SHOEIは、性能と機能を進化させた最新オープンフェイスヘルメット『J-Cruise 3(ジェイ-クルーズ スリー)』を発表した。発売予定は’24年11月となっている。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:SHOEI
第3世代に進化した究極のツーリングオープンフェイス
J-CruiseはSHOEIオープンフェイスシリーズのツーリングモデルで、優れた空力性能に加えてインナーサンバイザーを装備している。第3世代となるニューモデルは、それらすべてを大幅に進化させ、さらなる安全性と快適性を追求した熟成のオープンフェイスとなっている。
空力性能は、SHOEI独自の風洞実験設備と実走行試験を繰り返すことで帽体形状を改良。よりスポーティ、かつ洗練されたデザインとなった。ベンチレーションパーツと、帽体一体型リアスポイラー、帽体両側面のリブ形状により、上方向へ加わる力を5.5%、後ろ方向へ加わる力を4%軽減(100km/h走行時)することに成功した。これは高速走行時の頚椎にかかる負荷を小さくするため、長時間・長距離ツーリングにおいて疲労を軽減する効果に優れる。
同社製『J-FORCE Ⅳ』との大きな違いであるインナーサンバイザーは、NEOTEC 3が装備するものと同じQSV-2サンバイザーを備える。これはヨーロッパのサングラス規格EN1836に匹敵する光学性能を持ち、歪みのない視界を実現している。朝夕の太陽に向かって走るような場面で防眩効果を発揮し、木陰やトンネルなど暗い場所ではレバー操作でスムーズに格納できる。また、全開状態ではレバー操作にクリック感をつけ、ストッパー機能も兼ね備えている。
シールドはJ-FORCE Ⅳと同じCJ-2シールドを採用。視界全体の歪みを最小限に抑えており、長時間着用でも目が疲れず、側方確認も容易に行える。また、オープンフェイスヘルメットに特化した設計となっており、シールド下部に設けたリブが走行風の巻き込みを防止。さらにシールド全体の強度も上げており、シールドのたわみを抑制することで開閉動作がスムーズだ。また、微開ポジション固定機能を備えているので、低気温時や雨天でのシールドの曇りを抑えられる。防曇効果に優れるピンロックシールドを標準装備しているのもうれしい。
また、シールドには全閉するだけで固定されるロック機構を備えている。開く際にはシールドを内側から外側へ押し広げるだけでロックが解除される。
内装システムはもちろん着脱式だから家庭での洗濯が可能。内装パッドの表面には吸水速乾性に優れる生地と起毛生地をハイブリッドで使用することで、ヘルメット着脱時の不快感を抑えるとともに、汗をかく季節でも心地よい被り心地を持続する。チークパッドの底面部には耐久性に優れる人工皮革を用いている。
また、センターパッドにはオプションの調整用パッドを装着することができ、フィッティングを微調整できる。これにより最適なフィット性を保つことが可能だ。
ベンチレーションシステムは、アウトレット(排気口)を1カ所増設して計3カ所として換気効率をアップ。従来モデルと比べて約70%の排気性能向上(100km/h走行時)を果たしている。また、吸気、排気ともに性能を高めており、ヘルメット内部の湿気や高温を素早く排出する。
あご紐は新マイクロラチェット式を採用。締結部にはステンレスを用いることで、着実にあご紐を固定することができる。また、あご紐は高強力・高弾性の繊維を編み込んでおり、細身の形状ながら頑丈に仕上がっている。素早く、簡単にあご紐を締めることができ、転倒時のヘルメット脱落を防ぐ。
GT-Air 3やNEOTEC 3でも好評の『SHOEI COMLINK』を採用。今やライダーのマストアイテムとなったインカムをスマートに装着できるのも、このたびのモデルチェンジの大きなトピックだ。対応するインカムは、SENA製SRL3、サインハウス製B+COM SX1の2機種となっている。
オープンフェイスヘルメットは装着時でも息苦しさがなく開放感があり、長時間着用時でも疲労感が少ない。ヘルメットを被ったまま水分などを補給できる点も利便性に優れる。毎日の通勤・通学、週末のショートツーリングから連休のロングツーリングまで、幅広いシーンで快適、かつ安全なライディングを楽しめる。
SHOEI J-Cruise 3
●価格:6万3800円 ●サイズ:S(55cm)、M(57cm)、L(59cm)、XL(61cm)、XXL(63cm)、XXXL(65cm) ●色:白、黒、つや消し黒、青、濃灰、濃赤、つや消し灰、灰 ●規格:JIS ●構造:AIM+(Advanced Integrated Matrix Plus Multi-Fiber) ●付属品:布袋、シリコンオイル、防曇シート、SHOEIロゴステッカー、サービスツール、スペア防曇シート用ピン ●2024年11月発売予定
SHOEI J-Cruise 3 ディテール
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SHOEI)
