
ホンダはスーパースポーツモデル・CBR600RRの一部仕様を改良し、2024年2月15日に発売すると発表した。排ガス規制に対応しつつ、カラーリングやグラフィックを変更し新色も追加、従来オプションだったクイックシフターを標準装備とした。トリコロール車は従来型の価格を維持、新色のブラックカラー車は値下げとしたのもトピックだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダ
排ガス規制に適合しつつ、実質的に値下げを敢行
今年の鈴鹿8耐でプロトタイプが発表されたCBR600RRが、正式に国内発売の運びとなった。2020年9月に発売された従来型(2BL-PC40型)は平成28年排出ガス規制(≒ユーロ4)対応だったため、2022年11月以降は車両の生産自体が不可となっていたが、新型(8BL-PC40型)はめでたく令和2年排出ガス規制をクリア。晴れて600スーパースポーツ代表選手の命脈が繋がることになった。
気になるスペックは121ps/ 14000rpm・6.5kg-m/11500rpmだった従来型に対し、新型では121ps/14250rpm・6.4kg-m/11500rpmに。微妙に変更はされているものの、ほぼ従来どおりのパフォーマンスを維持している。排ガス規制のクリアを考えれば実質的にはパワーアップと言ってもいいだろう。車重は194kg→193kgへと1kg軽くなっている。
カラーリングは従来の単色展開から、新色を追加して2色展開に。従来型にも存在した「グランプリレッド」はグラフィックと配色を変更して継続させつつ、精悍なツヤ消しブラック単色の「マットバリスティックブラックメタリック」が追加されている。
そして、新型CBR600RR最大のトピックとなるのは価格だろう。従来型で2万6950円のオプションだったアップ/ダウン双方向クイックシフターを標準装備としながら、グランプリレッド車は現状維持の160万6000円、さらにブラックメタリック車は157万3000円と、実質的な値下げを敢行しているのだ。
細かく見ればアンダーカウルや排気系の形状なども変更されており、さらに二次減速比も従来型の2.562→2.625へとショート化。この2次減速比の変更を受けてか、ホイールベースも1375mm→1370mmへと5mm短かくなっている。年間の販売計画台数は1500台、発売日は2024年2月15日だ。
車名 | CBR600RR〈新型〉 | CBR600RR〈従来型〉 |
形式 | 8BL-PC40 | 2BL-PC40 |
全長✕全幅✕全高 | 2030✕685✕1140mm | 2030✕685✕1140mm |
軸距 | 1370mm | 1375mm |
シート高 | 820mm | 820mm |
車両重量 | 193kg | 194kg |
エンジン型式 | 水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ | 水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 599cc | 599cc |
最高出力 | 121ps/14250rpm | 121ps/14000rpm |
最大トルク | 6.4kg-m/11500rpm | 6.5kg-m/11500rpm |
燃料タンク容量 | 18L | 18L |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | 常時噛合式6段リターン |
変速比(1〜6速) | 2.615/2.000/1.666/1.444/1.304/1.208 | 2.615/2.000/1.666/1.444/1.304/1.208 |
減速比(1次/2次) | 2.111/2.625 | 2.111/2.562 |
キャスター/トレール | 24°60′/100mm | 24°60′/100mm |
ブレーキ(前/後) | Wディスク/ディスク | Wディスク/ディスク |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 | 180/55ZR17 |
色 | 赤、黒 | 赤 |
価格 | 160万6000円/157万3000円 | 160万6000円 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ホンダCBR600RRを購入したい! 車両販売情報はこちら
最新の関連記事(新型スーパースポーツ)
40年の歴史を誇るナナハン・スーパースポーツと、兄弟車のR600 1985年当時、ナナハンと呼ばれていた750ccクラスに油冷エンジン搭載のGSX-R750でレーサーレプリカの概念を持ち込んだのがスズ[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 発売は2003年7月4日。2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随[…]
2024年モデル概要:排ガス規制に適合し、実質的な値下げを敢行 2020年モデルでは平成28年排出ガス規制(≒ユーロ4)対応だったため、2022年11月以降は車両の生産自体が不可となっていたが、その後[…]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ:カワサキ「ニンジャ400」【2018モデル】 発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベース[…]
意外な従順さを見せるBMWのスーパーマシン サーキットでのパフォーマンスを第一に考えられたマシンではあるものの、意外と一般公道を転がすような速度域でも扱いにくさは感じない。 エンジン特性がしっかり調教[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
嬉しい、楽しい、大好きダックス! ちょっとHondaのバイクに詳しい人なら知っていることかもしれませんが、じつは「ダックス」のペットネームを持ったバイクがはじめて誕生したのは、半世紀以上も前の1969[…]
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
国内初のX-ADV(’21-23)用車検対応2本出しフルエキゾースト 日本はもちろん、欧州で人気のX-ADVは数々の輸入マフラーメーカーがさまざまな製品をラインナップしています。しかし、日本で車検対応[…]
人気記事ランキング(全体)
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
シリーズ累計で約3万台を生産したW1の系譜 約9年に及んだ販売期間の中で、W1シリーズの人気が最高潮に達したのは、ペダルの配置が左:シフト/右:リヤブレーキに改められたW1SA。それに次ぐのはツインキ[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
最新の投稿記事(全体)
日本でも人気、コンパクトな車体と味わい深いエンジンの軽二輪モデル カワサキは欧州において、日本でいう軽二輪のレトロバイク「W230」と「メグロS1」の2026年モデルを発表した。注目はW230のニュー[…]
ヤングマシン電子版2025年9月号[Vol.634] 【海外超速報】◆ついに本気のネオクラ来た!! スズキGSX-8T/TT◆待望のゴリラ125登場? ホンダGORILLA125(MONKEY125 […]
1位:直4ネオクラシックZ400RS最新情報/予測 最強400ccモデルであるニンジャZX-4Rをベースとした直列4気筒のヘリテイジネイキッド「Z400RS」(仮称)が開発されているという噂。77ps[…]
スズキ バンディット400:GSX-Rのエンジン流用ネイキッド 59psというクラス最強のパワーを持ち、1984年に華々しく登場したGSX-R。 レーシーに設定されたこのマシンの心臓部の実用域を強化し[…]
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
- 1
- 2