KTMジャパンは、30周年を迎えたDUKEシリーズの国内導入時期と車両価格を発表した。『KTM 1390 SUPER DUKE R EVO』は269万9000円で’24年3月、『KTM 250 DUKE』は68万9000円で’24年2月となっている。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:KTM JAPAN
デュークシリーズ30周年に登場するKTMロードスポーツの最適解が進化
KTMのデュークの歴史は、1994年に登場した『620デューク』からはじまった。エンデューロレースで培ったノウハウを凝縮したパワフルな水冷単気筒エンジンを搭載するスーパーモタードだったが、改良を重ねるごとにオンロードスポーツへと進化していき、現在ではストリートファイターの代表的モデルとなっている。
また、デュークシリーズは、KTMでもっとも豊富な排気量バリエーションを持つモデルでもあり、2024年式としてグローバルにラインナップされるのは、125、250、390、790、990、1390となっている。
このたび先行していたKTM 390デュークに続いて国内導入時期と車両価格が発表されたのは、KTM 250デュークとKTM 1390デュークRエヴォの2車種だ。
KTM 1390Rエヴォは、V型2気筒エンジンの排気量を1350ccへ拡大したことで最高出力190psを発揮する、デュークシリーズの最高峰モデルだ。また、WP製セミアクティブサスペンションを備えるなど、フラッグシップにふさわしい走行性能を誇る。アップデート内容などの詳細についてはこちらの記事にまとめているので、ぜひ参考にしていただきたい。
ここでは主に、’24年式250デュークの車両詳細をお伝えしよう。
環境性能を高めつつパワーアップした250デューク
249cc水冷単気筒エンジン『LC4c』は、シリンダーヘッドとギアボックスの改良により、パワーとトルクをさらに引き出しやすい特性を実現している。結果として最高出力は1ps、最大トルクは0.1kg-mアップとなっており、最新の排ガス規制『ユーロ5+』に適応しつつ、KTMの哲学である「Ready to Race」をしっかりと受け継ぐエンジンに仕上がっている。
新設計のフレームは、スチールトレリスをメインフレームとし、アルミダイキャスト製サブフレームを組み合わせたツーピース構造だ。ねじれ剛性を高めたことにより俊敏な応答性とシャシーからのフィードバックを感じられる特性を得た。また、トリプルクランプも新設計としている。さらに車両のディメンション(ホイールベースは長くなった)とライディングポジションを最適化したことで、従来型よりもハンドリング特性を向上させ、コントロール性と走行安定性を高めている。
このフレームに組み合わせるサスペンションは、フロントにWP製43mm径APEXビッグピストンフォーク(ストローク量150mm)を装備。リアは新設計の鋳造アルミ製スイングアームにWP製APEXエマルジョンモノショック(ストローク量150mm。プリロード調整可能)を車体右側へオフセットして装着している。これによりエアボックス容量を拡大しつつも、ハンドリング特性をそのままにシート高を従来型より30mm低くすることに成功した。低いシート高を実現しているが、シートフォームの材質と形状を新設計したことで、快適性やスポーツ性も確保している。また、純正アクセサリーとしてシート高を820mmにすることができるシートを用意している。
ライディングポジションの改良に伴い、軽量な鋳造アルミ製のフットペグハンガーと、マシンホールド性に優れるフットペグを採用する。また、純正パーツとして高品質な切削アルミ製フットペグを揃え、スポーツ性能の向上とドレスアップに対応する。
メーターには5インチLCDを採用し、速度やエンジン回転数、走行距離などの情報を着実に視認できるよう進化し、スマートフォン接続機能も有している。複雑になりがちな操作は、新たに採用した4ウェイメニュースイッチボックスにより直感的かつ確実に行える。
ABSはコーナリング対応、かつスーパーモトモード(リアのABSがオフになるなどで、アグレッシブな走行を可能とする)を持つボッシュ製10MB 2チャンネルへと進化し、滑りやすい路面や車体を傾けている際のブレーキングにさらなる安心をもたらす。また、フロントブレーキは、いずれも新開発した320mm径シングルディスクに4ピストンラジアルマウントキャリパーをセット。ブレーキ時の作動温度を抑制することで耐フェード性を高めている。リアブレーキも新開発の240mmシングルディスクに2ピストンキャリパーを組み合わせ、街乗りやツーリングはもちろん、アグレッシブなスポーツライディングにも対応する。
外観デザインは、デュークシリーズのイメージを踏襲しつつ、よりシャープでエッジの効いたパーツ構成により、ストリートファイターとしての風格が高まった。ヘッドライトをはじめとする灯火器類はすべてLEDとし、車体色はエレクトロニック・オレンジ(橙×灰)と、セラミック・ホワイト(白×橙)の2色をラインナップする。
普通二輪免許で運転できるうえ、車検も不要なKTM 250デュークは、購入費と維持費を抑えつつ優れた走行性能、そして取り回しの軽さを実感できる。ビギナーのファーストバイクだけでなく、ベテランライダーも納得できるパフォーマンスを持っている。
KTM 1390 SUPER DUKE R EVO
