
カワサキは、ジャパンモビリティショー2023の出展概要を発表した。世界初のストロングハイブリッドモデル「ニンジャ7ハイブリッド」やカワサキ発の電動モーターサイクル「ニンジャe-1」を展示するほか、歴史的なモデルも展示。さらに世界初公開モデルは5機種もあるという。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
カワサキモータース/モータースポーツ/Tokyo Future Tour の3ブース展開
カワサキは、2023年10月28日から一般公開されるジャパンモビリティショー2023の出展概要を発表した。展示ブースは大きく3つに分けられ、カワサキモータースブース、モータースポーツエリア、そして「Tokyo Future Tour」がある。前者2つは文字通りだが、Tokyo Future Tourは次世代モビリティが開く世界を表現したエリアとなり、開発中のモーターサイクル用水素エンジンなどを展示するという。
なにより注目したいのは、ワールドプレミア(世界初公開)モデルが5機種もあるということ。詳細は明かされていないが、一部については推察可能なので紐解いてみたい。その前にまずは出展車両だ。下記のようになっている。
カワサキモータースブース(東展示棟、東6ホール)
- ワールドプレミアモデル(5機種)
- 「Ninja 7 Hybrid」(ジャパンプレミア)
- 「Ninja e-1」(ジャパンプレミア)
- 「TERYX KRX4 1000」(参考出品)
- 「BIMOTA TESI H2 CARBON」(参考出品)
- 「BIMOTA KB4」(市販モデル)
- 「Ninja 1000SX」(市販モデル)
- 「Z900RS Yellow Ball Edition」(市販モデル)
- 「ELIMINATOR SE」(市販モデル)
- 「カワサキ250メグロSG」(歴史車)
- 「Ninja (GPZ900R)」(歴史車)
- 「ZXR400R」(歴史車)
モータースポーツエリア(東展示棟、東7ホール)
- Kawasaki Racing Team Suzuka 8H Ninja ZX-10R (2019年鈴鹿8耐優勝車両)
- Kawasaki Racing Team Ninja ZX-10R (2020年 スーパーバイク世界選手権6連覇車両)
- Monster Energy Kawasaki KX450 (2020年AMAスーパークロス選手権450SXクラス優勝車)
Tokyo Future Tour(西展示棟)
- MULE PRO-FX 1000
- モーターサイクル用水素エンジン(モックアップ)
引っ掛かるのは”歴史車”の展示
ワールドプレミアモデルだけではなく、歴史車とされる展示車両(リストの下3段)にも注目だ。まず「カワサキ250メグロSG」とあり、これはワールドプレミアに新型車の『メグロ250』あるいは復活の『エストレヤ(W250になる?)』が含まれるという説に信ぴょう性を与えている。ヤングマシン・スクープ班では以前からメグロ250の存在に注目しており、実際にこのJMS2023で初公開される可能性が高いと踏んでいる。2024年はメグロがカワサキ傘下に入って60周年という事実もこの可能性に説得力を増す。
【KAWASAKI MEGURO 250|イメージCG】アルミ地が美しいエストレヤのエンジンに、メグロ印の赤マルを追加。スタイルは初代エストレヤのまま、メグロらしくメッキタンクやエンブレムを与えた。灯火類や足まわりは最新でリヤもディスク化。車名はメグロK3や旧メグロの250cc車に合わせ、アルファベットと数字の組み合わせになるか? ●予想登場時期:2023年秋 ●想定価格帯:70万円前後 ●デビュー可能性:75% ※無断転載禁止
【KAWASAKI W250|イメージCG】KLXエンジンを搭載し、インドなどで販売されるW175に寄せたグラフィックとしてみたカワサキ仕様。エストレヤは 2017 年のディスコン時に“ファイナルエディション”を謳っているため、復活するなら車名は“W”を用いると予想! ※無断転載禁止
そしてもうひとつ、「Ninja (GPZ900R)」である。GPZ900Rという機種名だけでなく、わざわざNinjaとしているところが意味深。2024年はGPZ900Rの登場から40周年ということもあり、いずれZ900RSをベースとした新型車『GPZ900RS』が登場するのではという情報もあるが、11月のミラノショーEICMAという説も根強く、10月末のJMS2023での登場はなんとも言えないところ。しかし、やはりこの意味深さは気になる……。
そしてもうひとつ、「ZXR400」である。こちらはすでにニンジャZX-4Rが発売されていて、その歴史を振り返るものと見ることもできるが、何らかの含みを持っている可能性も否定できないだろう。
とはいうものの、ワールドプレミア5機種の全てを予想することは現時点では困難だ。引き続き情報収集に努めたい。
【歴史車】とされるカワサキ250メグロSGとGPZ900R
【KAWASAKI 250 MEGURO SG[1965]】メグロ初の250cc車は1950年のジュニアJ1。最終型となるのがカワサキと合併後の1965年に登場したメグロSGで、これが初代エストレヤのモチーフになった。
