
モデルチェンジした上で、2024年11月から順次発売された、カワサキのオフロードモデル「KLX230シリーズ」。無印のKLX230スタンダード/車高を下げてとっつきやすくしたKLX230S/アウトドアテイストの専用外装を加えたKLX230シェルパ/モタードのKLX230SMの4車が設定されている。この中でも、とっつきやすさが共通しているSとシェルパについて、元セロー乗りの筆者がディテールの違いを比較してみた。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:山内潤也、箱崎太輔 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
シェルパの名を復活させたブランニューモデル
カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年12月のこと。同時に、KLX230Sをベースとしたトレッキングモデル「KLX230シェルパ」を新たにラインナップに加えた。
KLX230Sは無印KLX230に対する低車高バージョンで、先代モデルからはシート高を+15mmの845mmとしつつ、最低地上高や前後サスストロークを大幅に増しているのが大きな特徴だ。メインフレームこそ踏襲するが、シートレールを新作することでシートクッションの厚みを稼ぎつつ、新たなジオメトリーを獲得してオフロード性能も高めている。
一方のKLX230シェルパは、KLX230Sをベースに専用デザインの外装が与えられ、ハンドガードやアルミ製スキッドプレート、スタックパイプなどが追加されたもの。各種装備でトレッキングムードを高めるとともに、実際に獣道に分け入っていけそうな装備が心強さと安心感を与えてくれる。
KLX230シェルパ/KLX230S ライディングポジション比較
KLX230シェルパのライディングポジション。身体が大きめの筆者でも窮屈さはさほどなく、一般的なトレールバイクの感じだ。足着き性には数値以上に余裕があるように感じられた。【身長183cm/体重81kg】
KLX230Sも基本的には同じ感じだ。ハンドル形状が微妙に異なり、グリップ位置はシェルパよりもやや低い。少しの違いだが、よりアグレッシブなフォームが取りやすそうだ。【身長183cm/体重81kg】
KLX230シェルパ/KLX230S ディテール比較
KLX230シェルパの各部をチェック
KLX230S の各部をチェック
元セロー乗りとしてはシェルパが好み
またいつか軽二輪クラスのトレールバイクを買おうと思っている筆者にとって、KLX230シリーズは有力な候補のひとつ。もし今すぐに買うとしたら、デザインの好みでKLX230シェルパを選び、ナックルガードを軽量シンプルな純正ハンドカバーに交換すると思う。
ヒット時の防護性能ではナックルガード>ハンドカバーだが防風性はだいたい変わらず、簡素な造りゆえに軽量で、転倒時のレバー折れを防ぐ機能も多少は期待できるはず。なんならスタックパイプとスキッドプレートの分はフロントフォークの突き出しを1mmほど減らして……と妄想が止まらなくなる。
購入欲が高まったタイミングでセロー250の後継機種が出ていなければKLX230シリーズのいずれかを選ぶことになりそうだが、欲しいタイミングで両方が揃ってしまった場合は悩ましいことになりそうだ。ほかにCRF250Lもあるしなぁ……。
KLX230シェルパ/KLX230S 主要諸元
KAWASAKI KLX230 SHERPA[2025 model]
KLX230シェルパはミディアムクラウディグレー、ミディアムスモーキーグリーン、ホワイティッシュベージュの全3色。
KAWASAKI KLX230S[2025 model]
車名 | KLX230 SHERPA | KLX230S |
型式 | 8BK-LX232A | ← |
全長×全幅×全高 | 2080×820×1150mm | ← |
軸距 | 1365mm | ← |
最低地上高 | 240mm | ← |
シート高 | 845mm | ← |
キャスター/トレール | 24.6°/96mm | ← |
装備重量 | 134kg | 133kg |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒 SOHC2バルブ | ← |
総排気量 | 232cc | ← |
内径×行程 | 67.0×66.0mm | ← |
圧縮比 | 9.4:1 | ← |
最高出力 | 18ps/8000rpm | ← |
最大トルク | 1.9kg-m/6400rpm | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 7.6L | ← |
WMTCモード燃費 | 34.7km/L(クラス2-1、1名乗車時) | ← |
タイヤサイズ前 | 2.75-21 | ← |
タイヤサイズ後 | 4.10-18 | ← |
ブレーキ前 | φ265mmディスク +2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ220mmディスク +1ポットキャリパー | ← |
価格 | 63万8000円 | 59万4000円 |
色 | ベージュ、緑、灰 | 緑、灰 |
発売日 | 2024年12月25日 | 2024年11月27日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
排気量アップだけでなくクイックシフターなど細部もリファイン 前後17インチホイールを採用し、高速道路から荒れた田舎道まで快適に走破できる新型アドベンチャークロスオーバー「ヴェルシス1100 SE」が登[…]
消えてしまったセロー250の穴をカワサキが埋める?! カワサキの新トレッキングマシン「KLX230 シェルパ」は、2024年11月15日の発表時には11月27日発売とされたが、その後に諸事情で発売日を[…]
最新の関連記事(新型軽二輪 [126〜250cc] | 新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
“カスタマイズコンセプト”というわりにはライトカスタムで…… ヤマハは、大阪モーターサイクルショーで「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のサプライズ展示を敢行。これがさまざまな憶測を呼んでいる。[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
さらなる軽快な走りを求めて仕様変更 ホンダは、前21/後18インチホイールの250ccトレールバイク「CRF250L」「CRF250 RALLY」をマイナーチェンジ。カラーリング設定と仕様を一部変更を[…]
人気記事ランキング(全体)
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
従来の理念をさらに深化させた「Emotional Black Solid」 今回注目したのは、新たなステップワゴン スパーダ専用に用意された、これまた新たなアクセサリー群です。その開発コンセプトは、従[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
最新の投稿記事(全体)
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
高まるペット移動ニーズに応える革新的モビリティ ガソリン価格の高騰と50ccクラス原付の製造終了という時代の転換期において、経済的かつ環境に優しい移動手段への需要が急速に高まっている。その一方で、近年[…]
多様なニーズに対応すべくラインナップは二本立てに 新型GX550は、「ザ・プレミアム・オフローダー」をコンセプトに開発されたレクサスのフルサイズSUV。 GA-FプラットフォームやV6ツインターボエン[…]
カワサキZ400FX:DOHC4発のスモールマークII ヨンフォア(ホンダCB400フォア)なき後、400ccクラスに4気筒モデルは不在だった。しかしそれは決して不要だったわけではなく、ユーザーは絶え[…]
- 1
- 2