
日本最強のレーシングコンストラクターとして名を馳せるヨシムラジャパンが、創業70周年と2024年の世界耐久選手権のシリーズチャンピオン獲得を祝う祝勝会を12月10日に開催した。当日はヨシムラのスタッフはもちろん、同社にゆかりの深い2輪業界人・約250人が参集する華やかなパーティとなった。
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:ヨシムラジャパン/編集部
さすがはヨシムラ、参列者が超豪華!
1954年に創業し、今年で70周年という節目を迎えたヨシムラ。その歴史は常に“挑戦”とともにあった。巨大メーカーや乗っ取り、工場火災といった、目の前に立ちはだかる強敵や障害に正面から挑み、不屈の精神で戦い続けてきたヨシムラだからこそ、その姿に数多くのライダーが勇気づけられ、かつ魅了されてきた。
その創業70周年と、2021年以来3年ぶりとなる世界耐久選手権(EWC)シリーズチャンピオン獲得の祝勝会が12月10日に開催された。会場となった神奈川県厚木市のレンブラントホテル厚木にはヨシムラのスタッフに加え、招待を受けた2輪業界関係者・約250名が参集した。
祝勝会は、創業者の“ポップ”こと吉村秀雄さんとともに歴史を紡いできた、現相談役の吉村不二雄さんが挨拶。ターニングポイントとして1964年の鈴鹿18時間耐久、そしてスズキとの提携を挙げて「70年はあっという間だった」と述べ、続いて現社長でポップの孫である加藤陽平さんが登壇。1975年生まれの陽平社長は「(ヨシムラが勝利した)1978年の第1回鈴鹿8耐の記憶はないが、続いてヨシムラが制した1980年の8耐はしっかり覚えている」と歴史の継承をアピールした。
祝勝会の冒頭では、相談役の吉村不二雄さん(右)と社長の加藤陽平さん(中央)が登壇。司会進行は数々の2/4輪レースで実況を務めてきたみし奈昌俊さん(左)が務めた。
日本最強のレーシングカンパニーだけあって“レジェンド”も多数集結していたのが印象的で、その後も初期のUSヨシムラで代表を務めたダン・サカクラさんや、前述の18時間耐久でヨシムラCB72のライダーを務めた倉留福生さん、さらにはポップの次女で現モリワキエンジニアリングのマネジャー・森脇南海子さんなど錚々たるヨシムラファミリーが登壇、当時のエピソードが披露された。
さらに関連の深いスズキからは、鈴木俊宏社長からEWCタイトルを祝うビデオメッセージが寄せられたほか、2024年の鈴鹿8耐に参戦したスズキCNチャレンジ(車両提供などヨシムラが大きく関与している)のプロジェクトリーダー・佐原伸一さんも登壇した。
他にも2024年のヨシムラ開発ライダーで、8耐には選手として3位表彰台を獲得した渥美心選手や、元ヨシムラライダーで、今年はDUCATI team KAGAYAMA代表として全日本JSB1000クラスを盛り上げた加賀山就臣監督、同じく元ヨシムラのライダーで、今年限りでJSB1000のフル参戦を勇退、今後の動向が注目される津田拓也選手もトークショーを行った。
左から津田拓也選手、加賀山就臣監督、陽平社長、そして渥美心選手。津田選手と加賀山監督は事前に示し合わせて、ヨシムラカラーの赤いネクタイを着用してきたそうだ。
そして、近年のヨシムラ関連イベントでは恒例(?)となっている長瀬智也さんも来場。長瀬さんは2021年にヨシムラがEWC王座を獲得した際の祝勝会にも参席しており「スーツを着たのはその時以来。ヨシムラさんがパーティを開催してくれないと僕はスーツを着る機会がない」と挨拶して会場を笑わせた。
その他、パーティの招待客も2輪業界の著名メーカーやその代表など錚々たる顔ぶれで、こうした豪華なパーティが開催できるのはヨシムラのブランド力があってこそ。今後の80周年、90周年、そして100周年へと、今後もレース界を牽引する存在として多くのライダーを魅了し続けてくれるはずだ。
近年は愛車のハーレー・バガーレーサーでレースに参戦するなど、レースの魅力を広めるべく活動している長瀬さん。ヨシムラもその活動に賛同し、バガーレーサーに専用のマフラーを制作するなど、両者の縁はとても深い。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(イベント)
