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クオーター4気筒グレートヒーローズ

250cc直4ヒストリープレイバック・スズキ編【世界初の量産モデルはスズキから】

  • 2020/3/29
SUZUKI maine

約30年ぶりに復活する250cc4気筒マシン・カワサキ Ninja ZX-25R。本特集では往年のZXR250(’90)の実力を再検証してきたが、その当時このカテゴリーで覇を競い合ったライバル車たちの存在も忘れてはならない。本ページでは、世界で初めて250cc直4マシンを量産したスズキの歴史的展開について解説する。

●文:沼尾宏明/宮田健一 ●写真:真弓悟史

世界初の量産250cc直4。VC機構で完熟へ

250ccクラス世界初の直4エンジンを実現したのは、’59年のホンダRC160。しかし、RCはあくまでワークスレーサー。そのコストは計り知れないものだった。そんな遠い存在だったエンジンを、’83に世界で初めて市販車クラスにもたらしてくれたのがスズキ。しかも、水冷というのは空冷だったホンダRCから20年以上を数えるにふさわしい当時の最新トレンドだった。

’83スズキGS250FWに搭載された世界初の水冷250直4は、DOHC2バルブと、車体幅を詰めるために2バレルとした2連装キャブレターを採用し、最高出力36psを発揮。これは当時の250クラスを席巻していたヤマハRZやホンダVTを1ps上回るものだった。

ただ、排ガス規制が今ほど厳しくなかった当時では、パワー競争においても技術面や生産コスト面においても2ストの方が4ストより圧倒的に有利だった。スズキ自らクラスの頂上対決は2ストのRG250Γに任せ、250cc直4が表舞台に立つのはGSX-R250が登場する’87年まで少々遅れることとなった。

4バルブ化で高回転性能が飛躍的に伸びたGSX-R250のエンジンは、その後にバンディットやカタナ、アクロスといったマシンにも転用され熟成を重ねていく。そして、よく回る代わりに低中速トルクが細くなってしまいがちという250直4の弱点も、可変バルブタイミングのVC機構で克服してみせたのだ。

世界初の量産250cc直4は’83スズキから

’83 GS250FW:スズキ250直4の始まりはいきなり水冷で実現

高まるクラス人気に、250にも高性能の直4を求める声が急増。それに応えたのがスズキだった。世界初の水冷250cc直4は、RZやVTより1ps多い36psを発揮。角断面のスチールフレームやアンチノーズダイブ機構、それにフロント16インチタイヤなど、当時先端のセールスポイントも併せ持っていた。’84年型で2psアップの38psとなったが、ライバルたちの進化ぶりがそれをはるかに上回っていたため、250にもGSX-Rの登場が待ち望まれることとなった。

スズキGS250FW

【’83 SUZUKI GS250FW】■水冷並列4気筒DOHC2バルブ 249cc 36ps/11000rpm 2.3kg-m/10000rpm 158kg(乾燥) ■タイヤF=100/90-16 R=100/90-18 ●当時価格:47万9000円 ※諸元&価格はハーフカウル仕様

スズキGS250FW

世界初の水冷250直4には、2バレルのキャブレターが2連装でセットされ、ピークパワーは1万1000回転で発生していた。

スズキGS250FW

フロントのANDF(=アンチノーズダイブフォーク)は、1100カタナにも採用されたメカ。

スズキGS250FW

レッドゾーンは1万1500rpmからで、スケールは1万3000rpmまで刻まれていた。

当時のライバルはVT250F&RZ250他
GS250FWが出た当時は、VT250FやRZ250Rが2大巨頭として250の頂点をめぐりシノギを削っていた。これらに勝つためにメカニック的にも格上となる直4エンジンの採用は必然的なものだった。が、スズキは超過激2ストRG250Γの開発も並行し、GSの2か月前に発売。GSはΓ人気に食われてしまった感があった。

スズキGS250FW

[YM’83/6月号テストより]

GS250FWの直4は、その後パワーアップしてGF250シリーズに採用されていった。軽量化も行われたが、せっかくの「世界初250直4」という肩書きも、ネイキッドやツアラー然としたスタイルから、当時のレプリカブームの中で主流となることはなかった。

スズキGF250

【’85 SUZUKI GF250】41ps

スズキGF250S

【’86 SUZUKI GF250S】45ps

’83年のGS250FWで幕を開けたスズキ250cc直4マシンの歴史は、次ページのGSX-R250シリーズ、バンディットシリーズへと継承される。

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