実は違反している場合も多い!? 信号機のない交差点、どう渡るのが正解?【元警察官が解説】
●文:[クリエイターチャンネル] 宅島奈津子
信号機がない交差点
国道や県道などの主要な道路における交差点では、必ずと言っていいほど信号機が設置されています。しかし、そうではない交差点、つまり信号機がない交差点というのも存在します。
あきらかに道幅が広かったり、中央線が引かれていたり、止まれの標示や標識がある場合は迷うことなく走行できますが、そうではない交差点では、どちらが優先なのかわからないといったこともあるかと思います。
日本国内における交通ルールとして、通常左側が優先とされていますが、この場合も例外ではありません。道幅が同等で標示や標識がなければ、基本的には左側が優先となります。
信号機がない交差点での注意事項
信号機があればそれに従って走行すればいいだけの話ですが、信号機がない場合は注意しなければいけないこと、気を付けるべきことがあります。
停止線や止まれの標示・標識があるかどうか。それらがある場合は当然、停止しなければなりません。
停止線も、道路標示・標識もない場合は、道幅が広いのはどちらなのかといったところを注意して見なければならないのです。
どちらが優先なのかわかりにくい場合は、先にも述べたように左側が優先であると覚えておいてください。わかりやすく言うと、右側から車両が来れば自分が優先になりますが、左側から車両が来れば相手側が優先となります。
ただし、自分の方が優先であったとしても、交差点においては徐行したり、一時停止をして周囲を確認するようにしてください。右左折する際の対向車やその後続車両、右左折したあとの歩行車や自転車等にも注意が必要になります。
同等の道幅における交差点での事故
通常走行している際の過失の割合を、自動車同士の場合、自動車とオートバイの場合、自動車・オートバイと自転車の場合で分かれます。
自動車同士の場合
- 左方車と右方車が同速度 → 左方車:右方車=40:60
- 右方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=60:40
- 左方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=20:80
自動車とオートバイの場合
左方車が自動車、右方車がオートバイの場合
- 左方車と右方車が同速度 → 左方車:右方車=50:50
- 右方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=35:65
- 左方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=60:40
左方車がオートバイ、右方車が自動車の場合
- 左方車と右方車が同速度 → 左方車:右方車=30:70
- 右方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=60:40
- 左方車のみ減速した場合 → 左方車:右方車=20:80
ただし、これらはすべて基本的な場合の過失割合となるので、著しい過失があった場合など例外はもちろんあります。
信号機がない横断歩道
道路交通法には、横断歩行者等を保護するための通行方法が定められています。横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、車両の運転手は横断歩道の直前で一時停止をして、歩行車の通行を妨げてはならないとされています。
横断歩道を走行する際は、歩行者がいないことがあきらかな場合を除き、横断歩道の停止位置で止まれる速度で走行し、歩行者がいる場合は一時停止しないといけません。
また、横断歩道手前で停止車両がある場合は、一度停止して確認したあとに追い越し走行し、横断歩道内およびその手前30mは追い越しも追い抜きも禁止となっています。これらはいずれも違反であり、検挙対象となります。
それでもまだまだ、信号機がない横断歩道で渡ろうとしている歩行車がいるにもかかわらず、停止・減速しないドライバーがたくさんいる、というのが現状です。なかには悪気がなく見えなかった、見えにくかった、といったケースもありますが、いずれにしてもドライバーの確認不足である、ということが言えます。
こういった実情から、違反時の罰則を強化されることもがないとも言えません。運転する際は常に安全確認が必要ですが、信号機のない交差点を走行する際は普段以上に気を付けて運転したいものです。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(宅島奈津子)
