![[バイク雑学] ミシュランのマスコットはなぜ白いのか?【名前はビバンダム? ミシュランマン?】](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
●文:モーサイ編集部 driver@web編集部 ●写真:日本ミシュラン
パンクしにくい空気入りタイヤをアピール
フランスに本拠地を置くタイヤメーカー・ミシュラン。世界で初めてラジアルタイヤを製品化し、さらにはレストランやホテルのガイドブック『ミシュランガイド』を発行するなど、知らない人はいないであろう世界規模の企業ですね。
もちろんバイクのタイヤも、スーパースポーツ用からハーレー用、小排気量スクーター用など、幅広くラインアップを展開しています。
さて、そんなミシュランのマスコットも多くの人が見たことあるはず。バイクのタイヤでは、タイヤの端やサイドウォールにいることでおなじみの彼です。「ビバンダム」または「ミシュランマン」と呼ばれ、誕生したのは1898年4月。じつに120年を超えるキャリア!。
誕生のきっかけは、1894年にフランスのリヨンで行われた博覧会。入口の両側にて、大きさの異なるタイヤが山のように積まれ、来場者を出迎えていたところ、それを見た創業者のミシュラン兄弟の弟エドワールが、「コレに腕をつけたら人間になるじゃないか」と兄のアンドレに言ったのが始まりだといわれています。
積み重なったタイヤが人の姿に似ていたことが誕生のきっかけに。
その後、アンドレ・ミシュランは広告デザイナーのオ・ギャロと会います。タイヤのパンクが日常茶飯事だった当時、クギやガラスなどを入れたグラスを例のタイヤ男に持たせれば、「空気入りタイヤは障害物があってもそう簡単にはパンクしない」といったアピールになると考えました。
そして実際、広告には「ヌンク・エスト・ビバンダム(ラテン語で「いまこそ飲む干す時」という意味)というキャッチフレーズがつけられました。
クギや金属片などを飲み込もうとする広告。上側には「ヌンク・エスト・ビバンダム」の文字が。
最初は「ビバンダム」と呼ばれた
そのとき、彼の名前は具体的に決まっていなかったものの、レーシングドライバーから「あっ、ビバンダムが来た!」と呼ばれたのを機に、ビバンダムと呼ばれるようになったそうです。通称ではあるものの、最初は「ビバンダム」と呼ばれていたのです。
ただ、日本ミシュランタイヤの公式webサイトを見ると、彼は「ミシュランマン」と呼ばれています。ビバンダムはあくまであだ名ってことなのでしょうか? というわけで、日本ミシュランタイヤ広報部に話を聞いてみました。
「ミシュランマンは、もともと“ミシュランの製品やサービスの象徴”という位置づけです。フランス本国では長きにわたりその位置づけで親しまれていたため、当初の名前『ビバンダム』で呼んでいますし、愛称である『ビブ』という名称でも呼ばれています。
ただそのほかの国では、呼び名としてビバンダム(ビブ)ですと端的に弊社へのイメージや理解がしにくいため、現在では『ミシュランマン』としております」
つまるところ、呼び名としてはビバンダムでもミシュランマンでもどちらも正解です……
※本記事は2021年1月26日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
意外なる長寿エンジン「ザッパー系」が積み重ねた31年の歴史 2006年12月、ゼファー750ファイナルエディションの発売がアナウンスされ、1990年初頭から続いたゼファー750の16年におよぶ歴史が幕[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
1998年登場のロングセラーモデル、ホンダCB1300シリーズの魅力とは? 今回は、私が白バイ隊員として約10年間、ホンダ CB1300に乗ってきた経験や感想を交えて、CB1300シリーズをお勧めする[…]
日本車に特化した、イタリアのバイク販売店を訪ねてみた イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第3回。今回はイタリア人は日本車をどう見ているかにつ[…]
免許制度は基本、ヨーロッパで共通 イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第2回。今回はイタリアの自動車運転免許制度について紹介していきます。 と[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
免許制度は基本、ヨーロッパで共通 イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第2回。今回はイタリアの自動車運転免許制度について紹介していきます。 と[…]
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
バイク同様に開放感を楽しめるオープンカー、屋根を開けた状態での雨対策はどうなっている? ごく一部の特別なモデルやカスタムされたマシンを除くと、バイクは雨の中を走ったからといってトラブルが起きないように[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
最新の関連記事(ミシュラン)
オンロードに的を絞って新規開発 主な適合車種 ※[120/70R15・160/60R15]は、ほかにKYMCO AK550(生産終了モデル)、Honda FORZA 750(輸出専用モデル)などにも適[…]
純正以外では世界では初のゴールドウイング専用品 GL1800・ゴールドウイング専用にサイズ展開 そして2つ目の画期的な要素は、ゴールドウイングに適合する既存のアフターマーケット製タイヤが、あくまでもク[…]
小椋&チャントラの若手が昇格したアライヘルメット まずは国内メーカーということで、アライヘルメットから。 KTM陣営に加入、スズキ、ヤマハ、アプリリアに続く異なる4メーカーでの勝利を目指すマー[…]
優れたグリップ力とハンドリング性能を誇るスポーツツーリングラジアル ミシュランが大型スクーター向け新型スポーツツーリングタイヤ「MICHELIN POWER SHIFT(ミシュラン パワー シフト)」[…]
2001年登場の先代1800/2018年登場の現行1800に適合 ミシュランが新型スポーツツーリングタイヤ「MICHELIN ROAD W GT(ミシュラン ダブリュー ジーディー)」を発表した。20[…]
人気記事ランキング(全体)
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
『Wheels and Wavesフェスティバル』にカスタムマシン×11車を展示 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モ[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
アメリカは”英国車マニア”多し! この1956年製MGAはご覧の通り左ハンドルで、最初から北米仕様だったもの。そもそも、アメリカは英国車マニアが数多く存在しており、1950年代どころか1930/194[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダーが抱く「ヘルメットの悩み」を解消するために誕生 デルタから発売される高機能ヘルメットスタンドは、多くのライダーから寄せられた「こんな製品があったらいいな」を形にした、実用性とデザイン性を兼ね備[…]
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
2023年モデル:400クラス唯一のクルーザーとして復活 発売は2023年4月25日。先代となるエリミネーター400から実に15年ぶりの登場で、エリミネーター/SEの2グレード展開だった。 ニンジャ4[…]
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
フレンドリーさも持ち合わせていた名機’89 NSR250R 1986年に初登場した2ストロークレーサーレプリカの名車、NSR250R。登場から30年以上が経過した現在でも、型式を問わず根強い人気を誇っ[…]
- 1
- 2