
●文:モーサイ編集部(高垣/上野)
YZF-R1を筆頭とするヤマハのスーパースポーツモデル「YZF-R」シリーズ。1000ccのYZF-R1、320ccのYZF-R3、そして125ccのYZF-R125まで、世界で展開しており、多くのファンを持つ。
ところで、「アールワン」「アールスリー」の車名は、実は半世紀以上昔から受け継がれる由緒あるもの(?)だったのをご存知だろうか?
ヤマハ スポーツ350R1(1967年登場)
「海外メーカーのビッグバイクに対抗できるだけの走行性能を備えた車両が必要だ」という当時の技術者たちの強い願いを託されて登場したフルスケール350ccモデル。それがスポーツ350R1である。
1970年にXS-1(650cc)が登場するまでの間、ヤマハを牽引したフラッグシップモデルであり、ラインアップ中で最大排気量を誇った。
エンジンは最高出力36馬力の空冷2サイクル350cc並列2気筒で、当然4サイクル4気筒1000ccのYZF-R1とは設計上の関連性はない。
しかしながら、「フラッグシップモデルである」ということは2車の共通点だ。
ちなみに古いほうのR1の“R”は、排気量車が350ccであることを指し(E=260cc/D=250cc/C=175cc/B=130cc/A=125ccなど、車名のアルファベットで排気量区分を示していた)、現在のR1の“R”は「リアルスポーツ」を意味する。
こちらは新しい方の「R1」ことYZF-R1の最新型2024モデル。サーキット最速を目指し、MotoGPマシンYZR-M1の技術が注入されている。水冷4サイクル1000cc並列4気筒エンジンは200馬力を発揮。
ヤマハ スポーツ350R3(1969年登場)
車名から察した人も多いかと思うが、「スポーツ350R3」は上記スポーツ350R1の後継モデルである。厳密に言うと、海外仕様「YR2」の国内版で、1969年から販売された。
タンクやサイドカバーなど外装のデザインをスポーツ350R1から一新しているほか、ホイールベースもスポーツ350R1から拡大されており、ロングツーリングを得意としていた。
またキャブレターの形状変更も行われたが、36馬力/7000rpmという最高出力は前身モデルのR1と同様。スクランブラースタイルの「スポーツ350R3C」と合わせて約5万台ほどが生産された……
※本記事は2021年1月14日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
ハイエンドユーザーに向けたスーパーフラッグシップは何と乗りやすく調教済み! 1980年代に入ると、ホンダが切り札としていたV型4気筒は世界のレースで圧倒的な強みを発揮、それまでの主流だった並列(インラ[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
勝つための合理性と最新テクノロジーが辿り着いたパラレルツイン! レーシングマシンは勝つためを最優先に開発される。だから優位なテクノロジーなら躊躇せず採用する斬新で個性の集合体のように思われがち。 とこ[…]
BMWの牙城を崩そうとドイツの開発チームと熟成をはかる! ホンダはスーパースポーツで世界を制覇、その勢いはフラッグシップで呼ばれる豪華ツアラーモデルでもリーダーを目指し、水平対向4気筒のGLゴールドウ[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
デザイナーの“眼”は何を捉えたか? 今回紹介するのは、ただのロゴ入りTシャツではない。なんと「数々のヤマハ車を手掛けてきた車体デザイナー本人が描き下ろした」という、正真正銘のデザイナーズスケッチTシャ[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
TZの技術を転用しながら独創的な思想を随所に注入 伝統の2サイクルパラレルツインという構成を維持しつつも、数多くの新技術を導入したRZ。中でも最もインパクトが大きかったのは、市販レーサーTZを踏襲する[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか? 交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らない[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
最新の投稿記事(全体)
瞬時に色が変化! 防曇シートに調光機能を加えた「e:DRYLENS」 SHOEIが、ライディング中のクリアな視界を実現するための新たなアイテムをリリースする。その名も「e:DRYLENS」は、ベースと[…]
ハイエンドユーザーに向けたスーパーフラッグシップは何と乗りやすく調教済み! 1980年代に入ると、ホンダが切り札としていたV型4気筒は世界のレースで圧倒的な強みを発揮、それまでの主流だった並列(インラ[…]
バイク乗りが作ったからこそ、痒い所に手が届く インカムの代名詞「B+COM(ビーコム)」でおなじみのサイン・ハウスが送り出した、SPICERR(スパイサー)ブランドの「ポケッタブル高圧洗浄機」。 20[…]
ひと目でわかる「コイツはタフだ」という機能美 アドベンチャーバイク(ADV)ブームが定着して久しいが、オーナーの悩みどころといえばやはり「タイヤ選び」だろう。オンロードの快適性は捨てがたいが、せっかく[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]


![ヤマハ スポーツ350R1|[バイク歴史探訪] 50年以上前にも「アールワン/アールスリー」がいた!【受け継がれし(!?)ヤマハスポーツバイクの称号】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/R1R3_001-768x512-1.jpg)
![ヤマハYZF-R1|[バイク歴史探訪] 50年以上前にも「アールワン/アールスリー」がいた!【受け継がれし(!?)ヤマハスポーツバイクの称号】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/2024_YZF1000_SMX_JPN_3-768x512.jpg?v=1700548526)
![ヤマハ スポーツ350R3|[バイク歴史探訪] 50年以上前にも「アールワン/アールスリー」がいた!【受け継がれし(!?)ヤマハスポーツバイクの称号】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/R1R3_003-768x510-1.jpg)






































