【ゼファー】 長期間放置で「腐った」キャブを再生したい!そんな時にも重宝するキースターの燃調キット

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製造から何十年も経ているうちに、所有者が何人も代わっていることも珍しくない絶版車。歴代のオーナーが皆、大切に扱ってくれていれば幸いですが、途中で不動期間があると劣化が一気に進行し、車体各部の中でもキャブレターに及ぶダメージは深刻です。絶版車の純正部品が続々と販売終了となる中、キースターの燃調キットはセッティングだけでなく修理やオーバーホール時にも注目されています。

●BRAND POST提供:KEYSTER 岸田精密工業

キャブレターメンテナンスの大敵となる腐敗ガソリン

ツーリングや通勤などで定期的に乗っている間は良いものの、何かのトラブルや車検切れなどの事情で不動期間が続くと、バイクのコンディションは一気に悪化します。タイヤの空気が減り、バッテリーが上がる頃にはすっかりモチベーションも低下して、気づけばそのまま数年間の不動期間に突入することも珍しくありません。

バッテリーターミナルを外してガソリンタンクやキャブレター内のガソリンを抜くなどの手順を踏んで保管しておけば、復活時の手間もさほどではありませんが、なし崩し的に乗らなくなってしまうと後が大変です。

ガソリンタンクやキャブレター内部に中途半端に残ったガソリンが劣化すると、ワニスや腐食の原因となり、タンク内にサビを発生させたりキャブレターの通路を塞いでしまいます。ワニスも腐食も厄介ですが、ガソリンが揮発して樹脂化して接着剤のように張り付いてしまうと、洗浄やオーバーホールの際の分解もままなりません。

キャブレター内部に劣化したガソリンが行き渡った、いわゆる「腐ったキャブ」を復活させるには、フルオーバーホール=全バラにして洗浄するのが最も効果的です。汚れが軽度であれば、ガソリンに混ぜるタイプのクリーナーケミカルや、キャブレターの外部からスプレータイプのケミケルで洗浄できることもあります。

しかし、劣化したガソリンが独特の異臭を放つまで熟成されてしまった場合は、クリーナー成分が隅々まで行き渡らないこともあるので、後々のことを考えても完全分解した方が良いでしょう。

地下駐車場で数年間放置されたカワサキゼファーのケーヒンCVKキャブレターは、フロートチャンバー内の汚れが酷いのは当然ながら、始動時に使用するチョーク(スタータープランジャー)が横方向に作動するため、4つのボディが連結した状態では取り外すことができません。

また、キャブ同士を連結するフューエルジョイントに組み込まれたOリングも、ボディがつながったままでは交換できません。これらの部品はジェットやジェットニードルに比べると注目度は低いですが、機能としては重要です。

劣化したガソリンが付着したままのスタータープランジャーを無理に作動させればプランジャーやキャブ本体を傷つけるリスクがあり、経年劣化で硬化したOリングを再使用すればガソリン漏れの原因にもなるからです。

穴が詰まったり腐食したスロージェットやメインジェット、ジェットホルダーやジェットニードルも洗浄が必要なのは言うまでもありませんが、劣化の程度次第では交換が必要となる場合もあります。

地下駐車場なので屋根はあるものの、湿度の高さから車体全体にサビが発生していたカワサキゼファー400。ガソリンタンクとキャブレターに中途半端にガソリンが残っていて、タンクキャップを開けると鼻を突く強烈な異臭が立ち上った。計画的に長期保管するなら、タンクもフロートチャンバーも空にする。その上でキャブレター内部に付着したガソリンをパーツクリーナーで洗浄しておくとさらに安心。

キースターの燃調キットは原付から大型車まで500機種以上用のラインナップを構築。ゼファー400用キャブは#1#4、#2#3でセッティングが異なるため、燃調キットも#1#4用、#2#3用の2種類がある。またひとつの燃調キットはキャブレター1個分のパーツで構成されるため#1#4用、#2#3用ともに2個ずつ必要。販売価格は1キット4400円(税込)だ。

直射日光が当たらず温度変化も少ない場所だったせいか、フロートチャンバー内のガソリンは油面は低下しているがすべて揮発することなく変質している。揮発の過程でワニスが発生してチャンバー内はニスを塗ったように変色している。当然ながら異臭もすごい。

見える部分に泡タイプのキャブレタークリーナーをスプレーして、粘着質のガソリン汚れを溶解する。通常のパーツクリーナーでは表面の汚れしか落ちないので、浸透性の高いキャブクリーナーが必需品だ。

ジェットの穴だけでなくジェットホルダーやボディ各部の通路に行き渡ったガソリンもすべて劣化しているため、外部からクリーナーをスプレーしても役に立たない。外せる部品はすべて取り外してボディを洗浄し、ジェット類は燃調キットの部品に交換する。

劣化したガソリンが接着剤代わりとなり、ボディとピストンが固着するのも放置キャブレターの典型的症状。常温で無理にこじると傷や歪みの原因になるので、中性洗剤を加えたお湯で加温し、傷を付けないよう徐々にピストンを引き抜く。バルブシート内でフロートバルブが固着している時も加温が有効だ。

細々としたパーツまで揃った燃調キットはオーバーホールにも最適

ボディ本体やフロートチャンバー、スロットルバルブやバキュームピストンなどの主要部分にダメージがなければ、インナーパーツの交換で復活する可能性が高いキャブレターですが、2つのハードルがあります。

