Z H2、Z1000Rエディション

’20新車バイク総覧〈大型ネイキッド|国産車#1/5〉カワサキ-1

攻撃的なルックスを持つビッグネイキッド群。リッターモデルはスーパースポーツ由来の強心臓を積むモデルが多く、「ストリートファイター」や「スーパーNK」とも呼ばれる。一方、ミドルネイキッドはフレンドリーさがウリだ。’20年新型における最大のトピックは、史上初のスーパーチャージャーネイキッド「Z H2」だろう。


文:沼尾宏明、宮田健一  ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

スーパースポーツのH2、ツアラーのH2 SXに続くスーパーチャージャー(SC)第3弾にして、史上初のSCネイキッドが本作「Z H2」だ。同社の旗艦ネイキッド=Z1000を超える存在であり、価格も性能の面でも敷居が高かったSCをより身近にすることを狙う。998cc直列4気筒ユニットは、H2 SXをベースにしつつ各部を改良。最高出力と最大トルクはSXと同じ200ps&14kg-mながら、最大トルク発生回転数を1000回転ダウンさせた。さらに専用セッティングとSCが分厚い中低速トルクをもたらす。シャーシも新設計の鋼管トレリスフレームや両持ちスイングアームなどを与え、車重はH2 SX比で17kg減の239kg。電子制御系も充実のひと言で、6軸IMU付きのトラクションコントロールや走行モードなど豊富なサポート機能を搭載する。関係者によると、200psながら走りは「Z1000より扱いやすい」というから興味津々だ。

【’20 KAWASAKI Z H2】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ+スーパーチャージャー 998cc 200ps /11000rpm 14.0kg-m/8500rpm ■239kg(装備) シート高830mm 19L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●YM予想価格:199万円前後 ●発売予想時期:’20年5月頃

獲物を狙い、低く構えた獣をイメージした、Zシリーズ共通の「SUGOMI(凄み)」デザイン。ヘッドライトは、弟分がハンドルマウントなのに対し、Z H2はフレームマウントなのが特徴だ。車体前半のカタマリ感が圧巻ながら、走りは軽やかという。

鋼管トレリスフレームは新設計。H2 SXよりシンプルな構造とし、各パイプの径を変えることで剛性をバランス。軽さとしなやかな走りを実現する。アルミ製リヤアームは、H2 SXの片持ちに対し、両持ちを採用した。

メーターバイザーに、1枚レンズ+2眼ライトの顔はZ900と同様にZシリーズのシンボルだが、ボリューム満点。リバーマークもZ初となる。最大の特徴は、左サイドのスーチャー吸気ダクトが生み出す左右非対称デザイン。ダクト奥から覗くライムのメッシュも色気がある。灯火類はフルLEDだ。

欧州仕様は緑フレームの灰、赤フレームの黒、黒×ツヤ消し黒の3色。国内発売は「’20年初夏」と告知されたが、導入色は不明。

Zの象徴であるファットなハンドルバーを装備。メーターはH2、Zシリーズを通じて初となるフルカラーTFT液晶を与えた。ユニット自体は新型Ninja1000と同様と思われ、ブルートゥース接続で車体情報やログの閲覧が可能だ。

H2 SX譲りの水冷直4+バランス型SCは、インジェクター口径をφ40→38mmに変更するなど専用パーツで、中低速域の出力特性を強化。クルーズコントロールや走行モード×4、上下対応シフターほか電脳も豊富だ。

フロントの足まわりはH2 SX SEより豪華。ショーワ製フォーク・SFF-BPに、ブレンボM4.3キャリパー+専用チューンのニッシン製マスターを採用する。リヤはリンク式のショーワ製で、こちらも新作だ。

SUGOMIの元祖〈Z1000 R Edition〉

過激デザインとストイックな走りが魅力の現代版Zシリーズ。その元祖が本作だ。4代目の現行型は「SUGOMI」をコンセプトに掲げ、’14年に登場。’17でユーロ4に対応し、国内仕様も導入した。海外で設定されるR仕様は、ブレンボ製M50モノブロックやオーリンズ製リヤサス、専用シートを与えた上級版。’19と同色の’20年型が国内入荷済みだ。

【’20 KAWASAKI Z1000 R EDITION】■水冷4スト並列4気筒DOHC4 バルブ 1043cc 142ps/10000rpm 11.3kg-m/7300rpm ■221kg(装備) シート高815mm 17L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格:144万6500円 ●発売中

’19 Z1000 [STD]
ショーワ製SFF-BPが採用されたSTDは、国内仕様が存在。車体色は、赤グラフィックをあしらったマット黒×灰のみ。

【’19 KAWASAKI Z1000】●価格:117万円 ●発売中

このクラスにモデルバリエーションの豊富なカワサキ。次ページではZ900とZ650を紹介する。お楽しみに。

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