
ヤマハはタイで、新型の空冷125クラスモデル「PG-1」を発表した。横型エンジンに自動遠心クラッチを採用する姿はホンダ「CT125ハンターカブ」のガチンコライバル登場を思わせるが、本格的にオフロードを楽しめそうなマシンづくりには往年の「ミニトレ(ミニトレール)」を思い出さずにはいられない?!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
アンダーボーンにブロックタイヤ、フラットなシート
ヤマハがタイで面白いバイクを発表したぞ! その名も「PG-1」で、数日前からウェブ界隈を賑わせてきたが、スペックや価格も正式発表されたのでお伝えしたい。
車体は、タイでは一般的と言っていいアンダーボーンフレームに空冷114ccの横型エンジン(シリンダーが水平近くまで前傾している)を搭載し、前後16インチホイール+ブロックタイヤ、そしてセパレート式ながら前後がフラットにつながったシートなど、ホンダ「CT125ハンターカブ」を意識しているように見えてけっこう独自の構成になっていることがわかる。本格的なテレスコピックフォークやフロントディスクブレーキ、丸目1灯のヘッドライトもポイントだ。
さらに、現地価格は6万4900バーツ(日本円換算約27万5000円・11/29現在)と、ハンターカブの8万8900バーツ(約37万6000円)よりもかなりリーズナブルなんである。
そんなPG-1を見て、オッサン世代としては往年の『ミニトレ』ことミニトレールを思い出さずにはいられない。……といってもピンと来ない方も多いと思うので説明すると、ヤマハが1968年に発売した本格トレールバイクの超名車「DT-1」(超絶カッコイイ!)が世界的に大人気を博したわけだが、1970年にそのミニチュア版とも言える50ccの「FT-1」が登場し、この系譜がミニトレール=ミニトレの愛称で親しまれていったたのだ。
1971年にはマイナーチェンジしてFT50になり、翌1972年にはなぜかGT50となったが、さらに兄弟車のGT80もラインナップされてたりして、これらで河川敷などを走ってオフロードの楽しさを覚えたライダーも多かった。
実は筆者はその時代の生まれではないが、幸いにもミニトレには少し触れたことがあり、その後はヤマハのトレールバイク、DT200WRやセロー225でライディングの楽しさを覚えていった。
だから、ミニトレどころかセロー250もなくなってしまった今、こんな“遊べるバイク”が待ち遠しくて仕方がなかったのだ。
……つい個人的に熱が入ってしまったが、ようはそんな腕白なバイクが登場したのが(たとえタイのみであっても)バチクソ嬉しかったのでお許しいただきたい。
【参考】ヤマハFT1[1970] ミニトレールというジャンルの草分けとなったモデルで、本格的なダブルクレードルフレームにロータリーディスクバルブ吸気の前傾シリンダー・2ストロークエンジンを搭載した。
主要諸元■全長1585 全幅700 全高930(各mm) 車重59kg■空冷2ストローク単気筒ロータリーディスクバルブ 49cc 4.0ps/7500rpm 0.45kg-m/5000rpm ●当時価格:6万7000円
PG-1は、車名にどこかFT-1を意識したような形跡が見られ(気のせい?)、ホイールサイズは前後15インチのFT-1よりもわずかに大きい前後16インチ。アンダーボーンなのでニーグリップ位置に燃料タンクはないが、リーンアウトで膝の内側を押し当てられそうなところにきちんとカバーがあったり、スタンディングではシートのスリムさがいい感じそうに見えたりと、もう楽しそうで仕方がない。
アンダー気味のマフラー位置などは気にならなくもないが、カスタムの素材と考えれば全然OK。大型キャリアでツーリングバイクに仕立てるもよし、さらにオフロード性能を追求するもよし。なんならセロー250ユーザーのセカンドバイクにも最適なんじゃないか、などと妄想は膨らみっぱなしである。
ちなみに、トランスミッションは4速で自動遠心クラッチを採用したクラッチレバーレス構成。フロントにはディスクブレーキを採用するがリヤはドラム式である。最低地上高は190mmと十分だ。
ヤマハさん、XSR125/MT-125/YZF-R125に続く原付二種クラスのニューモデルとして、なんとか導入をご検討いただけませんでしょうか。導入の暁には、少なくともここにマジで買おうと思っている奴が1人いますよ!
