
●文:モーサイ編集部(坂和浩) ●写真:坂和浩 自動車安全運転センター
トラック側の動きや視点を知れば、事故を防げる
筆者は個人的に長くバイクライフを送るライダーのひとりであるが、ここ2年ほどは、大型トラックのドライバー視点からも街中でのバイクの動きを見てきた。その中で分かったバイクライダーの意外な盲点/危険な走りを挙げたい。
都会でも地方でも、幹線道路を走る輸送トラックを見ない日はないはずだが、さて一般ライダーのあなたは、大型トラックにどんな印象を持っているだろうか?
おそらく、「前方視界がふさがれるから邪魔」「前に行きたいけど、幅が広いのですり抜けがしにくい」「加速も減速もノロノロしていてうっとうしい」…といった声が出てくるだろう。
当然の印象だし、ライダーがトラックの後ろにいたくない気持ちもよく分かる。
そして、傍目からだとトラックは前車との車間距離をかなり取っているように見え、「バイクなら割り込んでも大丈夫」と考えているライダーも多いはず。
だが、そういった行動は、トラック側からすると「ヒヤッ」とする類いのものだ。
トラックが加減速でノロノロしているのには相応の理由がある。たとえば…
- 加速と減速で無駄な燃料を使いたくない
- マニュアルミッション変速を多用することで、疲労したくない(現在も大半のトラックはマニュアル車だ)
- 積載物の荷崩れ防止のため、極力ピッチング(前後揺動)を起こしたくない
…といったところだ。
大前提の特性として、大型トラックは公道では機敏性で劣る存在だが、視点が高い分、先の交通状況は見通しやすい。
だから、ちょっと走ったら先が詰まっているような渋滞の際は、無用な加減速をせずにゆっくり前進したいと考える。そして何度も繰り返す停止では、荷崩れしそうな挙動が起きないようにフワッと止まりたい。
だが、現実の交通状況ではそうは行かない。他の交通の動きもあるからだ。とりわけトラックとは機敏性で対極にあるのがバイクだが、ならば具体的にバイクのどんな挙動がヒヤッとするのか? 以下に説明する。
交差点は最悪の追い抜き/追い越しの地点
交差点は車線幅が急に狭くなる場所だ。道路の総幅はそのままなのに、片側2車線だった道に右折専用レーンが加わったりするからだが、当然バイクがすり抜けしようにも隙間が狭い。
加えて、減速ポイントでもあるから、止まる挙動の能力差でもトラブルが発生しやすい。たとえば、こんな挙動が怖い……
※本記事は2021年10月6日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
レジャーバイク人気の主役となった初代ダックスホンダ(1969年~) 国産レジャーバイクの元祖と言えば、ホンダが多摩テックで子供向け遊技用に用意したモンキーバイクZ100、それに続く市販車のモンキーZ5[…]
2ストレプリカの原点にして、TZRへの橋渡し役だったRZシリーズ 最後の2ストロードスポーツを作るという情熱が込められ、1980年に登場したRZ250。同車が「最後」と言われたのは、環境問題も絡めて今[…]
そもそも「過給機」とは 世界最大規模の2輪車ショーといわれるEICMA(ミラノショー)。2024年11月に開催された同ショーにおいて最大級の注目を集めたのは、ホンダが初公開した電動過給機付きV型3気筒[…]
※この記事は別冊モーターサイクリスト2010年11月号の特集「YAMAHA RZ250伝説」の一部を再構成したものです。 ヤマハ RZ250のエンジン「2ストロークスポーツの純粋なピーキー特性」 ヤマ[…]
キーロック付きタンクキャップ:スズキGT380(1972) バイクの燃料キャップは、そもそもは転倒時の漏れ防止の安全対策からキーロック式が採用されるようになったが、その最初は1972年のスズキGT38[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
『エンジンの振動・騒音低減技術 二輪・四輪・汎用』(グランプリ出版) 内燃機関を搭載するモビリティで、快適性や信頼性に大きな影響を与えるのが振動と騒音。その対策技術を二輪/四輪、そして汎用分野に至るま[…]
「KB4RC」「KB998 Rimini」の2機種を展示(予定) 株式会社カワサキモータースジャパンは、イタリアの⾼級ハンドメイドモーターサイクルブランド ・bimota(ビモータ)の⽇本総輸⼊元とし[…]
スズキは、5月から7月にかけて横浜・名古屋・オンラインで開催される「人とくるまのテクノロジー展 2025」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展する概要を発表した。 今回のスズキブースでは、2025[…]
ヤマハ発動機は、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展し、同[…]
バイクを愛するすべての人へ BMW Motorradは、『NIGHT RIDER MEETING TOKYO 2025』を、2025年6月7日(土)、BMW GROUP Tokyo Bay(江東区青海[…]
人気記事ランキング(全体)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
実は”ホンダエンジン”時代からの愛車だった マンセルがF1のパドックで乗っていたのは、ホンダのダックス70(CT70)でした。1988年モデルとも、1987モデルとも言われていますが、いずれにしろ当時[…]
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定 ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインド[…]
2ストレプリカの原点にして、TZRへの橋渡し役だったRZシリーズ 最後の2ストロードスポーツを作るという情熱が込められ、1980年に登場したRZ250。同車が「最後」と言われたのは、環境問題も絡めて今[…]
最新の投稿記事(全体)
『エンジンの振動・騒音低減技術 二輪・四輪・汎用』(グランプリ出版) 内燃機関を搭載するモビリティで、快適性や信頼性に大きな影響を与えるのが振動と騒音。その対策技術を二輪/四輪、そして汎用分野に至るま[…]
「KB4RC」「KB998 Rimini」の2機種を展示(予定) 株式会社カワサキモータースジャパンは、イタリアの⾼級ハンドメイドモーターサイクルブランド ・bimota(ビモータ)の⽇本総輸⼊元とし[…]
レジャーバイク人気の主役となった初代ダックスホンダ(1969年~) 国産レジャーバイクの元祖と言えば、ホンダが多摩テックで子供向け遊技用に用意したモンキーバイクZ100、それに続く市販車のモンキーZ5[…]
CBR650R&CB650Rをもっと楽しく、ジェントルに! マフラーカスタムは出力特性を向上させるもの。そんなイメージを抱いている方はとても多いと思います。しかし、近年のバイクはノーマルでも十分パワフ[…]
A:どちらも不具合。後ろはアフター、バックは戻ると覚えるべし 未燃焼ガスがシリンダー外で燃えるという意味では、どちらも同じ”不調”を表している。アフターファイアーはマフラー側に流れた未燃焼ガスが引火す[…]