ホンダは、欧州で先行発表されていた「CB1000ホーネット」および上級版「CB1000ホーネットSP」の日本国内モデルを正式発表した。昨秋のEICMA 2023でのプロトタイプ公開から1年越しの正式デビューだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
SC77の4気筒エンジンを搭載し、SPは出力6psを上乗せ
ホンダは、EICMA 2023(ミラノショー)でプロトタイプを公開していた新型ネイキッドモデル「CB1000ホーネット」および上級版の「CB1000ホーネットSP」の日本仕様を正式発表した。
注目は価格だろう。旧世代エンジンを搭載したCB1000Rの最終型が167万900円だったのに対し、134万2000円(SP=158万4000円)と大幅にリーズナブル。ライバル勢のMT-09(125万4000円~)、GSX-S1000(150万7000円)、Z900(127万6000円)と比べても強力な競争力を持っている。
エンジンは2017年に登場した最終型CBR1000RRファイアーブレード(SC77)の並列4気筒をベースとしながら、152ps/11000rpmの最高出力と10.6kg-m9000rpmの最大トルクを発揮。さらにSPはマフラー内に可変排気バルブを搭載することでエンジン回転に応じてバルブ開度を制御し、最高出力6ps/最大トルク0.3kg-mを上乗せしている。
新開発のダイキャスト製ピストンを採用し、カムプロフィールをホーネット専用に最適化。トランスミッションと2次減速比も専用設定だ。スポーティなスロットルレスポンスを実現するスロットルバイワイヤ(TBW)を採用し、パワーとエンジンブレーキ、ホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)を統合して制御するライディングモードを実装。アシスト&スリッパークラッチは標準装備だ。
フレームはねじり剛性の高いスチール製ツインスパーを採用し、フロントフォークにはSHOWA製φ41mm倒立フォーク(SFF-BP)を採用。フロントブレーキはスタンダード仕様がニッシン製4ピストン、SPがブレンボ製Stylema(スタイルマ)キャリバーを採用する。
プロリンク式リヤサスペンションには、スタンダードがSHOWA製リヤショック、SPにはオーリンズ製TTX36を奢る。
SPは上記の出力アップとオーリンズ&ブレンボ採用のほか、クイックシフターの標準装備(STDはオプション設定)、専用カラーのバリスティックブラックメタリックとゴールド仕上げのフロントフォーク&ホイールが与えられている。
このほかHonda RoadSync対応の5インチフルカラーTFTディスプレイ、エマージェンシーストップシグナルなどを標準搭載する。
アグレッシブなスタイリングは、コンパクトなデュアルLEDプロジェクターヘッドライトとエッジの利いた燃料タンクの造形が鋭い表情を作り出し、トレリススタイルのサブフレームがデザインラインを整える。
HONDA CB1000 HORNET / SP[2025 model]
通称名 | CB1000 HORNET | CB1000 HORNET SP |
車名・型式 | ホンダ・8BL-SC86 | ← |
全長×全幅×全高 | 2140×790×1085mm | ← |
軸距 | 1455mm | ← |
最低地上高 | 135mm | ← |
シート高 | 809mm | ← |
キャスター/トレール | 25°/98mm | ← |
装備重量 | 211kg | 212kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク 並列4気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 999cc | ← |
内径×行程 | 76.0×55.1mm | ← |
圧縮比 | 11.7:1 | ← |
最高出力 | 152ps/11000rpm | 158ps/11000rpm |
最大トルク | 10.6kg-m/9000rpm | 10.9kg-m/9000rpm |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 17L | ← |
WMTCモード燃費 | 17.7km/L(クラス3-2、1名乗車時) | ← |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 | ← |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 | ← |
ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク +4ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ240mmディスク +2ポットキャリパー | ← |
価格 | 134万2000円 | 158万4000円 |
車体色 | 白 | 艶消し黒 |
発売日 | 2025年1月23日 | ← |
CB1000ホーネットSPの専用装備
写真ギャラリー
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