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
主要諸元■全長1980 全幅805 全高1050 軸距1280 最低地上高190 シート高795(各mm) 車重107kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 114cc 出力未発表 変速機4段 燃料タンク容量5.1L■キャスター26.5°/トレール83mm ブレーキF=ディスク R=ドラム 前後タイヤサイズ=90/100-16 ●価格:6万4900バーツ(日本円換算約27万5000円)
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]Chill Blue
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]Humming Brown
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]Vivid Yellow
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]Cool Black
遊びもカスタムも自由自在!
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
YAMAHA PG-1[2024 Thai model]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
前回未来予想として取り上げたXSR125を皮切りに、ヤマハにはYZF-R125やMT-125なども導入して原付二種クラスの活性化を図ってもらいたいのが、ヤングマシン編集部の要望だ。 どうせなら、それら[…]
家から50kmの大アドベンチャー 少し前に終わったNHK朝の連続テレビ小説、え〜と、『カムカムカムギアトレーン』みたいな題名だったか。大正から令和まで3代のヒロインにまつわる物語で、その時代時代に合わ[…]
新型登場で再びPCXを上回ったCT125ハンターカブ バイク業界の出来事を網羅する二輪車新聞は、10月13日号で2023年上半期の二輪車総需要を総括した。これは毎年発表されるデータで、どの排気量クラス[…]
バイクの本当の楽しさを教えてくれるのがフルサイズ125 「あの山の先まで行ってみたいなあ……」。高校生の頃の僕は、窓の外はるか彼方に連なる丹沢山系を眺めて授業もろくすっぽ聞いていない、そんな生徒だった[…]
※2023年12月14日更新 125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
250cc2気筒の水冷Newエンジンだけではないテクノロジーによる軽量化! 1980年、世界中を震撼させたRZ250がリリースされた。 排気ガス規制で1970年代中盤を過ぎると軽くてシンプルな高性能と[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
LCDメーターがTFTにグレードアップ、外観も一新! リーニングマルチホイール=LMW採用の原付二種/軽二輪スクーターとして独自の地位を築いているヤマハの「トリシティ125」「トリシティ155」がマイ[…]
“グローバルカラー”をうたうマットパールホワイト インディアヤマハモーター(IYM)は、水冷単気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ「R15 V4(V4=第4世代の意 ※日本名YZF-R15)」の新[…]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
LCDメーターがTFTにグレードアップ、外観も一新! リーニングマルチホイール=LMW採用の原付二種/軽二輪スクーターとして独自の地位を築いているヤマハの「トリシティ125」「トリシティ155」がマイ[…]
9/10発売:スズキ アドレス125 まずはスズキから、原付二種スクーターの定番「アドレス125」がフルモデルチェンジして登場だ。フレームを新設計して剛性を高めつつ軽量化を実現し、エンジンもカムシャフ[…]
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド イタリアンブランドとしての誇りを胸に、資本も製造もすべてイタリアで行うファンティックは、コストダウンのために安易なアジア生産に走らず、職人の手で丁[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
コンパクトで使いやすいワイヤーロック ヘンリービギンズの「デイトナ ワイヤーロック DLK120」は、質量約90gの軽量設計で、ツーリング時の携行に適したポータブルロックです。ダイヤルロック式のため鍵[…]
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
最新の投稿記事(全体)
ツーリングスポットに事欠かない南伊豆 南伊豆を存分に走り抜けたいなら、「県道16号下田石廊崎松崎線」は欠かせない。伊豆半島最南端の石廊崎へ続くこの道は、海岸線沿いの豪快な絶景海道。漁村が点在する東部の[…]
世界に羽ばたくカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON」 ZONは、吉澤雄一氏と植田良和氏によって2003年に設立されたカスタムファクトリーだ。彼らの真骨頂は、他に類を見ない高いデザイン力と[…]
軽さと安全性を両立した定番モデル プーマセーフティー「ライダー2.0 ロー」は、JSAA A種認定を取得した先芯合成樹脂を装備し、衝撃吸収機能を備えたメンズ用安全靴です。Amazonレビューは4.0([…]
コンパクトで携帯性に優れた携帯灰皿 「プルプラ クリップオンケース」は、ヒートスティック(加熱式タバコ)専用の携帯灰皿です。商品重量は約10gと非常に軽く、ポケットやバッグの隙間でも邪魔になりません。[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
- 1
- 2