規格外すぎる125cc! スズキ「GSX-S125」が高速道路に乗れないのが残念過ぎる

  • 2022/11/04 18:00
  • [CREATOR POST]相京雅行

●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行

このところ50㏄のスクーターの売り上げは下降の一途を辿っていますが、逆に原付二種と呼ばれる125ccクラスは好調です。

今までなかったオフロードテイストが加えられたモデルや3輪、モンキーが125㏄で復活するなど活気のあるクラスとなっています。

そんな中で異彩を放つモデルがスズキのGSX-S125です。

ぱっと見、250㏄にしか見えない車両の大きさが凄い!

車格がとにかくでかい!

なんと言っても最大の魅力は車両の大きさです。

リアタイヤ幅は130mm

前後17インチタイヤを採用しており、幅はフロント90、リア130ミリでサイズは250ccバイク相当です。

リアディスクブレーキ

前後にディスクブレーキを採用しており、径は大きくフロントには2ポットキャリパーを備えます。

大容量タンク

燃料タンクは大容量11Lとなっており、当然125ccクラスではトップクラス。

正直こんだけ大きくて125ccエンジンだと重くて遅いんじゃないかと不安になってしまいますが、実際の走行性能は後半でお伝えします。

装備で注目すべき点

LEDヘッドライト

灯火類はウインカー以外LEDが採用されています。LEDのポジションランプ付きで高級感があり、ガンダムの敵モビルスーツで登場しそうな異形デザインを採用しています。

シャッター付きキーシリンダー

キーシリンダーはシャッター付きなのも面白い機構の一つ。あまりスポーツタイプのバイクで見たことがありませんが、20年前に乗っていたスクーター、レッツ2にもついていました。

ABSは前後2チャンネル

ブレーキは前述した通り前後ディスクブレーキですが、ABS前後採用です。125㏄クラスだとフロントのみ採用が多いので嬉しいポイント。

コンパクトですが情報量は十分

メーターはフルデジタルメーターですが、シフトポジションインジケーターや平均燃費も表示される多機能型です。

GSX-S125の足つき

アラフォーの昭和体系が跨るとこんな感じ

GSX-S125の車両重量は135kg。シート高は785mmです。車両は大きいですが、車両重量は125ccスクーターと大差ありません。

筆者のスペックは164cm 62kg。つま先のソール厚2cmのライディングシューズを履いて跨ってみると両足つま先はしっかりつきます。片足ならお尻をずらすことなくべったりです。

前方はシート幅が狭い

シートの幅が絞り込まれており、サスペンションのセッティングが柔らかめので、座るとしっかり沈み込みます。

シート幅の広いスクータータイプと比べても足つきは良好。加えて車両重量も軽いので取り回しも楽々です。

車体は大きいけど動きは超軽い!

水冷単気筒124㏄エンジン

GSX-S125に乗り始めて最初に感じるのは動きの軽さです。

スズキが誇るスーパースポーツバイク、GSX-Rで培った経験によって開発された水冷短気筒エンジンはレスポンスがシャープで軽やかに回転が跳ね上がります。

組み合わされるミッションは6速。125ccエンジンに6速は多すぎないかと思っていましたが、走っていると頻繁に使います。30km/h~40km/hの走行では6速に入れてもギクシャクせず、頻繁にギアを操作することなく走れてしまいます。

制限速度60km/hの幹線道路では6速に入れっぱなしでパワー不足は一切感じません。多少前が混雑して走行スピードが落ちたとしてもアクセルの操作だけでOK。後続車両が加速が遅いと感じることはないでしょう。

クラッチは軽いので握力が弱い方でも問題なし

最近流行りのアシスト&スリッパークラッチは採用されていませんが、クラッチ操作は軽いのでストレスになりません。

走行中の安定感は規格外

橋の上などで風に煽られても安定させやすい

60km/h巡行の安定感は125ccクラスでは規格外の一言。前後17インチタイヤ、リア130mm幅のタイヤは安定感があり、タンクをニーグリップできるので横風にも対応できます。

ブレーキは指を置いた瞬間にガッツリ制動するようなセッティングではなく、コントロールしやすいので、初心者ライダーでも問題ありません。

驚きの連続航行距離

試乗で1時間30分ほど走行しましたが、メーターに表示される平均燃費は35.1km/Lでした。タンク容量が11Lなので連続航行距離は386.1キロという事に。

シートのクッションが効いていますが、ガソリンが空っぽになるまで走行したら、先にお尻が音を上げてしまいそうです。

長距離走行ならGSX-R125という選択肢も

フルカウルとセパハンが装備されたGSX-R125

GSX-S125にフルカウルをまとったGSX-R125という兄弟モデルが存在します。違いはカウルの有無とハンドル形状ですが、長距離走行するならGSX-R125を選んでも良いかもしれません。

GSX-R125はセパレートハンドル採用

GSX-R125はセパレートハンドルを採用しており、比べると少々前傾姿勢となります。上級者ほど上半身は脱力できると思いますが、それでも前掲になれば多少ハンドルに荷重がかかります。

アップライトなGSX-S125はお尻に荷重が集中しますが、GSX-R125は僅かにハンドルにも荷重が分散されるためお尻が痛くなるタイミングが遅くなります。

連続航行距離が長いので下道でまったり旅に出たいという方はGSX-R125を選択肢に入れてもいいでしょう。

排気量だけ150ccに変更したモデルが欲しい

試乗中ずっと感じていたのは、このままのスペックでも十分に高速道路を走行できてしまうだろうなという事。

日本では125ccでは高速道路を走行することができません。そのため最近では150ccクラスも人気ですが、GSX-S125は十分に80km/h巡行できる性能はあるように思いました。

スズキの場合にはジクサー150があるので、必要ないと判断されているのかもしれませんが、GSX-S125の排気量を150㏄まで上げたGSX-S150なんてモデルがあっても面白いように思います。

と思ったら海外向けにはGSX-S150がありますね。現在は並行輸入で一部日本でも販売されているようです。

スズキさん、是非ともこちらも国内ラインナップに加えて頂けたらと思います。


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