1990年代初めに現在まで続くシリーズモデルが続々と誕生 また、1990年代初めには四輪用ヘルメット・X-Fourを発売し、同時に何人ものFIドライバーとも契約を交わす。アラン・プロスト、ジャン・アレ[…]
旅館の一室でFRP製ヘルメットを手探りで作り始めた 東京・新橋で経営していた旅館の一室で、創業者の鎌田栄太郎がFRP製ヘルメットの製作をはじめたのが今日のSHOEIのはじまりだ。 その旅館はホンダの社[…]
バイクのスピード感をイメージさせる象徴的なグラフィックモデル登場 ネオテック3のグラフィックモデル第3弾となるアンセムは、バイクを走らせているときに感じる風を思わせる、スピード感ある模様が特徴だ。ブラ[…]
バイクのパーツと“夜行”をポップアートに描いたホットでクールなグラフィックモデル Z-8 ヤギョウは、ネオンカラーなどの極彩色で彩られた現代ポップアートなグラフィックが特徴だ。グラフィックにはタイヤと[…]
シンプルなトリコロールはオリジナルアレンジも楽しめる GT-Air3のグラフィックモデル第6弾となるリルトは、スカイブルー/ホワイト/レッドの3色をシンプルに配色した、鮮やかで爽やかな印象をもたらして[…]
最新の関連記事(ヘルメット)
1990年代初めに現在まで続くシリーズモデルが続々と誕生 また、1990年代初めには四輪用ヘルメット・X-Fourを発売し、同時に何人ものFIドライバーとも契約を交わす。アラン・プロスト、ジャン・アレ[…]
旅館の一室でFRP製ヘルメットを手探りで作り始めた 東京・新橋で経営していた旅館の一室で、創業者の鎌田栄太郎がFRP製ヘルメットの製作をはじめたのが今日のSHOEIのはじまりだ。 その旅館はホンダの社[…]
アーミーテイストのカラーリングとダークなグラフィックのレプリカモデル マーベリック・ビニャーレス選手は、スペイン出身のライダーで、2015年にMotoGPへ昇格して以来、スズキ、ヤマハ、アプリリアを乗[…]
世界的に有名なカスタムビルダー『46works』とのコラボレーションモデル 『46works』は、主にヨーロッパの旧車をモチーフとした独自性あふれるカスタムマシンを製作するブランドで、その手腕とデザイ[…]
バイクのスピード感をイメージさせる象徴的なグラフィックモデル登場 ネオテック3のグラフィックモデル第3弾となるアンセムは、バイクを走らせているときに感じる風を思わせる、スピード感ある模様が特徴だ。ブラ[…]
人気記事ランキング(全体)
様々な使い方や乗り方に応える懐の深さが魅力 2024年上半期、400ccクラスの販売台数でGB350をしのぎトップに躍り出たのがエリミネーターだ。それどころか、大型バイクを含めた車検付クラスでもZ90[…]
Honda & MAAN Motocicli Audaci presentano il “SuperCub 125X” 生産モデルから大幅に逸脱しない設計……だけど雰囲気は一変! 日本でも好評[…]
深みのあるブルーにゴールドのラインとロゴ ヤマハはタイで、日本でいう軽二輪クラス(126~250cc)にあたるネオクラシックネイキッド「XSR155」に新色のダークネイビーブルーを追加発表。従来のマッ[…]
【ドライバー:谷田貝洋暁】本誌ハンターカブ実験担当として渡河性能実験に続き、今回のサイドカーでの高速道路走行実験にも抜擢されたフリーライター。無理/無茶/無謀の3ない運動の旗手。 【パッセンジャー:難[…]
ひと昔のバイクは一年中暖機運転が必須でした 昔のバイク…と行かないまでも、1990年代末ぐらいまでのバイクは、一年中エンジンの暖気が必要不可欠でした。とくに2サイクルエンジン車は、冬はなかなかエンジン[…]
最新の投稿記事(全体)
トルクアップし、ノーマルより乗りやすい心地に変化 KawasakiのZ650RS(2024-2025)モデルに適合する政府認証フルエキゾーストマフラーが遂に発売開始!2023年モデルから仕様変更があっ[…]
ZX-25Rターボの250km/hチャレンジに続くZX-4Rターボ トリックスターが製作したZX-4Rターボは、2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初披露された。すでにZX-25Rのターボ化[…]
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
PG‐1の国内導入がオフロードのヤマハを復活させる!? 国内の原付二種市場は、スーパーカブやモンキーなどのギヤ付きクラスはもちろん、PCXなどのスクーターを含めて長らくホンダの独壇場となっている。そん[…]
クラッチレバー不要でギヤチェンジできる自動遠心クラッチ 今から65年前にの1958年に誕生したスーパーカブC100は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏と専務の藤澤武夫氏が先頭に立って、欧州への視察などを通じ[…]
- 1
- 2