クオーター4気筒グレートヒーローズ

250cc直4ヒストリープレイバック・スズキ編【世界初の量産モデルはスズキから】

約30年ぶりに復活する250cc4気筒マシン・カワサキ Ninja ZX-25R。本特集では往年のZXR250(’90)の実力を再検証してきたが、その当時このカテゴリーで覇を競い合ったライバル車たちの存在も忘れてはならない。本ページでは、世界で初めて250cc直4マシンを量産したスズキの歴史的展開について解説する。


●文:沼尾宏明/宮田健一 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

’83 GS250FW:スズキ250直4の始まりはいきなり水冷で実現

高まるクラス人気に、250にも高性能の直4を求める声が急増。それに応えたのがスズキだった。世界初の水冷250cc直4は、RZやVTより1ps多い36psを発揮。角断面のスチールフレームやアンチノーズダイブ機構、それにフロント16インチタイヤなど、当時先端のセールスポイントも併せ持っていた。’84年型で2psアップの38psとなったが、ライバルたちの進化ぶりがそれをはるかに上回っていたため、250にもGSX-Rの登場が待ち望まれることとなった。

【’83 SUZUKI GS250FW】■水冷並列4気筒DOHC2バルブ 249cc 36ps/11000rpm 2.3kg-m/10000rpm 158kg(乾燥) ■タイヤF=100/90-16 R=100/90-18 ●当時価格:47万9000円 ※諸元&価格はハーフカウル仕様

世界初の水冷250直4には、2バレルのキャブレターが2連装でセットされ、ピークパワーは1万1000回転で発生していた。

スズキGS250FW

フロントのANDF(=アンチノーズダイブフォーク)は、1100カタナにも採用されたメカ。

スズキGS250FW

レッドゾーンは1万1500rpmからで、スケールは1万3000rpmまで刻まれていた。

当時のライバルはVT250F&RZ250他
GS250FWが出た当時は、VT250FやRZ250Rが2大巨頭として250の頂点をめぐりシノギを削っていた。これらに勝つためにメカニック的にも格上となる直4エンジンの採用は必然的なものだった。が、スズキは超過激2ストRG250Γの開発も並行し、GSの2か月前に発売。GSはΓ人気に食われてしまった感があった。

[YM’83/6月号テストより]

GS250FWの直4は、その後パワーアップしてGF250シリーズに採用されていった。軽量化も行われたが、せっかくの「世界初250直4」という肩書きも、ネイキッドやツアラー然としたスタイルから、当時のレプリカブームの中で主流となることはなかった。

【’85 SUZUKI GF250】41ps

【’86 SUZUKI GF250S】45ps

’83年のGS250FWで幕を開けたスズキ250cc直4マシンの歴史は、次ページのGSX-R250シリーズ、バンディットシリーズへと継承される。

関連するアーカイブ

最新の記事