マッスルバイクちゃんねるがヤングマシンに登場!バイクビギナーを卒業するためのTips満載だ‼
公道でも意味があるって本当? 教習所で教わる謎の習慣4選【バイクのギモン】
●文:[クリエイターチャンネル]ゆっち(マッスルバイクちゃんねる)
教習所で教わる「サイドスタンドを払ってからバイクに乗りましょう」という指導。皆さん、疑問に抱いたことはありませんか?
ルールで定められているからと言ってしまえばそれまでですが一見、教習所専用に見える技術でも公道で通用するような、きちんとした意味があったりします。
サイドスタンドを払ってから乗車
公道ではサイドスタンドを払ってからバイクに乗車するという、立ち転けのリスクが高い跨り方をする人は少数派だと思います。
では、なぜ教習所ではサイドスタンドを払ってから乗車するように指導されるのかというと、そこには大きく分けて2つの意味があります。
1.サイドスタンドの払い忘れ防止
昨今のバイクはサイドスタンドが出ている状態ではエンジンがかからなかったりギアを入れるとエンジンが切れるようになっているものが大半ですが、一昔前のバイクはサイドスタンドが出ている状態でも走り出すことができました。
そしてサイドスタンドが出しっぱなしになっていることに気付かず左に曲がろうとして、サイドスタンドが地面に引っ掛かって転倒するという事故も少なくなかったのです。
今でもそうした時代のバイクが出回っているため、教習所では乗車前にサイドスタンドを払ったことを確認してから乗車するように指導しています。
2.最低限の技術を身に付けるため
サイドスタンドが出ていない(バイクが自立していない)状態で乗り降りや取り回しを十分に行えないというのは、軽い転倒が大きな事故に繋がる可能性のある公道では致命的と言えます。
公道での乗り降りの方法は自由ですが、せめて練習の場である教習所では難しい方法でも乗り降りできるように試行錯誤してほしいというのが指導員としての本音です。
教習所は練習の場です。どのような方法で乗り降りするにせよ、どのような状況にも対応できるように難しいとされている方法を練習しておくことも大切です。
降車してからサイドスタンドを立てる
公道では立ち転けを防ぐためにサイドスタンドを立ててから降車する人もいます。しかしこの方法は一長一短で、一概に安全な降車方法とは言えません。バイクに乗車した状態で転倒すると、バイクの下敷きになる可能性があるからです。
逆に降車後にサイドスタンドを立てる場合は、万が一転倒しても両手さえ離してしまえば体を逃すことができるので、バイクの下敷きになることは少なくなり、怪我のリスクが低くなります。
またサイドスタンドを立てたつもりがしっかり立っていなくて、転倒するというパターンもありますが、このような事故は乗車したままサイドスタンドを立てる人がよく起こしがちです。
このような安全の観点から、教習所では降車してからサイドスタンドを立てるように指導しています。
クラッチレバーは4本指
公道では状況に応じて使い分けている人が大半だと思いますが、教習所の試験課題をクリアするためには4本指での操作が適切であるため、そのように指導しています。
例えば、一本橋やクランクなどクラッチレバーの操作が頻出するような試験課題。2本指でクラッチレバーを操作するとすぐに疲労が溜まって指を動かしづらくなってしまいます。
またギアチェンジの際は、安全で確実なギアチェンジを行えるよう、教習所ではクラッチレバーを完全に握り込むように指導します。2本指や3本指で操作するとグリップとクラッチレバーの間に指が挟まってしまうため、4本指での操作が一番確実なのです。
ブレーキレバーは4本指
4本指での操作はブレーキをかけすぎてしまう可能性が高いため、一般的には2本指での操作が適正であるとされています。
しかしレバーに当てる指を減らせば、力加減が弱まるのは当然のこと。4本指だとかけすぎてしまうからと2本指での操作に最初から慣れてしまうとブレーキの適切な調整感覚が身に付いたとは言えません。
そうした状態で公道に出てしまうと、しっかりと急ブレーキをかけようとした際に、4本指での力加減がうまくできずに転倒してしまう可能性があります。そのため、教習所ではブレーキ入力の加減を覚えるために4本指での操作を指導しています。
このように一見、公道での走行に即していないように思える指導も、安全に走るための練習として見れば大きな意味を持っているのです。練習の一環として公道走行でも教習所の指導を今一度、思い出してみてはいかがでしょうか。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(ゆっち(マッスルバイクちゃんねる))
ネット上で教習指導員として活動していると「教習所には悪い思い出しかなく、通うのが苦痛だった」という話を聞かせて頂くことがよくあります。そんな経験をする人が一人でも減らせるように、失敗しない教習所の選び[…]
公道ではルールに従って走行することが基本となりますが、ルールが多すぎて中々把握しきれていないという方も多いのではないでしょうか。 とは言え悪意がなかったとしても、違反をすれば罰金・反則金・加点を受ける[…]
知っているようではっきりはわからない人も多いこの疑問。結論から言うと、バイクでの雪道走行は違反になる場合があります。違反点数が加算されることはないものの、反則金を支払う必要があるので、冬でもバイクに乗[…]
冬のバイクは危険というのはライダーであれば誰もが理解していることだと思いますが、毎年冬になるとSNS上では「転けてしまいました…」という報告を多く目にします。走らないのが一番ですが、寒い中でもバイクに[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
チェーンの張り調整が必要なのは、チェーンが徐々に伸びるからだけど…… バイクのチェーンのメンテナンスといえば「清掃・潤滑」と「張り(あそび)のチェック」。まず、チェーンを長持ちさせるには清掃や潤滑をマ[…]
「一時停止違反」に、なる!/ならない!の境界線は? 警察庁は、毎年の交通違反の取り締まり状況を公開しています。 最新となる「令和3年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等につい[…]
車体を傾けたら真っ先に接地する“バンクセンサー” カーブを曲がるために深くバンクさせると、車体のどこかが地面に接地して、ゴリッとかガーッという音と共にステップから衝撃がきてビックリしたことがあるライダ[…]
バイクという乗り物の大きな魅力のひとつが多種多様な構成のエンジンです。みなさんもエンジンが気になって調べたことがあるんじゃないでしょうか。そこでよく出てくるのが「空冷」や「水冷」というワードです。これ[…]
最新の関連記事(ライディングテクニック)
シリーズ第8回は「8の字走行」。基本操作の総仕上げ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本[…]
料金所の停車、30cm行き過ぎたらバックが必要に たとえば地下駐車場入り口のチケット発行機や、出口の料金支払い機、こうしたゲートのある料金所で停車するとき、何かの拍子で30cmほど行きすぎると、機械に[…]
大型トラックの渦=乱流と負圧域でバイクを吸い寄せる 大型トラックでもバイクでも、空気の塊を突き破るように走っています。そのとき空気がキレイに車体に沿って流れてくれればいいのですが、そううまくは行かず、[…]
じつはベテランも毎回同じにできていない 半クラッチはブレーキやギヤチェンジに次いでリクエストの多い課題。その半クラ発進、じつはベテランでもその都度少し違ったクラッチミートになっていて、毎回ピッタリ同じ[…]
1964年頃からGPレースで始まった、内ヒザを開くスタイル ヒザ擦りどころかヒジ擦りすら珍しくなくなったレースシーン。そこまでアグレッシブでなくても、ワインディングでそんなに深くバンクしてないのに内側[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
- 1
- 2