125ccスクーター 最軽量コンパクト! ヤマハ「ジョグ125」試乗レビュー

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
昭和生まれの筆者にとってヤマハのスクーターといえばジョグでした。
海外では原付二種のジョグは存在しましたが、ついに国内でもジョグ125がリリースされました。
スペックを見る限り原付二種クラスで最軽量コンパクトなジョグ125の魅力を試乗して探りました。
ジョグ125の装備

原付二種クラスの人気を受けて高スペック、高機能になってきていますが価格も高騰し続けています。
ジョグ125は装備をシンプルにして価格を抑え使い勝手を意識した設計になっています。

最近は灯火類にLEDを採用する車種が多いですが、ジョグ125の灯火類は全てLEDではありません。
テールユニットがYZF-R1やTMAX560などを彷彿させるスポーティーなデザインになっています。

ブレーキは前後共にドラムを採用しつつコンビネーションブレーキがセットになっています。
原付二種スクーターでフロントブレーキがドラムなのはジョグ125ぐらいかもしれません。

ステップはフラットフロアを採用しつつ前側は足を投げ出せるように傾斜がついているのは嬉しいポイントです。

フラットフロアが採用されていればコンビニフックもついてきます。
スーパーで買い物した際にシート下に納まらなかった荷物は袋ごとフックに掛けておくことができます。

タンデム用にグラブバーが装備されていますが、樹脂製で質感もイマイチでした。
日常の足として活躍する125ccクラスなので金属製のリアキャリアにしてほしかったところです。
足つき

ジョグ125のシート高は735mm。車両重量は95Kgです。
身長164cm、体重62kgの筆者が跨ってみると両足踵までベッタリつきます。
スクーターはシートが広いのでシート高の数値ほど足つきの良さを感じない車種が多いですが、ジョグ125はサスペンションが柔らかくライダーの自重でしっかり沈み込み、シートの前側はかなり絞り込まれているので足つきは良好です。
しかも車両重量は125ccでも最軽量の95kg。跨ったまま取り回しするのも不安がありません。
シート下の収納力

スペック表を見るとシート下の容量は21.3Lとなっています。
ホームページの写真を見るとシールド付きのジェットヘルメットが納まっているように見えますが、全排気量対応のスポーツジェットは厳しいかもしれません。
軽量コンパクトなSHOEIのJ FOURCE4のMサイズは収まりませんでした。シート高を下げるために浅めに設定されているのかもしれません。

ヘルメットが収納できない場合には収納スペース前側左右にホルダーが用意されています。
実際にフルフェイスヘルメットのDリングをかけてみたところ、多少コツが必要ですが問題なく使用することができました。

実際にスーパーで買い物をした際にシート下に荷物を入れてみました。
2Lのペットボトル3本を含む買い物かご2/3ぐらいの容量です。

結果2Lのペットボトルが1本納まりませんでした。

こういった時には慌てずコンビニフックを使えば問題なく持って帰ることができます。
ジョグ125の走行性能をチェック

ジョグ125の見ためは50ccと言われれば信じてしまうぐらいコンパクト。フットワーク軽く走れそうな印象ですが実際にはどうでしょうか?街中を走行してみました。

ジョグ125はアクシスZと同じ124cc空冷単気筒エンジンを採用しており出力も8.3馬力で共通です。
NMAXやシグナスグリファスなど同社の水冷エンジンスクーターは12馬力なので2/3程度。
ただ車両重量は30kg程度軽量なので走り出しの加速に不満を感じることがありません。

人によって違うかもしれませんが、アクセルをなんとなく開けていると40km/h~50km/hぐらいでスピードがおさまります。
自宅の周辺は40km/hぐらいの道路が多いのでスピードを抑えようと意識しなくても大丈夫なのは嬉しいポイントです。

制限速度が60km/hの道路で更にアクセルを回して加速してみましたが制限速度いっぱいまで滑らかに加速します。
パワフルではありませんがパワー不足は感じません。ただ追い越しをする時は多めにアクセルを開ける必要はありました。

ブレーキは前後ともドラムブレーキですが、制動能力に不満を感じることはありませんでした。
ただかけ始めのカチッと感はありません。
コンビネーションブレーキはリアブレーキのかけ始めにフロントブレーキが積極的に介入してくる感じではないのでスピードのコントロールはしやすい印象です。

往復5時間ほどのツーリングでも使ってみたところストップ&ゴーが苦にならず快適でしたが、一点だけ気になったのがリアショックのダンパーの弱さです。

シートのクッション性も優秀でお尻が痛くなることもなかったのですが、段差を超えた時の突き上げ感が強く長時間走っていると腰にダメージがきました。
1時間前後走る際には気にならないかもしれませんが、長時間走るとなると気になる人も多いでしょう。
ジョグ125の燃費

