
ホンダが2025年11月までに50ccの原付バイクを生産終了する予定であることは既報のとおり。そして1958年から庶民の足を支えてきたスーパーカブ50がついにラストを迎える。この8月にもスーパーカブ50ファイナルエディションが登場するというのだ。
●CG製作:SRD(不許複製/All rights reserver)
1966年式をモチーフとした最終仕様で歴史にピリオド
ホンダが50ccのバイクを2025年5月に生産終了するというニュースが駆け巡ったのは6月22日。情報を集めてみると2025年11月までに生産終了という話で、じっさいには2025年7月まで生産されるのではということだったが、見逃せないのはスーパーカブ50をもってしても2025年11月に導入予定の次期排出ガス規制をクリアできないという事実だ。
【ホンダ スーパーカブC50[1966]】初代のOHVからOHCエンジンに変更され、ボディ形状も刷新された第2世代のスーパーカブがC50だ。のちに4速トランスミッションとセルフスターターを装備するデラックスなども登場したが、エンジンの基本は最後まで踏襲された。
もちろんコスト度外視であればクリアできないこともないのだろうが、庶民の足を担う原付においてそれはご法度。これをもって1958年から66年間にわたって50cc原付のスーパーカブが刻んできた歴史も終焉を迎えることになる。
この50cc版の終了を受けて、スーパーカブ50ファイナルエディションあるいはスーパーカブ50最終仕様とでも呼ぶべきラストモデルが登場することがわかった。これは以前から噂に上っていたものだが、ヤングマシン編集部スクープ班の調査によれば登場は思っていたよりも早い今年の夏~秋頃になるという。
このスーパーカブ50ファイナルエディション(仮)、もちろんカラーリングは歴史の中に存在したものをオマージュするに違いないが、さらなる続報が入ってきた。1966年式スーパーカブC50のカラーリングにかなり近いものになるというのだ。
1958年の初代スーパーカブC100がレジェンドだとするなら、スーパーカブC50は多くの世代が“はたらくバイク”として長きにわたって親しんできたデザインの原型的な存在といえる。初代の誕生から8年後に登場したC50はエンジンがOHVからOHCに変更され、2012年にフルモデルチェンジを受けるまで基本が踏襲され続けたのだ。
ファイナルエディション(仮)のカラーリングは1966年式よりも浅めの青色になるといい、シートはツートーンをオマージュする模様。というわけで、ホンダで浅めの青ときたらこのあたりだろうか、というものをピックアップしてみた。
スーパーカブ50のスペシャルモデルとしては2018年登場の「スーパーカブ50・60周年アニバーサリー(左写真)」などがある。60周年車は記念エンブレムをサイドカバーとキーにそれぞれ採用していたので、ファイナルエディション(仮)も同様になる可能性がある。
ちなみに上記の60周年アニバーサリー車は受注期間限定だった。ファイナルエディション(仮)も同様になると見るのが自然だろう。
次に登場するのは110ベースの新原付スーパーカブだ!
ホンダが50cc原付バイクの生産を終了することにともない、スーパーカブそのものがなくなってしまうかのように捉えてしまった向きもあるようだが、さにあらず。なぜなら、2025年11月に原付一種(50cc)の排出ガス規制が改定されることを受け、『新基準原付(新原付)』が導入されることがほぼ決まっているからだ。
110~125ccモデルをベースに最高出力を4kW(5.4ps)に制限するモディファイを施し、従来の50ccモデルと同じく原付免許で運転可能にする。そんな法改正が確定的になり、ホンダではスーパーカブ110やディオ110といったモデルが新原付モデルのベースになるはず。まあ登場時期を考えれば、すでにテストも進められていると見ていいだろう。
まとめると、スーパーカブ110は原付二種としてそのまま継続され、スーパーカブ50はスーパーカブ110ベースの新原付バージョンに生まれ変わることがほぼ確実。言い換えれば、原付一種と原付二種のスーパーカブがそれぞれに同じエンジンの出力違いで作り分けられるわけだ。
とはいえ、こちらの新原付スーパーカブについてはまだ情報が足りない状況なので、今後また何か明らかになったときにお伝えしていきたい。
スーパーカブ50ファイナルエディション/新原付スーパーカブの予想CGはコチラ↓
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