
軽量化やエンジンの熟成などを行い、より戦闘力を高めて3月1日に発売されたホンダの新型CBR1000RR-R。お〜、イイねイイねとカタログを眺めていた担当者は、アクセサリーのページに思わず目が釘付けになった。こ、コレ、値段一ケタ間違えてないよね?!
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:ホンダモーターサイクルジャパン
ウイングで55万円、ミドルカウルは118万円ッ!!
【ホンダCBR1000RR-RファイアーブレードSP(284万9000円)】オーリンズの電子制御サスやブレンボ製キャリパー装備のRR-Rの上位グレード。ショーワ製サス+ニッシン製キャリパーのSTDグレード「CBR1000RR-Rファイアーブレード」は248万6000円。
2020年に登場するや否や、4速でメーター読み299km/hに達してしまう超性能や、モトGPマシン・RC213Vとまったく同じボア・ストローク、さらに「Rが多すぎるんじゃね?!」などなど、巷の話題をさらいまくったホンダ渾身のリッターSS・CBR1000RR-R。
3月1日には3型となる2024年型が日本でも発売され、外観の変更やエンジンの熟成、車体の軽量化に加え、2モーター式スロットルバイワイヤ(2気筒ごとにスロットル開度を独立制御できる)の採用といった改良が施されたが、今回、ある意味それらよりも凄いタマを隠し持っていたことが判明した。
それは新たに設定された純正オプションのドライカーボン製アクセサリー。ラインナップされる全6点の価格を合計すると…ななんと300万3330円に達するのだ。
ちなみに新型RR-RはSTDが248万6000円、上級仕様SPで284万9000円。バイクより高いオプションなんて聞いたことがないッ!!-!(←RR-R風ビックリマーク)
まずはこの6点を羅列してみよう(価格はすべて税込です)。
■カーボンウイングレット【55万円】重量(両サイド):210g(ノーマル比 マイナス約10%)
■カーボンフロントフェンダー【37万4000円】重量:250g(ノーマル比 マイナス約40%)
■カーボンミドルカウル【118万8000円】重量(両サイド):830g(ノーマル比 マイナス約25%)
■カーボンアンダーカウル【68万5300円】重量:744g(ノーマル比 マイナス約30%)
■カーボンエアボックスカバー【12万5840円】重量:260g(ノーマル比 マイナス約10%)
■カーボンハガー【8万190円】重量:166g(ノーマル比 マイナス約10%)
ちなみに、1型と2型のRR-Rにも計4点のドライカーボン製アクセサリーが設定されていたのだが、その価格は以下の通り(エアボックスカバーとハガーは3型のオプションと共通部品)
- カーボンフロントフェンダー(10万1640円)
- カーボンアンダーカウル(23万7490円)
- カーボンエアボックスカバー(12万5840円)
- カーボンハガー(8万190円)
欧州300台限定車との共通部品
これらのカーボンパーツを新たに設定した理由をホンダに尋ねると「フラッグシップスポーツとしての所有欲を満たすために用品設定した」とのこと。
MotoGPやWSBなど頂点レベルのレーシングマシンでは、強度と剛性が出せて軽量なカーボンパーツはもはや当然の装備。そうしたイメージをRR-Rでより強調するのが目的というわけだ。
とはいえ、2型までは10万円そこそこだったフロントフェンダーが、4倍近い37万円以上まで上がっているのは気になるのだが…。これは今回のカーボンパーツが欧州生産なことに関係するらしい。
実はこのカーボン製アクセサリー、2024年型RR-Rの欧州仕様に設定された300台限定車「カーボンエディション」との共通部品。このパーツを日本へ輸入し、純正オプションとして単品設定したものなのだ。
そうした背景ゆえに、仕入れ時に外的要因をモロに食らうのは致し方ない部分。高価な理由には昨今の円安や物価上昇が影響しているそうで、納期が約6ヶ月と長いのも海外生産品ゆえだ。
RC213V-Sと同じカーボン素材を使用
もちろん、それだけが高価の理由ではない。そもそもが真空釜で整形されるドライカーボン製法だけに、通称ウエットカーボンと呼ばれる製品よりコストは格段に高いのだが、素材がなんと、あのRC213V-Sと同一品なのだ。2190万円のMotoGPレプリカと同品質のパーツが購入できるなら…300万円は決して高くない?!
個人的には高級外車ならともかく、ホンダがこの価格帯のパーツをオプション設定してきたことがなんだか感慨深い。普通ならえらい人に「ンな高いもん売れっか!!」と一喝されて終わりそうなのに。攻めの姿勢というか、担当者さんの気合とその上司の方の度量を感じます。
ちなみに、最後にちょっと意地悪な質問もしてみた。すんごい高額ですけど、普通にドリーム店さんで装着してもらえるんでしょうか?
ホンダ:高額なので特別の指示があるといったことはございません。すべてのHonda純正アクセサリーは全国のHondaDREAMにて安心してご装着頂けます。
さあ、2024年型RR-Rを購入検討中の皆さん、心おきなく合計300万円のオプションパーツを注文だッ!!
昨年のEICMAで撮影したRR-Rカーボンエディションの写真(by編集部「ヨ」)。カーボンパーツのクオリティが伝わるハズ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
コンパクトながら高出力のペルチェ冷暖ベスト おたふく手袋の「冷暖ペルチェベスト JW-699」は、USB PD対応の2万mAhバッテリーを標準付属。psEマーク取得のバッテリーで、最大連続使用は冷却の[…]
MotoGPライダーのポテンシャルが剝き出しになったトップ10トライアル 今年の鈴鹿8耐で注目を集めたのは、MotoGPおよびスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーの参戦だ。Honda HRCはM[…]
最外層にカーボンファイバーを使ったX-Fifteenの最高峰モデルが登場! 積層させた炭素繊維を樹脂で固めたカーボンファイバー(CFRP)は、軽くて強い素材だ。そのため航空機やレーシングマシンに使われ[…]
派生機種を生んだ素性の良さ GS750/Eの実質的な生産期間は約3年。とはいえ、派生機種として登場したGS750G/GL、排気量拡大版のGS850Gは’80年代半ばまで生産を継続。この点については兄貴[…]
最新の投稿記事(全体)
901への憧れから始まった”シンガー” シンガー・ヴィークル・デザインの創業者、ロブ・ディキンソンはアーティスト(歌手)として活躍していたこともあるのでSingerという会社名にしたという説と、ポルシ[…]
ZXシリーズに連なる新ライムグリーングラフィックとマットシルバーの2色を新設定 カワサキモータースジャパンは、ミドルクラスの2気筒スポーツバイク「ニンジャ650」の2026年モデルを発表した。搭載する[…]
ニューカラー採用、スペックや“カワサキケアモデル”に変更なし カワサキがアーバンクルーザー「バルカンS」の2026年モデルを発売する。2022年モデルの発売後、コロナ禍もあって国内導入が一時中断されて[…]
新ライムグリーンのほかグレー系2色も新ラインナップ カワサキは、4気筒600ccスーパースポーツ勢に対し37ccのアドバンテージを持つ「ニンジャZX-6R」の車体色を変更し、スマートフォンアプリの新機[…]
MotoGPライダーのポテンシャルが剝き出しになったトップ10トライアル 今年の鈴鹿8耐で注目を集めたのは、MotoGPおよびスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーの参戦だ。Honda HRCはM[…]
- 1
- 2