●文:モーサイ編集部(高田胤臣)
トゥクトゥクの始まりは、ダイハツ ミゼットDK型!!
タイの代表的な乗り物であるトゥクトゥクは、日本では観光タクシーや移動販売などでよく使われている。
日本人が一般的に思い浮かべる3輪タクシー=トゥクトゥクはまさにタイだけの乗り物だと思うだろうが、インドやフィリピンなど、東南アジア各国ではトゥクトゥクに似たさまざまなタイプの3輪タクシーがあるのだ。
そのトゥクトゥクについては、タイでは移動手段のひとつとして観光客や地元民から利用されることが多い。オリエンタルなデザインとなっているトゥクトゥクだが、タイ国内でもいくつかのタイプがあり、必ずしもフロント1輪/リヤ2輪という形だけではなかったりする。
じつは、トゥクトゥクは日本が発祥の乗り物だ。1957年に日本で販売されていた「ダイハツ ミゼット DK型」の中古車が、30台ほどタイ国内に輸入されたのが始まり。当初はミゼットDK型がバンコク中華街で多く使われていた。
また、タイの世界遺産で知られる古都アユタヤでは、安価なことから注目され、ミゼットMP型が使われ始めた。
その時期においては、「トゥクトゥク」という呼び名ではなく、単に3輪自動車を意味する「サームロークルアン」と呼ばれていて、ダイハツのほかホンダ/日野/三菱/東洋工業(現在のマツダ)などで販売した3輪自動車も輸入されていた。
その後、日本で3輪自動車が生産されなくなると、タイの各企業が独自に製造するようになっていって、日本でもなじみ深いトゥクトゥクのデザインと形に落ち着いたのだ。
最初は荷物運搬用に使われていたトゥクトゥクだったが、徐々にタクシーとしても利用され始める。タイ人曰く、エンジン音が「トゥクトゥク」と音を立てて走っていたことから、自然とこの名になったそうだ。
バンコクでは、ひったくり対策で車両右側や後方に網を張る人もいるが、基本的に工場から出荷された状態のノーマル車を使うことが主流。
一方、タイ北部に位置するチェンマイなどで見かけるトゥクトゥクは、バンコクよりも座席時の足元が広い。左右どちらからでも乗降できるようになっているのがほとんどで、カラオケが搭載されているなど、わりと運転手が自由にカスタムしているのだ。
ただし、形状はなんであれトゥクトゥクは普通のタクシーと違い、基本的に料金メーターはついていない。そのため料金交渉が必須で、観光客は高めに要求されるが、現地に住むタイ人でさえタクシーを利用するよりもやや高くつく。
バンコクだと渋滞もひどく、バイクタクシーもあるので、タイ人もあまり利用しないというのが現状だ。
ちなみに、日本でも見かけるいわゆる「トゥクトゥク」とした車両は、バンコク/古都チェンマイ/ナコンラチャシマー(タイ東北部の大都市)など、人口が多い県の中心部で使われている……
※本記事は2021年12月7日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
軽二輪の排気量上限=250ccスクーター登場は、スペイシー250フリーウェイから ホンダPCXやヤマハNMAXなど、ボディサイズは原付二種クラスでありながら排気量150〜160ccの軽二輪スクーターを[…]
トンネルには照明同士の設置間隔が不均等、消灯している個体がある 高速道路や幹線道路を走っていれば、誰もが通るトンネル。 新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCTの制限速度が時速120km/hにな[…]
盗難されたナンバープレートは犯罪目的に使われる可能性も!? 警視庁のデータによれば、バイクやクルマの部品の盗難被害である“部品狙い”の件数は2002年から減少傾向にあるようだが、その一方でナンバープレ[…]
紙工作を始めたのは3歳のころ 世界は広く、ダンボールや木でバイクを製作するなど、特殊な素材や方法でバイクを作る人がいる。これらは本物のバイク同様の大きさで作っているわけだが、模型サイズということでは、[…]
