
バイク歴32年のオッサンが若いライダーに、「うわ、カッコよ!」と言われたのがコレ。「工具を使わずに、クラッチケーブルをスパッと外す方法」です。・・・え、これ、カッコいいの? じつは昔からあるテクニックでコレができれば、時短にもなるし便利なテクなので、ぜひみなさんもトライしてみてください。慣れると簡単ですよ♪
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
おじさんライダーにはおなじみのテクニック
本来、クラッチケーブルはクラッチレバーのボルトとナットを外してからでないと、取り外せないもので、これがまた地味に時間がかかるもの。
それをもっと簡単に取り外したいってことで、昭和に考え出されたであろうこのやり方は、自分でバイクをメンテナンスするのが、当たり前だった古いライダーの間では、ずいぶん昔から使われていたメジャーなテクニックなのです。
やり方はとっても簡単
まず、クラッチケーブルの遊びを調整するアジャスターがある場合は、できるだけ緩めた上で、なおかつ切り欠きの溝を合わせておきます。これを忘れると、ワイヤーは外れないのでご注意を。
それではやってみますね。
クラッチケーブルを引っ張ります。この時、ただまっすぐ引っ張るのではなく、レバーホルダーに押し付けるように斜め方向に力をかけておくのがポイント。つまり、どこでもいいから何かしらの「引っかかり」を作っておくのです。これがとても大切。そして、そこでしっかりキープするのを意識してください。
クラッチレバーを握って、クラッチケーブルを引っ張りながら…パンッ!と離す!
そうすると…あら不思議。ケーブルがスポッと抜けるのです。
なぜ簡単に外れるのか?
そのまま引っ張っても抜けないクラッチケーブルが、引っ張りながらレバーを動かすだけでなぜ外れてしまうのか…?
長年この方法をやっていますが、そういえば原理を考えたことはなかったんですよね~。でも、手に伝わる感触でなんとなくはわかります。
この方法でクラッチケーブルが外れる理由は至って簡単で、インナーワイヤーにテンションがかかった時のわずかな「伸び」を利用した方法と言われています。実際、引っ張った状態でクラッチレバーを握ると「ギリギリッ」といった感触が伝わってくるので、ぜひとも実際にやって体験してみてください。
うまく外れない時の追加ノウハウ
何度やっても外れない車種もあります。でもそんなとき、クラッチ側に調整ネジがある場合は、アジャスターを緩めて遊びを最大化してください。これだけで、かなり成功率は上がるはずです。
また、車種によってはハンドルを右に切っていた方が良かったり、逆に左に切っていた方がうまくいったりもします。要はクラッチケーブルの遊びが重要なので、そのケーブルの取り回しによって引っ張りやすさが変わってくるため、いろいろ試してみてください。
クラッチケーブルの取り付けにも使えます
このやり方は、クラッチケーブルの取り外しだけでなく、取り付け時にも使うことができます。
やり方は外すときとほとんど同じ。レバーの溝にケーブルのタイコを取り付けて、クラッチケーブルを力いっぱい引っ張る。
この時、何かしら引っかけるなりしてテンションをかけてください。クラッチレバーの調整アジャスターがある場合は、調整ノブに乗せてしまったり、当ててしまうのも有効な方法です。
クラッチレバーを握って、「パンッ!」と離せば…クラッチケーブルがスポッと入るのです。慣れれば、とくに苦もなく取り外し&取り付けができるので、本当に便利ですよ~!
クラッチケーブル「スパッ!」ができるとかっこいい?
こうやってクラッチケーブルを外した時に、若い方にとても驚かれました(実話)。でも、その話を同年代の友人にすると「みんなやってる、当たり前のことなんじゃないの?」という反応になるのです。
なんでもかんでも自分でいじろうとしたおじさんライダー達には、有名な方法なのですが、今の若い方には馴染みがないようですね~。
そんなわけで、若いライダーのみなさんも、この方法でメンテナンスを楽にできるようになってくれたら嬉しいです。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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