【コチコチ硬化ゴム復活計画#3】オイル浸け置き時間10倍に! もっと柔らかくなったのか? 衝撃の結果をご笑覧あれ!

経年劣化でコチコチに硬く硬化してしまったゴム部品を復活させるプロジェクト。廃油に浸けることで柔軟性を取り戻せることが分かってきたけども、もっと短時間でより効果的な方法はないものかと試行錯誤しております。地味な実験ですが、レストアで部品の欠品に悩む皆様のお力になれれば幸いですっ…!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
「硬化したゴムを復活させる計画」の続報をお届けします
「オイルに浸けたら、経年劣化でコチコチに硬化したゴム部品が柔らかくなる?」という実験をしております。
前回は、フォロワー様から「オイルと灯油をブレンドしたものを浸け込めば数日で軟化するよ」というアドバイスをいただき、エンジンオイルと灯油を3:1でブレンドした液体での処理を試して、硬化したマニホールドを柔らかくすることに成功しました。
たった3日で効果が実感できるほど柔らかくなった!
それならばもっと長く浸ければもっと柔らかくなるかも…? なあんて思い、スケベ根性が芽生えたのですよ。
好評につき期間延長。こんどは10倍だぁ~!
そんなわけで、まだ寒い2月のこと。愛車が半分冬眠状態になっている隙に、マニホールドを期間を延長して再びオイル浸けにしてみることにしました。
前回使ったエンジンオイルと灯油のブレンド液(オイル3に灯油1の割合)をそのまま継続して使用します。容器の中にマニホールドを再び沈めて、日当たりのいい場所に放置。
1週間経ち、2週間経過。河津桜の見頃も過ぎ、スギ花粉が飛び交う季節になってもなお放置し続けて…
一か月経過! その結果は…?
3週間、そしてついに1ヶ月が経過! 季節は檜花粉シーズンに突入して、桜開花直前にもなりました。さあ、オイル&灯油浸けのマニホールドはどうなったのか!?
たった3日間で柔らかくなったエンジンオイルと灯油のコンビネーションですから、時間にしてその10倍。実に1ヶ月以上浸していたのだから、その効果は期待していいでしょう! 容器からマニホールドを出してみます。
さあっ! …どうでしょうか?
正直…見た目はほとんど変わってませんね。
以前、廃油に浸けたNSR250のマニホールドは、表面がドロドロに溶けていましたが、今回は溶けている様子はなく、正月のおせち料理の黒豆のような美しい黒光り。
うん、やっぱり見た目は変わっていね。だけど…押して潰してみないと、その結果は…分かりませんよね? 付着しているオイルを拭き取ります。黒光りするマニホールドが美しいですね。
衝撃の結果がここに!
それでは…指で潰してみますよ?
えい。
ちゃんと潰れてくれます! しかし…しかしっ! これは…前回とほとんど変わらない!
え、マジか。変わらないって、どゆこと?? …これはなぜでしょうか?
実に10倍もの時間浸け込んでいるのに、柔軟性が変わっていないなんてあり得ない。ていうか、単に企画倒れじゃん??(しょぼーん…)
「おい、マジか。」
…と、あまりにも予想外の結果にかなり取り乱してしまいましたが、でもこれも間違いなく一つの結果です。押して潰してみた手の感覚としては、前回のソレより柔らかい気がしますが、気温も違うので厳密な比較にはならないかもしれません。
…なのですが、写真で見る限りは潰れる量はほとんど同じですね。
(ほんっと変わらないな…)
キャブレターのマニホールドなので、元々の素材が柔らかいものではないということもあるでしょう。実は新品と同様なレベルまで柔らかくなっているのかもしれませんが、新品が手元にないので比較しようがありません。
でもこれ、最初にオイルに浸ける前は、本当にキャブレターが取り付けられないほどコチコチに硬化していたので、こうやって指で潰れるほど柔らかくなっていること自体がほとんど奇跡と言っても過言ではありません(…とかなんとか、取り繕ってもしょうがないか…)。
というわけで、ここまで読んでくれた皆様のご期待に沿うことはできませんでしたが、3日間浸けても30日間浸けても、明確な違いはありませんでした。申し訳ございません。
ところで。第1回の実験では、オイル交換した後の廃油でしたが、第2回と今回の第3回では、新品のオイルを使用していました。
あまり気にしていませんでしたが、使用前のオイルと使用後のオイルではその成分に変化があるのかもしれません。まだまだデータ不足の実験なので、今回の結果も一つの記録として留めておきたいと思います。
それにしても、このオイル浸け込み作戦はまだまだ研究の余地があるようです。ここまで来たら、効果あると断言できるので、これは是非とも皆さんで総力を上げて研究していきたいところです。
これを読んで興味を持った皆さん、よかったらご自身でも実験してみてくださいね。
皆さんの研究報告、待ってます! この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
構成要素のすべてに技術的な裏付けがあるSP2シリーズ そもそも山口県のバイクショップからスタートしたASウオタニ。SP2フルパワーキット/SP2パワーコイルキット/SP2ハイパワーコイルセットといった[…]
レストアでのつまづきはそこかしこに 古いバイクをレストアしていると意外なところでつまずいたりするものですが、今回引っかかったのが8インチのチューブタイヤの「リムバンド」。 こちらのホイール、別にリムバ[…]
ガソリン添加剤の役割 ガソリン添加剤といってもその用途はさまざまですが、大まかなカテゴリーとしては 洗浄効果 性能向上 の2つに分けられます。 洗浄効果について 現在主流になっているPEA(ポリエーテ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
ガソリン添加剤の役割 ガソリン添加剤といってもその用途はさまざまですが、大まかなカテゴリーとしては 洗浄効果 性能向上 の2つに分けられます。 洗浄効果について 現在主流になっているPEA(ポリエーテ[…]
エンジンと同時進行で開発されるオイルの重要性を再確認 シリンダーとピストンやクランクシャフトのジャーナル部分、クリアランスが狭い部分など、エンジンの隅々にまで行き渡って潤滑や冷却などの役割を果たしてい[…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
収納しやすく持ち運びやすいカード型くもり止めスプレー これからの時期、急に雨に降られて走行する際にシールドが曇りやすくなる。雨の中でシールドが曇ると余計に視界がなくなり、安全運転を阻害する要因となりか[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! 1947年カリフォルニア州ロングビーチで創業し、これまでにカーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた「シュアラスター」。幅広いラインアッ[…]
人気記事ランキング(全体)
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
シリーズ累計で約3万台を生産したW1の系譜 約9年に及んだ販売期間の中で、W1シリーズの人気が最高潮に達したのは、ペダルの配置が左:シフト/右:リヤブレーキに改められたW1SA。それに次ぐのはツインキ[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
最新の投稿記事(全体)
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
2024年モデル概要:赤×黒の熱いカラーリング 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エン[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
- 1
- 2