●文:モーサイ編集部(阪本一史)
軽二輪の排気量上限=250ccスクーター登場は、スペイシー250フリーウェイから
ホンダPCXやヤマハNMAXなど、ボディサイズは原付二種クラスでありながら排気量150〜160ccの軽二輪スクーターを街でよく見かける。あえて軽二輪上限250ccとせず、ボディもコンパクトな軽二輪スクーターを見るにつけ、スクーターのトレンドも随分変わったなぁと思わせられる。
しかし、そんな街中で時おりみかけるのが、まだまだ現役の“オッちゃん+少々くたびれたフォーサイト(250cc)”や、カスタムベースとして目をつけられたのか“若者+小綺麗なカスタムフリーウェイ(250cc)”の組み合わせだったりする。
どちらも、250ccスクーターが「ビッグスクーター」と称されるようになる以前=1980〜1990年代のモデルであるが、当時の250ccスクーターは豪華さよりも機動力/手軽さが重視されていたように記憶している。というか、軽二輪スクーターという存在が盛り上がってきたのは、まさにその時代からなのだ。
それまでは、スクーターと言えば原付がメインだったものの、1980年代ともなると、バイクに乗る若者の増加/旺盛な需要/各メーカーの販売競争など、諸々の要因が前向きに働き、軽二輪クラスのスクーターが次々登場する。
その先鞭をつけたのはホンダだ。1984年8月にスクーターカテゴリー・スペイシーシリーズの最上級モデルとして、スペイシー250フリーウェイ(型式名MF01)が登場。
当時の国産メーカーで最大排気量のスクーターだったが、かといってボリュームや風格を重視したモデルではなかった。オートマチックの手軽さに見合うのは、扱いやすい車重と車格という考えが根底にあったようで、車両重量126kg/全長1920mm/ホイールベース1260mm。つまり、同クラスのロードスポーツよりもコンパクトさを指向していたのがわかる。
その後、同車は1989年6月にモデルチェンジ。車名からスペイシーが消え、フリーウェイ(型式名MF03)となった。それまでシート下かその後方に置くのが定石だった燃料タンクをフロアステップ下に配置しつつ、ヘルメット2個が収容可能な32L容量のシート下収納を設けるなど、小柄な車体ながらも利便性を高めてスマッシュヒット。
車体サイズは全長1840mm/ホイールベース1300mm/車重は145kgで、これも同クラスのスポーツモデルよりもコンパクトだった……
※本記事は2022年7月6日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙う[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
「一時停止違反」に、なる!/ならない!の境界線は? 警察庁は、毎年の交通違反の取り締まり状況を公開しています。 最新となる「令和3年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等につい[…]
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
最新の関連記事(バイク歴史探訪)
ボクサーエンジンの誕生、最強バイクとして世界中でコピー BMWといえば、2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカーだ。[…]
1965年までは“クルマの免許”に二輪免許が付いてきた 80歳前後のドライバーの中には、「ワシはナナハンだって運転できるんじゃよ、二輪に乗ったことはないけどな(笑)」という人がいる。 これは決してホラ[…]
ホークシリーズ登場後、すぐにホークIIIを投入。“4気筒+DOHC”勢に対抗したが… 1977年の登場から1〜2年、扱いやすさと俊敏さを併せ持つホークシリーズは一定の人気を獲得したが、ホークII CB[…]
生産台数の約7割を占めた、ハーレーの“サイドカー黄金時代” 1914年型のハーレー初のサイドカー。ミルウォーキーのシーマン社がカー側を製作してハーレーに納入。マシン本体にはカー用のラグが設けられており[…]
ハーレーダビッドソンは3輪モデルも作っている 「いつかはハーレー」などと言われるように、憧れのバイクメーカーとして知られるハーレーダビッドソン。 多くの人にとって、ハーレー=大型バイクのイメージしかな[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
装備の充実で価格は8万9100万円上昇 フォルツァが約2年ぶりに変更を受け、2025年モデルとして発売される。2022年末に登場したモデルは、新型と同じヘッドライトデザインやメーターパネルの変更のほか[…]
「みんなが使えるクラス最軽量級モビリティ」PEV600 今回PEV600をご紹介する前に、先代モデル”GEV600”のご説明をさせていただきます。 GEV600は2020年秋に第一種原動機付自転車とし[…]
人気記事ランキング(全体)
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙う[…]
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
最新の投稿記事(全体)
第1位:AV2278 DICTATOR MC[AVIREX] バイクシューズ売れ筋第1位にランクインしたのは、AVIREX(アヴィレックス)の「AV2278 DICTATOR MC」です。アヴィレック[…]
そこはまさしく“ハーレーバイカーズパラダイス” 年間数多いツーリングを企画しているハーレーダビッドソン埼玉花園は、HOG会員も70名超えという大所帯だが、ふだんのツーリングスタイルは自由気ままなイメー[…]
開幕までに最低でもあと1秒、トップに近付くならさらに0.5秒 Moto2のチャンピオンになり、来年はMotoGPに昇格する小椋藍くんですが、シーズンが終わってからめちゃくちゃ多忙なようです。何しろ世界[…]
ユーザーの好みに応える充実のラインアップ。スポーツモデルを直立させるスタンドに求められる条件とは? BMWモトラッド専門店として2010年にオープンしたモトラッドミツオカ大阪は、大阪北部に位置する人気[…]
ファッションからスポーツまで。現代のバイクライフにフィット このバイクは只者じゃない−−。僕はマヨルカ島のリゾートホテルのエントランスに鎮座するトライアンフの「スピードツイン1200RS」に初対面した[…]
- 1
- 2