CBR1000RR-R、YZF-R1M

’20新車バイク総覧〈大型スーパースポーツ|国産車#1/2〉ホンダ ヤマハ

’19年秋の東京モーターショーやEICMAが大いに盛り上がったことからもわかる通り、今年’20年は新車の当たり年。中でもスーパースポーツ1000㏄クラスは、究極の「走る・曲がる・止まる」を追求するとともに、レースを視野に入れた公認取得マシンとしての性格も併せ持つため、国産各メーカーの威信を賭けた戦いが繰り広げられるカテゴリーだ。


●文:沼尾宏明、宮田健一 ●写真:真弓悟史(CBR1000RR-R FIREBLADE SP) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

’92年の初代CBR900RR以来、進化を重ねてきたホンダの旗艦スーパースポーツが、12年ぶりに完全刷新する。従来から”トータルコントロール”をコンセプトに掲げてきたが、その主要ステージを公道からサーキットへ移行。その決意は「R」をひとつ増やした車名にも現れている。すべてが白紙から設計され、心臓部の直列4気筒は192psから217.6psへと劇的にパワーアップ。ボア×ストロークやピストン、チタン鍛造コンロッドなど、各部にMotoGPマシンRC213Vや公道版RC213V-S譲りのノウハウが息づいている。車体は’04年から継続採用してきたユニットプロリンク式リヤサスと決別し、軽量なメインフレームを投入。さらにセンターラムエアを獲得するとともに、クラス最小の空気抵抗値0.270を実現した。車体安定性に貢献するダクトウイングまで獲得し、まさにホンダの本気が詰まった最先端SSとなる。

【HONDA CBR1000RR-R】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 217.6ps/14500rpm 11.9kg-m/12500rpm ■201kg(装備) シート高830mm 16.1L ■タイヤF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ※緒元は欧州仕様 ●YM予想価格:278万3000円 ●発売予想時期:3月20日

【ディメンションも完全見直し】軸間距離は従来より50mm増の1455mm。キャスター/トレールは23度/96mm→24度/102mmとし、安定性の向上を図った。タンク部は先代より45mm低く、伏せやすい設計に。後輪への空気抵抗やウエット時の水滴を減らすアンダーカウルにも注目。

【注目のダクトウイング】ボックス型ウイングを国産車で初採用。’17〜’18 RC213Vに用いた技術で、4速までのフル加速を0.6秒短縮する。4眼LEDでイメージも刷新した。

【メーター表示は超多彩】5インチフルカラー液晶には、様々な画面表示を用意し、バンク角などを示すモードも選べる。IMU(慣性センサー)は5軸から6軸に進化。パワー5段階、トラクションコントロール9段階+オフなどきめ細かく設定できる。

【高効率ラムエア+精緻ステアリングダンパー】ラムエアは、サイド吸気から高効率なセンター吸気に変更。電子制御ステアリングダンパーもショーワ製の新作で、IMUの情報も制御に活かす。

【ボア×ストロークはRCVと全く同一】完全新設計でボア81×ストローク48.5mmを選択。ボア値は同クラスの直列4気筒で最大となる。最高出力は207psのBMW S1000RRを凌駕。

【CBR1000RR-R FIREBLADE〈STD〉】第2世代のオーリンズ製電子制御サスを装備するSPに対し、STDは機械式のショーワ製前後サスを備える。双方向対応のクイックシフターもSPのみ標準採用だ。SP/STDともにトリコロールと単色ブラックをラインナップする。 ●YM予想価格:245万3000円 ●予想発売時期:3月20日

HONDA:勝利のための総力を結集〈CBR1000RR-R FIREBLADE SP〉

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