主要諸元■全長─ 全幅─ 全高― 軸距― シート高834(各mm) 車重212kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 1350cc 190ps/10000rpm 14.8kg-m/8000rpm 変速機6段 燃料タンク容量約17.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●色:黒、橙 ●価格:269万9000円 ●発売日:2024年3月 ※主要諸元は欧州仕様
KTM 250 DUKE
主要諸元■全長─ 全幅─ 全高― 軸距― シート高800(各mm) 車重165kg■水冷単気筒SOHC4バルブ 249cc 31ps/9500rpm 2.5kg-m/7500rpm 変速機6段 燃料タンク容量約15L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●色:橙、白 ●価格:68万9000円 ●発売日:2024年2月 ※主要諸元は欧州仕様
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(KTM)
経済情勢、および為替レートの変動を受け、KTMがメーカー希望小売価格を改定。2024年8月1日より新価格にて販売開始するという。たとえばストリートモデルのフラッグシップ、1390SUPER DUKE […]
レースシーンからインスピレーションを受けた新カラーRC390 RC390は、妥協のないスポーツバイクの美学、軽快なハンドリング、そしてストリートやサーキットでの印象的なパフォーマンスを提供するとされる[…]
30周年を迎えるKTMデュークの新時代をリードするスタンダード 2024年、デュークシリーズが30周年を迎えるにあたり、KTMはデューク/スーパーデュークシリーズの刷新を図った。その先陣であり、中心的[…]
第4世代となるスーパーデュークはエンジンをはじめ大きくアップデート デュークシリーズ誕生30周年を迎える2024年に向け、EICMAで世界初公開となった『990デューク』に続いて、KTMはスーパーデュ[…]
「黒船」が来た! 中型クラスに異状あり! 400㏄クラスという排気量カテゴリーは、免許制度の関係で生まれた日本独特の排気量帯で、ヨーロッパでは日本で販売するモデルの500㏄版を販売するなどしてきました[…]
最新の関連記事(新型ネイキッド)
SC77の4気筒エンジンを搭載し、車重は211kg(SP=212kg) ホンダは欧州で、EICMA 2023(ミラノショー)でプロトタイプを公開していた新型ネイキッドモデル「CB1000ホーネット」お[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
クラッチ操作不要、ハンドシフト可能なMTモード/ATモードを搭載 ヤマハは、注目のトランスミッション機構「Y-AMT(Yamaha Automated Transmission)」を搭載したニューモデ[…]
バランス重視キャラでコストと性能を両立か 「カワサキとの真っ向勝負は避けるとしても、出力的に70ps程度は出してくるだろう。フレームは軽量化のため、ダイヤモンド型を採用する可能性が高い」 ヤングマシン[…]
車検のある機種は熊本製作所で作る? 新開発の400cc4気筒エンジンを搭載し、CB400スーパーフォアの後継機として、開発中のホンダ新型CB400。WEBヤングマシンでの注目度もとても高く、2025年[…]
人気記事ランキング(全体)
欧州ではR125、R3、R7、R9、さらにサーキット専用R6 RACE、R6 GYTR、R1 RACE、R1 GYTRのスーパースポーツ大艦隊を編成 ヤマハは欧州で2025年モデルの「R3」を、北米で[…]
接地感とグリップ力は別のハナシ バイク乗りの皆さんなら、「接地感」という言葉を耳にしたり、口にしたりすることも多いと思う。この「接地感」、言葉通りに受け止めれば「タイヤが路面に接している様子を感じるこ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
汚れならミガキング、点サビならサビトリキング。状態に合った下処理の後に仕上げのメッキングを 金属素材の上に金属クロムを生成するクロームメッキには、マフラーやフェンダーなどのパーツに施される装飾メッキと[…]
最新の投稿記事(全体)
SC77の4気筒エンジンを搭載し、車重は211kg(SP=212kg) ホンダは欧州で、EICMA 2023(ミラノショー)でプロトタイプを公開していた新型ネイキッドモデル「CB1000ホーネット」お[…]
ローライダーSTカスタム:最新トレンドを反映し、パフォーマンスUPの持ち主だ!! スピードクルーザーとしての戦闘力を全面的にアップしているが、キモとなるのはやはり足まわりだ。見た目にも鮮やかなレッドで[…]
ヘルメット着脱の煩わしさ みなさんはバイクに乗る際、どんな種類のヘルメットを着用していますか。ヘルメットと一言で言ってもいろんなタイプのヘルメットがあり、着脱の手間や煩わしさも大きく変わってきます。わ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
汚れならミガキング、点サビならサビトリキング。状態に合った下処理の後に仕上げのメッキングを 金属素材の上に金属クロムを生成するクロームメッキには、マフラーやフェンダーなどのパーツに施される装飾メッキと[…]
- 1
- 2