ひとつは純正部品の販売終了問題です。機種によってまちまちですが、旧車や絶版車用純正部品の販売終了は加速度的に進行しており、キャブレターの補修部品がいつまでも手に入るとは限りません。

もうひとつのハードルは部品価格です。修理やオーバーホールに必要な部品が供給されるだけでありがたいのは確かですが、キャブレター内部の細かい部品をピックアップしていくと想像以上にコストがかさむことも少なくありません。

純正部品はメーカーで保有している期間が長くなるほど自動的に価格改訂が行われるため、年式が古い機種では驚くほどの金額になる場合もあるのです。

劣化した純正キャブレターの復活を阻むハードルに対して、キースターの燃調キットは1960年代から2000年代まで500機種にも及ぶラインナップを展開しており、すべての製品がほぼ同一の価格(パーツ内容によって異なる場合もあります)で、純正部品に比べてリーズナブルなのが魅力です。

純正キャブレターでもキャブセッティングができるよう、スロージェット、メインジェット、ジェットニードルの3点セットを複数サイズ開発したのが燃調キットの特長です。

フロートチャンバーガスケットやフロートバルブ、パイロットスクリューやスタータープランジャーやOリング類といったメンテナンスやオーバーホールに役立つ部品も付属しているのも大きな魅力です。

オーバーホールというとジェット類の清掃や交換を中心に考えがちですが、スタータープランジャーが傷んでいれば始動時のチョーク機能が不調になります。

さらに、チョークを戻しても余計なガソリンが流れてスロットル低開度領域の空燃比を変化させ、エンジンパフォーマンスに影響を与えることがあります。

また、長期間に渡って劣化したガソリンに浸り続けることでフロートバルブとバルブシートの当たり面の状態が悪くなれば、オーバーホール後に新しいガソリンを流し入れた際に通路を閉じきれず、オーバーフローの原因になります。

燃調キットにはあらかじめそれらの部品が入っているので、パッケージを開ければ「せっかくだからプランジャーやフロートバルブも交換しておこう」と気づくことができます。

キャブセッティングだけを行いたいというユーザーにとっては「余計なもの」と感じるかもしれませんが、2000年代前半のキャブレター車も製造からすでに20年近くを経過し、フューエルジョイントのOリングやフロートチャンバーガスケットなどのゴム製部品の経年変化も進行しているはずなので、予防整備として交換しておくことは有効です。

今後も旧車や絶版車の人気や注目度が高まることは間違いありません。そうした中で「しばらく乗っていないあのバイク、復活させてみようかな」というユーザーもいるはずです。

冒頭で触れたように、無計画に長期間放置されたバイクは整備が面倒です。しかし、燃調キットを購入すればオーバーホール用の部品も揃うので、純正部品の欠品を心配することなくキャブレター本来の機能を回復させることができます。

スタータープランジャーやフューエルジョイント、ベントパイプのOリングを交換するにはつながった4つのキャブレターを分離しなくてはならない。リンク部分の構造が複雑で、連結した後で同調調整が必要なためビギナーには簡単ではないが、フューエルジ

1#4、#2#3キャブ間にはフューエルジョイント(下)、ベントパイプ(上)がセットされており、どちらもボディ挿入部分にOリングが入る。フューエルジョイントのOリングが劣化するとガソリンが漏れ、それをごまかすために外側から液体ガスケットを塗りつけてある絶版車も少なくない。根本的に対策するにはOリング交換しかない。

これがスタータープランジャー。ハンドルスイッチ部分のチョークレバーを操作するとプランジャーが引き出されて、冷間始動に必要なガソリンが供給される。劣化したガソリンが画像のようになるとボディやプランジャーの傷の原因になり、先端部分のゴムが硬化するとチョークを戻してもガソリンが流れ続けて空燃比に影響するため、洗浄やプランジャー交換が必要。ゼファー用燃調キットにはプランジャーも含まれている。

キャブボディに取り付けられたバルブシートには着脱できるタイプと圧入タイプがある。画像のゼファー用キャブは交換できない圧入タイプなので、綿棒に金属コンパウンドを塗ってフロートバルブの当たり面に擦りつけて清掃する。フロートバルブとバルブシートが密着しないと油面が安定せず、本来の性能が発揮できない。

燃調キットのフロートバルブは、ガソリンに含まれるエタノールで劣化しづらいゴムニードル(AAニードル)を採用。長期間使用したフロートバルブはバルブシートとの当たり面に線状痕が付き、気密性が低下する。フロートチャンバー内に残ったガソリンが変質すると当たり面も劣化することが多いので、長期不動車は必ず交換しておきたい。

キャブレタークリーナーで洗浄してパーツクリーナーですすいだら、すべての通路にエアーを吹き付けて貫通していることを確認する。通路内に残ったほんの小さな異物が混合気を変化させエンジンフィーリングに影響することもあるので入念にエアーブローする。

徹底洗浄後、燃調キットを組み込んで連結したキャブレターをエンジンにセットしたら、バキュームゲージを使って同調を合わせて、パイロットスクリューの戻し回転数を調整する。放置されたキャブレターのレストア手順はセッティングとは異なるが、燃調キットのセット内容は整備やメンテナンスにも打ってつけだ。


※本記事はキースターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。