両は驚くほど素直で、米倉マネージャーも「これほど乗りやすいバイクだったのか」と改めて気づかされたそうだ。
※このページに登場する車両は、取材当時(2022年夏)の価格/在庫車情報。最新の在庫状況/価格は直接ショップにお問い合わせを。
「Z1シリーズの人気が高いのは相変わらずですが、台数の少なさと価格の上昇はどうしようもありませんね」と語る、モトジョイの佐藤健正会長。カワサキ車に限らず、ホンダCBXのオーソリティとしても知られる同店でも、販売車両の調達は容易ではないようだ。
これまでにもGPZ750/1100FやGPZ900Rニンジャなど、1980年代以降の絶版車の販売も手がけてきたモトジョイでは、昨今の事情を反映して80年代半ばから90年代車の販売にもトライしていおり、中でも好調なのがゼファー750だという。「初期モデルは発売から30年前後を経過しているので整備は不可欠ですが、70年代のバイクより設計が新しいため耐久性があり、価格もZ1より手が届きやすいのが魅力です」(佐藤会長)。
OV-41レーサーはテイストオブツクバの特性に合わせて進化中
一方で、オリジナルフレームを製作できるモトジョイならではのレーサー開発も順調に進行している。2021年秋のテイストオブツクバ(TOT)でデビューした油冷エンジン搭載のOV-41は、ラップタイムアップの決め手となるコーナリング性能向上のためフレームを加工。2022年秋のTOT、さらに翌年以降の海外でのクラシックフォーミュラレースエントリーの可能性など、絶版車をキーワードに楽しさとカッコ良さを提供し続けてくれる。
「エンジン出力やタイヤの性能、なにより筑波サーキットという特殊性が大きな関門です」(佐藤会長)というOV-41レーサー製作。2021年秋のTOT参戦の結果を受けて、フレームメインパイプ左右をつなぐ補強追加、シリンダーヘッドとメインパイプをつなぐプレート追加を行い、エンジンも仕様を変更。ライダーの豊田浩史選手の負傷により5月のレースは参戦を見送ったが、2022年11月のTOTに向けてさらに熟成を重ねている。
TOTウィナーに装着されたオリジナルスイングアーム
2021年秋のTOT・ハーキュリーズクラスで優勝した加賀山就臣選手と最終ラップまで熱戦を繰り広げた光元康治郎選手(Garage414&WoodStock)。300馬力を超えるH2Rのコーナリングの不安定さに気づいた佐藤会長がレース後に声をかけ、5月のレースで実現したのが両持ちスイングアーム。佐藤会長の経験では、片持ちタイプはスイングアーム自体の剛性が高すぎる傾向にあるとのことで、剛性が高くなりすぎないよう留意した。
ニンジャZX-10Rのエンジンを搭載したOV-43も好感触
ノーマルで200馬力以上を発揮するカワサキZX-10RR用エンジンを、佐藤会長製作のスチールフレームに搭載したOV-43。フレームを除くパーツは、オーヴァーレーシング製マフラーとアラゴスタ製リアショック以外はほぼZX-10RRから転用し、レース直前のスポーツ走行がシェイクダウンとなった。このためライダーの江口謙選手もマシンの特性を探りながらのセッティングとなり、予選11位/決勝10位というリザルトとなった。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
年式の新旧やナンバープレートの有無にかかわらず、愛車を全開できる楽しさを提供 1970〜80年代に熱かったTTF1やF3、GP125/250レーサーなど、クラシックなLOCレギュレーションには含まれず[…]
アドバンテージ創業以来協力関係にある“HITACHI Astemo SHOWA”ブランドのサスペンションを販売 2022年春に発売されたSHOWA製カワサキZ900RS用サスペンションキットは、スーパ[…]
リベッター/ナッター/ニブラーの1台3役。工作好きなら持っておきたい便利ツール ボルトオンパーツで楽しむのも良いが、ちょっとした加工だけで幅が広がり楽しみが増えるのがカスタムやモディファイの世界。その[…]
タイヤバルブコア専用トルクドライバー:タイヤバルブコアもトルク管理が必要? 安全装備の進化に対応する専用ツール 適当な力で締めたらバルブの頭にちょっとツバをつけて、空気が漏れてこなければOKという昔な[…]
乗りっ放しだった原付バイクのエンジン部品を取り外すと、内側がブローバイガスによるカーボン汚れで、真っ黒になっていることが多い。しかし、このBMWのエンジン内は、アルミ部品や鉄部品がマテリアル色そのもの[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106 ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/44度/54度と、3段[…]
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに正式発表! ジャパンモビリティショー2023に参考出品されてから約1年、W230は白と青の2色、メグロ[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2