
Z-EALブランドでおなじみ、コーケンのラチェットハンドルは、空転トルクの軽さに定評があり、緩んだボルトナットも連続的に回せるためユーザーから高く信頼されている。だが、作業スペースによってはラチェットのハンドルが十分に振れない場もある。そんな場合に、ラチェットとソケットの間にセットした“クイックスピンナー”が力を発揮する。
●写真/文:モトメカニック編集部 ●外部リンク:山下工業研究所
ラチェットやソケットが小さくなるほど、使い勝手の良さが分かるクイックスピンナー
コーケン製クイックスピンナーは、スピンディスク(ローレットが刻まれた円盤外周)の仕上げが丁寧で、素手の指先で回しても当たりがソフト。写真右側の2つが差込角3/8で、左が1/4。差込部のクリアランス設定も絶妙で、ラチェットハンドルやソケットのガタ付きもない。
【コーケン クイックスピンナー (右)3756/(中)3756ZS/(左)2756】●税別希望小売価格:2200円/2310円/2090円
3756(差込角3/8)の外径は30.5mmで、3756ZSは20.3mm、2756(差込角1/4)は22mm。真ん中の3756ZSが極端に小さいのは、Z-EALのコンパクトヘッドラチェットハンドルに対応するためだが、自動車のエンジンルーム内など極端に狭い場所でとても使いやすい。
ラチェットヘッドと合ったサイズを装着すれば、ソケットの操作性が一段とアップする。
ヘッド幅28mmのZ-EAL 3725Zハンドルと3656の組み合わせ(右)と、ヘッド幅20.5mmのZ-EAL 2725Z-3/8と3756ZSの組み合わせ(左)。ラチェットヘッド越しにソケットを回すのと同じように感じるかもしれないが、スピンディスクをつまむことでより大きなトルクを加えることができる。
ハンドルがフラットなメガネレンチやギヤレンチだと手前に干渉し、ラチェットハンドルでは奥が干渉する状況で、ソケット+スピンナーハンドルが実力を発揮する。ソケットより外径が大きく、指が滑らずストレスフリー。
ヘッドがコンパクトなZ-EALだからこそ、クイックスピンナー仕様の良さを実感できる
クイックスピンナーの価値を引き出すには、ラチェットハンドルの能力も重要。空転トルクが重ければ、ソケットを回す際に余計な力が必要になるからだ。コーケン製ラチェットハンドルはおしなべて空転トルクが軽いが、特にZ-EALの軽快感は秀逸。
【コーケン Z-EAL 1/4ラチェットハンドル(ロング) 2725Z-160/3/8ラチェットハンドル(コンパクト) 2725Z-3/8】上の2本はどちらも差込角1/4ボディのZ-EALで、上は全長160mmのロングハンドル、下は1/4仕様のヘッドに3/8の差込角を組み込み、全長を114mmとしたコンパクトタイプ。ボルトナットの周辺が狭い場合、思い切って接近戦とするか、離れた場所から距離を取って回すかでハンドルを使い分けるとよい。●税別希望小売価格7450円/9350円
右は差込角1/4の2725Z-160ハンドルとと2756の組み合わせ。ヘッド幅20.5mmに対してクイックスピンナーの外径は22mmと、わずかに大きい。左は1/4ヘッドに3/8の差込角を組み合わせた2725Z-3/8ハンドルと3756ZSの組み合わせ。ヘッド幅20.5mmに対してクイックスピンナー外径は20.3mmとなる。
クイックスピンナーを活用すればソケットレンチの作業がさらに快適!!
ラチェットハンドルやギアラチェットの頭が入らないボルトは、メガネで緩めてかクイックスピンナー+ソケットを使えば素早く回すことができる。指先に力が入るので、本締め手前まで締められる。
きつく締まった部分はラチェットハンドルで緩め、その後ハンドルが回りにくい状況ではクイックスピンナーでソケットを回すこと、狭い場所での作業効率が大幅に向上する。
Z-EALではない汎用シリーズのエクステンションバーの根元には、コーケン独自のセレーショングリップを採用しており、クイックスピンナーと同様の早回し性能を付与している。
ラチェットハンドルの空転トルクが軽くても、ボルトが緩むとソケットが共回りしてしまうこともある。そんな時でもクイックスピンナー付きなら工具を変更する必要はない。
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