古くなったネジは直せる! ボルトの溝を刻み直して復活させる「ダイス」の使い方
傷んだネジ、見て見ぬふりをして使っていたりはしないだろうか? 一見きれいに見えていても、回す時に抵抗や違和感があったらそれは寿命が来たサイン。そのまま使っているとネジ穴を痛めてしまったり、最悪の場合はボルトが折れてしまう(!)こともある 。本記事では、そんな時に役立つアイテム「ダイス」の効果と使い方について、バイクメンテナンス系YouTuberのDIY道楽テツ氏が解説する。
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
ダイスの使い方:ネジ山は滅びぬ。何度でも蘇るさ!
何十年も前の旧車からピカピカの新車まで、昔から変わらずバイクを形作るのに重要な役割を果たしてきたボルト。経年劣化で汚れていくのは仕方ないことですが、ネジとして正常に機能する程度であれば問題にはなりません。しかし、腐食によって溝が埋まってしまっていたり、傷や凹みによってネジ山が潰れていたりすると、もはやボルトとして正常な機能は果たせません。
替えのボルトがないからといって無理やり詰め込んだりしてしまうと、必要な締め付けトルクの管理ができないばかりか、ネジ穴側の溝を傷めてしまったり、最悪の場合、締め込んでいる最中にボルトがねじ切れてしまうという悲惨な結果にもなりかねません。
ダイスの使い方:そんなわけで、ネジを復活させましょう!
でも大丈夫! 「ボルトは滅びぬ、何度でも蘇るさ!」 …と、どこかの誰かが言ったかどうかは定かではありませんが、今回は魔法のアイテムで、ボルトを復活させてみたいと思います。以前「サビまみれのネジ穴を修復する方法!」の時に登場したアイテム「タップ&ダイスセット」の中から、今回はボルト側を復活させるアイテム「ダイス」を使います。
ダイスとは、何やら不思議な穴が開いたドーナツ形状の部品で、「ダイスハンドル」と呼ばれる道具に取り付けて使用します。
【使い方】それでは早速、ボルトのネジ山修正いってみよう!
使い方としては、最初がとにかく肝心。ボルトのサイズとピッチ(溝の間隔)が合ってるかどうかをしっかりチェックしましょう。これが一番重要。
オートバイの国産車であれば、M5はピッチ0.8(mm)/M6ならピッチは1.0(mm)/M8ならピッチが1.25(mm)が一般的ですが、やはり基本としては最初にボルトのサイズ(直径)と、ネジ山のピッチ(間隔)をしっかりチェックしましょう。不安であれば、同じサイズ&ピッチのタップとボルトを合わせてみると間違いなくチェックできます。
そしてもうひとつ大切なのが『まっすぐ入れる』ということ!!
ダイスは本来、丸棒にネジ山を刻んでいく道具なので、入り口部分は比較的広く作られてます。その形状ゆえに、ボルトが斜めに入りやすいのでご注意ください。
しっかり、まっすぐ、ダイスにボルトが食いついていることを確認したら、後はしっかりボルトをダイスに通してやってください。潤滑剤を吹き付けるのも有効ですが、削られたカスが詰まるほうが抵抗になりやすいので、圧縮エアや缶スプレーのダスターで埃を飛ばすようにするとより効率的に作業が進みます。
ダイスに通したからといっていきなり新品同様になるわけではないですが、ネジの溝にあったサビを削り落として、ネジ山の歪みも修正、詰まっていたゴミや汚れも綺麗に取り払うことができます。
やっぱりイチオシ! タップとダイスはセットで!
以前も書かせていただきましたが、タップとダイスはセットでの購入をおすすめします。
ネジ山の修正は、やはりネジ穴やタップの修正とセットで行うのが間違いがなく、効率のいい方法です。ボルトやナットネジ穴に関するトラブルは得てして突然やってくるもので、大きなトラブルを未然に防ぐという意味でも、工具箱にタップとダイスのセットはあって損はありません!
最初から高価なものを買う必要はないので、使ってくうちに一番使うサイズやこだわりたいサイズなどをグレードアップしていけばいいと思います。
私のタップ&ダイスのセットももう何十年前に買ったかわかりませんが、これまで何度助けられてきたか、数え切れません(笑)。
今回の記事が皆様の参考になれば、とても嬉しく思います。今回もご視聴ありがとうございました~!
動画解説はこちら↓
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