そもそも“幼児等通行妨害”の違反とは何か? 警察に取り締まりを受けたとき「そんなの聞いたこともないよ!」「理不尽だ」と、疑問を抱くことがあるかもしれません。そもそも、運転免許の学科試験では満点を求めら[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
ライダーを悩ませる二輪車通行禁止区間。具体的にどういった場所が挙げられる? 二輪車通行禁止区間の手前には必ず標識がありますが、標識を見落としてしまったり、何気なく前を走るクルマについて行ってしまうと、[…]
先日、周りのバイク好きの仲間から「旧車って今凄い高くなってるよね~」という話を聞きました。少し調べてみると、絶版車が増えてきている流れで、旧車の需要が高まっている様子。 …と偉そうに語ってみましたが、[…]
トンネルには照明同士の設置間隔が不均等、消灯している個体がある 高速道路や幹線道路を走っていれば、誰もが通るトンネル。 新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCTの制限速度が時速120km/hにな[…]
“都道最狭”155号線は、東京都八王子市と町田市をつなぐ道 「酷道」や「険道」といった言葉を聞いたことはないだろうか? 国道や県道といった、いかにも“整備されているはず”の道なのに、離合(すれ違い)が[…]
「かっこいいバイクじゃん!」「あんなクルマに乗ってみたいなぁ」 と、憧れのバイクやクルマを目の前にしてテンションが上がってしまい、本人の許可なくスマホなどを使って写真を撮った人もいるのではないだろうか[…]
人気記事ランキング(全体)
1997年型モンキーSP/2005年型モンキーをミックス? ホンダはタイで、モンキー125(現地名:モンキー)の2024年ニューカラーを発表した。従来のタータンチェック柄のシートはシンプルなタックロー[…]
こんにちは!マットです!!今回は通常モデルの試乗レビューではなく…面白そうな車両の試乗案内をいただきましたので、愛知県岡崎市まで行ってきました!! トリックスター主催のマフラー大試乗会に参加! 高い性[…]
スポーティでスリムな見た目ながらプロジェクター搭載 コネクテッドライド スマートグラスの見た目は、電子機器が入っているとは思えないぐらいスリムで、スポーティーなサングラスそのもの。それでも、最大動作約[…]
ライダーを悩ませる二輪車通行禁止区間。具体的にどういった場所が挙げられる? 二輪車通行禁止区間の手前には必ず標識がありますが、標識を見落としてしまったり、何気なく前を走るクルマについて行ってしまうと、[…]
市街地からツーリングまで、どこでも使える絶版スーパースポーツモデルに注目! 教習所で大型自動二輪免許が取得できるようになり、若干威光が薄れたものの、750ccやオーバー1000ccモデルは、フラッグシ[…]
最新の投稿記事(全体)
リアショックのライナップをご紹介 型破りに高性能なZX-4RRと、究極の250ccクラススーパースポーツマシンZX-25Rのポテンシャルをさらに引き上げるYSS SUSPENSION。 ZX-25R […]
突き抜ける高音を奏でる Z H2(23-24年モデル)に適合する政府認証スリップオンマフラーIKAZUCHI。Z H2の性能を引き出すためにBIGサイズのIKAZUCHIサイレンサーを新設計(通常のI[…]
アグレッシブなスタイリングのV-クロス4にカラフルをプラス プロライダーからもアグレッシブなスタイリングと良好な視界から支持を集めている、本格的オフロードモデル、V-クロス4。すべる事で衝撃を分散させ[…]
ハーレー&ショットガンでタカになりきろう! 2024年5月24日公開予定の映画「帰ってきた あぶない刑事」の公開を記念して、ハーレーダビッドソン×東京マルイのコラボによる『ハーレー&ショットガンでタカ[…]
「HondaGO BIKE MEETING 2024」は試乗会や電動バイク体験、写真撮影サービスなど盛りだくさん! 2023年5月に鈴鹿サーキット(三重県)で開催された「HondaGO BIKE ME[…]