【KAWASAKI GPz900R[1984]】最高速250km/hという途方もない世界を実現し、のちに映画「トップガン」で主人公の愛車となったことで人気が爆発。JMS2023での展示車がどの年式になるのかは不明だが、映画の劇中車ではなさそうとの情報も。
日本初公開のハイブリッド&電動ニンジャ
【KAWASAKI Ninja 7 Hybrid】451cc(欧州発表値)の並列2気筒エンジンにトラクションモーターを組み合わせたストロングハイブリッドシステムを世界で初めて二輪車に搭載したモデル。1000ccクラス並みの発進加速と250ccクラス並みの燃費を両立する。
【KAWASAKI Ninja e-1】400ccクラスの車体に電動モーターを搭載し、15秒間だけ加速力を増すeブーストなどギミックも備えた電動モーターサイクル。専用のリチウムイオンバッテリーを搭載し、満充電での走行距離は72kmを実現している。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
K3登場後も"話題作り"が続いている?! ホンダGB350が大ヒット中のアンダー400ccクラス。以前から予想しているとおり、カワサキもこのクラスに新型ネオクラの投入を画策しているようだ。長年に渡って[…]
1984年に登場し、今も熱狂的なファンを持つ'80年代随一の人気機種・カワサキGPZ900R。この"初代ニンジャ”の復活機運が高まりつつある? 2024〜2025年の2年間で30機種以上のエンジン車を[…]
トップガン観たよね? 心の準備よろしく! 当WEBが11月13日付けで公開した記事『まさかのGPz900R復活!? EICMAで展示のトップガン仕様に「離陸に備えよ」の超意味深メッセージ!!』は予想以[…]
650~700ccクラスの性能を備え、1000ccスーパースポーツに匹敵する瞬発力!! つい最近、125ccクラスに相当する欧州A1くライセンスクラスの電動バイク「ニンジャ e-1」および「Z e-1[…]
欧州ではZ650RSと同等か少し高く、北米ではかなり安い 電動ニンジャ&Zにハイブリッドと大攻勢をかけるカワサキだが、早くも電動モーターサイクル「Ninja e-1」「Z e-1」の価格が明らかになっ[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
カワサキW800(2017) 試乗レビュー この鼓動感は唯一無二。バイクの原点がここに 1999年2月に発売されたW650は2009年モデルを最後に生産を終了。その2年後の2011年、ほぼ姿を変えずに[…]
カラーバリエーションがすべて変更 2021年モデルの発売は、2020年10月1日。同年9月にはニンジャZX-25Rが登場しており、250クラスは2気筒のニンジャ250から4気筒へと移り変わりつつあった[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキ500SSマッハⅢに並ぶほどの動力性能 「ナナハンキラー」なる言葉を耳にしたことがありますか? 若い世代では「なんだそれ?」となるかもしれません。 1980年登場のヤマハRZ250/RZ350[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
※この記事は別冊モーターサイクリスト2010年11月号の特集「YAMAHA RZ250伝説」の一部を再構成したものです。 ヤマハ RZ250のエンジン「2ストロークスポーツの純粋なピーキー特性」 ヤマ[…]
カラーバリエーションがすべて変更 2021年モデルの発売は、2020年10月1日。同年9月にはニンジャZX-25Rが登場しており、250クラスは2気筒のニンジャ250から4気筒へと移り変わりつつあった[…]
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
最新の投稿記事(全体)
カワサキW800(2017) 試乗レビュー この鼓動感は唯一無二。バイクの原点がここに 1999年2月に発売されたW650は2009年モデルを最後に生産を終了。その2年後の2011年、ほぼ姿を変えずに[…]
旧車の開発に使われた”鉱物油”にこだわる 1992年に創業した絶版車ディーラーのパイオニア・ウエマツ。販売だけでなく、整備にも徹底して力を注いできた同社がそのノウハウをフィードバックし、旧車に特化した[…]
インパクト大なシリーズ初カラー 現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロに仕上げられた1台であるXSR900。3種のパワーモ[…]
イベントレース『鉄馬』に併せて開催 ゴールデンウィークの5月4日、火の国熊本のHSR九州サーキットコースに於いて、5度目の開催となる鉄フレームのイベントレース『2025 鉄馬with βTITANIU[…]
ロングツーリングでも聴き疲れしないサウンド 数あるアドベンチャーモデルの中で、草分け的存在といえるのがBMWモトラッドのGSシリーズ。中でもフラッグシップモデルのR1300GSは2024年に国内導入さ[…]
- 1
- 2