
ヤマハは、ジャパンモビリティショーおよびEICMA 2023で一般公開したヘリテイジスポーツモデル「XSR900GP」の発売価格を欧州で発表した。日本では2024年夏以降に発売予定だが、ここでは欧州価格をもとにXSR900と比較し、日本でXSR900GPが発売された場合の価格を予想してみたい。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
英国とイタリアでXSR900との価格差は1.16倍~1.18倍
ヤマハは、10月24日にオンラインで初公開し、ジャパンモビリティショーおよびEICMA 2023にて実車をお披露目したニューモデル「XSR900GP」の価格を欧州で発表した。ここでは英国(ポンド)とイタリア(ユーロ)の価格を参考に、ベースモデルであるXSR900の現行モデルと比較することで日本に導入された際の価格を予想してみよう。ちなみにXSR900GPは2024年夏以降に国内発売予定とされている。
ヤマハ最新の並列3気筒エンジンを搭載するヘリテイジスポーツ「XSR900」は、MT-09/SPやトレーサー9GTといった兄弟モデルを持つネイキッドモデルで、これをベースにハーフカウルやセパレートハンドルを装着して往年のGPレーサー風のスタイルを与えられたのがXSR900GP。1980年代のマルボロカラーをオマージュした白×赤の車体色と、同じグラフィックの黒×灰の2つのカラーバリエーションが用意される。5インチTFTディスプレイやKYB製フルアジャスタブルサスペンションなど装備も一級品だ。
さて、気になる欧州価格は英国1万2500ポンド、イタリア1万3499ユーロとなっており、ベースモデルXSR900との価格比は1.16倍~1.18倍と近似している。
英国
XSR900GP 1万2500ポンド
XSR900 1万0610ポンド
イタリア
XSR900GP 1万3499ユーロ
XSR900 1万1599ユーロ
日本で販売中のXSR900は10月に価格改定を受け、125万4000円になった。同価格を2024年モデルも踏襲すると仮定して、これに各国の価格比を掛け合わせると、日本仕様XSR900GPの想定価格は145万9000円~147万7000円になる。
イタリアのほうがわずかに価格差は小さいが、ほぼ似たような数字と言える範囲。さらに、2024年モデルでXSR900が値上がりすると仮定した場合でも、GPの価格は150万円台前半に収まることが期待できそうだ。ライバルと想定されるホンダCB1000R(167万900円)、スズキKATANA(160万6000円)、カワサキZ900RSカフェ(151万8000円)らと比べても十分に競争力のある価格と言えるだろう。待て、続報!!
YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]のカラーバリエーションとスペック
車名 | XSR900 GP |
全長×全幅×全高 | 2160×810mm×1180mm |
軸距 | 1500mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 835mm |
キャスター/トレール | 25°20′/110mm |
装備重量 | 200kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 890cc |
内径×行程 | 78.0×62.1mm |
圧縮比 | 11.5:1 |
最高出力 | 119ps/10000rpm |
最大トルク | 9.5kg-m/7000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 14L |
燃費 | 20km/L |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 |
ブレーキ前 | φ298mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ245mmディスク+1ポットキャリパー |
車体色 | 赤×白、黒×灰 |
YAMAHA XSR900 GP[2024 EU model]のディテール
スクエアな形状のアッパーカウルにはナックルガードを備え、小型のLEDヘッドライトを内蔵することでレーシングイメージを損なわずにデザインを成立させている。シートカウルと肉厚なシート、シートストッパーも往年の雰囲気。
第3世代クイックシフトシステムは、スロットル開/閉のどちらでもシフトアップ/ダウンが可能。並列3気筒エンジンはMT-09、XSR900、ナイケンと共有するヤマハ最新世代のクロスプレーンコンセプトエンジン『CP3』だ。
赤いホイールに金の倒立フォーク(ホイールトラベル130mm)、イエローのリヤショック(ホイールトラベル131mm)がレーシングスペックを彷彿とさせる。前後サスペンションはともにフルアジャスタブル。
【動画】2024 Yamaha XSR900 GP: Born Iconic
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