オートバイのメンテナンスは大切 オートバイや乗用車に限らず、どんな乗り物でもメンテナンスは必要不可欠です。定期的にメンテナンスを行うことで、長く乗り続けることができるだけでなく、事故を防ぐことにもつな[…]
基本的なライディングフォーム バイクファンであれば一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、時に白バイ隊員は公道を走るスペシャリスト集団とも言われています。ですが、走行中はライディングフォームを意識す[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
みなさんは、トライクという乗り物をご存知でしょうか。ライダーであればほとんどの方が、目にしたことがあるかと思います。なかには乗ったことがある方も、いらっしゃることでしょう。 このトライク、語源はトライ[…]
交通取締りが行われている場所 安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なくないので[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
先日、バイク好きな友人と車でドライブしているときに(私は助手席だけれど…)ライダー同士がすれ違う際に、ピースをしあっている光景を見た。なんだか楽しそうなことしてるなーと思い、「あれって、車に乗ってる俺[…]
突然の交通取り締まり! 違反をしていないときでも… 交通ルールを守って安全運転に努めているのに、とつぜん取り締まり中の警察官に止められてしまった経験がある方は多いはずです。 「え? なにか違反した?」[…]
しっかりとした防寒対策をすれば冬ならではの魅力が楽しめる! じっとしているだけでも寒い季節…さらに走行風を浴びるバイクって何が楽しいの? と思われる方も多いかもしれません。たしかに寒さの感じ方は、人そ[…]
一般人ほど相続に気をつけろ! “相続”は「金持ちの問題」と思っている人が多いようですが、それは大間違い! 少しでも物やお金を持っていれば、相続は誰にでも関係します。そして、一般人ほど面倒です。 お金持[…]
デイトナを制した伝説のマシンが代官山に出現! 日本が世界に誇るサンダンスハーレーのレーシングマシン「Daytona Weapon I」と「Daytona Weapon II」が、代官山蔦屋書店(東京都[…]
人気記事ランキング(全体)
アッパーカウルはフランスで882.5ユーロ 1980年代のGSX1100S KATANAをモチーフにしたスペシャルモデルを製作することは、S2コンセプトのスタッフが何年も温めていたアイデアだった。それ[…]
【’09VMAX開発秘話】2リッター「音魂(オトダマ)」は失敗だった 新VMAXの開発には実に十数年の歳月が費やされた。このプロジェクトを長い間推し進めてきた中心人物は開発の経緯をおよそ次のように語る[…]
ライトグレーのボディにライトブルーのホイールが新鮮! ヤマハが「MT-25」の2025年モデルをインドネシアで世界初公開した。欧州で発表済みの兄弟モデル・MT-03に準じたモデルチェンジ内容で、現地価[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
欧州&北米で昨秋登場した新型YZF-R3の250cc版 ヤマハはインドネシアで新型「YZF-R25」を発表した。2024年10月に欧州&北米で登場した新型YZF-R3と同様のモデルチェンジ内容とした2[…]
最新の投稿記事(全体)
改正道路法による道路空間の活用 神戸市は、瀬戸内海から六甲山地まで、約2~3kmほどの平地に繁華街や住宅地が密集しており、坂道も多い。そのため特に原付バイクの利用が根付いている。 そこで同市は放置駐車[…]
1959年から支持され続けている! 1)作業がとても手軽2)使用できる範囲が広い3)しっかりツヤが出る4)油汚れが場合によってはパーツクリーナーよりもよく落ちる 順に説明していこう。 1)作業が簡単 […]
ガソリン漏れトラブルは突然に これは先日実際に起こった出来事です。 ガソリンを携行缶からバイクのガソリンタンクに注入しようとしたら・・・ボタボタボタッ・・・。 「!!!!」 携行缶のノズルの根元からガ[…]
2001年登場の先代1800/2018年登場の現行1800に適合 ミシュランが新型スポーツツーリングタイヤ「MICHELIN ROAD W GT(ミシュラン ダブリュー ジーディー)」を発表した。20[…]
レーシングマシン「R90S」を彷彿とさせるシルエットとオレンジカラー BMWは、BMWモトラッドのヘリテイジカフェレーサー「BMW R12S」を国内200台限定で発売すると発表。1月22日より200台[…]
- 1
- 2