ジョグ125のメーターは情報量が最低限のアナログメーターです。燃費計などもついていません。
登山ツーリングに行ったときに5時間120kmほど走ってみましたが、満タン法で測定した結果は52km/hでした。
タンク容量4Lなので、満タンで200キロ走ることができます。
日常の足に最適な一台
長距離走ろうとすると他の車種と比べて装備や走行性能の面で劣る部分はあるものの、軽量コンパクトな車体は気軽に乗ることができます。
筆者はスズキのアドレスV125を所有していますが、同じようなスクーターに乗り換えようとすると、最近の125㏄スクーターは装備が豪華になり車体が大きいので買い替え候補がありませんでした。
ジョグ125㏄に関しては軽量コンパクトで手を出しやすい価格のスクーターを探しているのにはピッタリ。

ただ台湾では名称こそ違うものの、フレームとエンジンが共通で灯火類がLED、USB電源とディスクブレーキを備えたバリエーションモデルがラインナップされています。
RS NEOという車両ですが、今後こちらも国内販売を期待したいところです。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
し、週刊プレイボーイとコラボだなんて………ッ! 潜入したつもりが潜入されていた──。な、なにを言ってるかわからねーと思うが(以下略) ヤングマシン本誌3月号(1月24日発売)でお届けした『原付二種スク[…]
PCX150のリリースがきっかけで人気に火がついた150㏄クラススクーターは、現在ホンダから2車種、ヤマハから3車種が発売され大人気。 今回試乗するNMAX155はTMAX560を筆頭とする「MAXシ[…]
ヤマハがフロント2輪のスクーターを発売するという発表をした際、私は「絶対売れない」と思っていました。 一般的な125㏄スクーターと比べたら価格が高いし、車両重量も重いし、通勤で使うには大きいように感じ[…]
日本でも人気の原付二種スクーターですが、排気ガス規制対応の問題などで各メーカーラインナップが一時的に減少していました。 とりわけスズキに関しては原付二種スクーターが姿を消す事態に(マニュアルのGSX-[…]
日本でも人気の原付二種スクーターですが、排気ガス規制対応の問題などで各メーカーラインナップが一時的に減少していました。 とりわけスズキに関しては原付二種スクーターが姿を消す事態に(マニュアルのGSX-[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
ゴールド×イエローのリヤサスペンション、リムステッカー、フロアパネルが輝く! タイホンダお得意のコラボモデルが登場だ! 今回発表されたのは、プレミアムサスペンションのトップブランドとして君臨する「オー[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ワールドスーパーバイク選手権で6度の世界王者に輝いた北アイルランド人 ジョナサン・レイがついに引退へ──。 2024年にカワサキからヤマハへと移籍したジョナサン・レイが、2025年シーズン終了をもって[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
43年で歴史に幕……と思ったらタイで続いてるよ! 平成32年排出ガス規制の壁、ABS義務化、そして灯火類の追加レギュレーション……。日本ではさまざまな理由から継続生産ができなくなり、2021年モデルを[…]
ヤマハSR400試乗レビュー この記事では、ヤマハのヘリテイジネイキッド、SR400の2021年モデルについて紹介するぞ。43年の歴史に幕を下ろした、最終モデルだった。 ※以下、2021年5月公開時の[…]
人気記事ランキング(全体)
ゴールド×イエローのリヤサスペンション、リムステッカー、フロアパネルが輝く! タイホンダお得意のコラボモデルが登場だ! 今回発表されたのは、プレミアムサスペンションのトップブランドとして君臨する「オー[…]
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
コンパクトながら高出力のペルチェ冷暖ベスト おたふく手袋の「冷暖ペルチェベスト JW-699」は、USB PD対応の2万mAhバッテリーを標準付属。psEマーク取得のバッテリーで、最大連続使用は冷却の[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
気負うことなくスポーツできる! 国内モデルの125ccスポーツは、新車だと安くても40万円前後。物価高が続く昨今、とくに若者にはなかなか手が出しにくい。そんな中、23万8千円という価格で登場したのが「[…]
最新の投稿記事(全体)
ワールドスーパーバイク選手権で6度の世界王者に輝いた北アイルランド人 ジョナサン・レイがついに引退へ──。 2024年にカワサキからヤマハへと移籍したジョナサン・レイが、2025年シーズン終了をもって[…]
サブフレームは取り外し可能で、スタイリングや積載性を大きく変えられる 春のモーターサイクルショーで国内初お目見えした新型モデル「クラシック650」が正式発表された。リヤサスペンションの取り付け部分が独[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回はホンダCL250を洗車します。 洗車ポイントは“黒い部分をしっ[…]
房総フラワーラインとは?バイク乗りに人気の理由 房総フラワーラインは、千葉県の房総半島南端をぐるっと周遊する約46kmのルートです。千葉県館山市下町交差点から南房総市和田町までの海沿いを巡り、上掲のG[…]
「銀の弾丸」が示すスタイルと走りへの意思 フランス・ビアリッツのサーフ&バイクカルチャーの聖地「Wheels and Waves」フェスティバル2025は去る6月に行われた。欧州7カ国から選りすぐりの[…]
- 1
- 2