丸山さんのCB好きをホンダも公認! ヤングマシン読者ならおなじみのプロライダー・丸山浩さん。1990年代前半にはCB1000スーパーフォアでテイストオブフリーランス(現テイストオブツクバ)を沸かせ、C[…]
2年に一度、世界各国から勝ちぬいたGSライダーが競う祭典への道 BMWモトラッドは、「インターナショナルGSトロフィー2026」に出場する日本代表選手を決定する国内選考会を2025年10月11日(土)[…]
お祭りと競技、2つ同時に楽しめる無料イベント 『NAPS MOTO-FES/MOTOGYM関東(ナップスモトフェス/モトジム関東)』は、2輪用品小売/開発のナップスが主催するバイクイベント。他にない最[…]
スーパーカブのオーナーズミーティング『カフェカブパーティー』の2025年の開催計画が発表された。カブファンの交流の場を提供し、健全なカスタム文化の醸成を目指す当イベント、まずは九州/北海道/関西の3大[…]
セローを愛するユーザーたちへ 本イベントは、「とっておきの初心者用ゲームで、ライテク上達ポイントを手に入れて、10年後も20年後も、末永~く凛とした姿で走り続けよう!!」というメッセージを掲げ、セロー[…]
最新の関連記事(ヨシムラ)
現代によみがえった”604号車”コンプリートマシン 出展社は180社、車両は584台が展示されるなど、大盛り上がりだった第52回東京モーターサイクルショー。ここで紹介するのは、ヨシムラブースについてで[…]
幻のVTターボを発見! 4輪でターボチャージャーがブームになる中、ホンダは’81年に輸出専用のCX500ターボを発売したが、国内向けにVT250Fにターボを装着したのがこれだ。YMでもその存在をスクー[…]
“ヨシムラ”がまだ世間で知られていない1970年代初頭のお話 世界初となる二輪用の集合マフラーが登場したのは、1971年のアメリカAMAオンタリオでのレース。当時のバイク用マフラーは1気筒につき1本出[…]
2024年は鈴鹿8耐3位そしてEWCで二度目の王座に ポップが切り拓き、不二雄が繋いできたヨシムラのレース活動はいま、主戦場をFIM世界耐久選手権(EWC)へと移し、陽平がヨシムラSERT Motul[…]
保険料500円でヨシムラ車、乗り放題ッ!! ヨシムラファンにとって秋の定例イベントとなっている「ヨシムラミーティング」。ヨシムラが那須モータースポーツランドでイベントを行ったのは2014年の60周年記[…]
人気記事ランキング(全体)
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
エクステリアはより力強く、そして個性的に 今回のモデリスタのコンセプトは、その名も「Dandy mode(ダンディモード)」だ。彫刻的な立体表現を随所に用い、街中はもちろんのこと、オフロードにおいても[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
最新の投稿記事(全体)
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスなど、多彩なカー用品を手がける老舗ブランド・シュアラスター。そのガソリン添加剤シリーズ・LOOPのフラッグシップモデルが「LOOPパワーシ[…]
誤操作が少なくシンプルな構造で実現するという もう何十年も前から完成形に至っているような印象を受けるホンダ「スーパーカブ」シリーズだが、ホンダは今も改良の手を緩めているわけではない──。そんな気概を感[…]
“爽快感”と“スピード感”を追求した富士急のバイク型コースター『ZOKKON』 待ちに待ったゴールデンウィークに突入!!! ツーリングの予定を立てている方も多いと思いますが、家族やパートナーがいらっし[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
1959年から支持され続けている! 1)作業がとても手軽2)使用できる範囲が広い3)しっかりツヤが出る4)油汚れが場合によってはパーツクリーナーよりもよく落ちる 順に説明していこう。 1)作業が簡単 […]