●記事提供:MOTO INFO(初出2023年8月25日)
バイクは、自分で操り自由にどこまでも走る開放感と風を切って走る爽快感を楽しむ一方で、忘れられない思い出を刻む機会でもあります。その特別な瞬間を記録するツールとして、また、“煽り運転”や予測せぬトラブル、事故に遭遇した際の頼れる“お守り”として、バイク用ドライブレコーダー(以下、ドライブレコーダー)に対する関心が非常に高まっています。
ここでは、ドライブレコーダーの重要性について掘り下げ、その進化と技術的進歩、そして安全運転意識の高まりと活用事例について、2019年からドライブレコーダーの開発・販売を行う株式会社ミツバサンコーワ営業本部 企画販促チームの黒﨑 政雄さん(以下、黒﨑さん)にお話を伺いました。
これからドライブレコーダーの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ドライブレコーダーは年齢・運転歴問わず多くのライダーが支持
黒﨑さんに、把握している限りでのドライブレコーダー需要と、利用者の傾向について伺いました。
煽り運転問題によって、やはりドライブレコーダーへの注目は高まりました。また、弊社がバイク用ドライブレコーダーを発売した2019年以降から、新たなバイクブームの波と相まって、さらに需要が加速しています。
最近増えているのは、40~50代のいわゆるリターンライダーや、SNSに投稿されたドライブレコーダー映像に影響を受けて自分でも装着して録画してみようと考える若者層まで、実は年齢・運転歴などに偏りなく幅広く利用されています。
万が一の事故時や煽り運転に対する防衛策としてはもちろんのこと、ツーリングの思い出動画としての需要も高まっており、一つのデバイスが「お楽しみ要素」と「お守り要素」を兼ね備えていることから、あらゆるライダーに注目され始めているということですね。
また、当然ですが自身の運転も記録されることから、装着したライダーの安全運転に対する意識の高まりがあるという声も聞かれます。
ドライブレコーダーはどのように進化していったのか?
続いて黒﨑さんに、ドライブレコーダーがどのように進化をしていったのかについて尋ねました。
初期の製品では、本体が精密機器であることからシート下などの車両内部に装着する必要がありました。
しかし、ライダーの安全に対する意識の高まりとともにドライブレコーダーの需要も増加しました。それを受けて2022年より発売を開始したシリーズからは本体の防塵・防水機能をグレードアップし、車両外部にも取り付けできるようになり、スぺ―スの限られる車両にも自由度の高い装着を実現しています。
将来的には、いますぐドライブレコーダーを使用したいといった要望も増えていくと思いますので、標準装着されたモデルも充実するのではないでしょうか。
実際に、カワサキの新型クルーザーモデル「エリミネーターSE」にはGPS対応ドライブレコーダーが標準搭載となりました。これがSNSを中心に大きな話題を呼んだことから、非常に多くのライダーから注目されていることがわかります。]
ドライブレコーダーは前後カメラ+GPS搭載が主流に
人気があるのは前後2カメラ搭載+位置情報も記録できるGPS搭載モデルです。
もしもの事故に備えて映像を記録する用途が基本ではありますが、ツーリングや旅の思い出を記録し、楽しむために利用される方も増えているようです。実際にSNSや動画投稿サイトでも、弊社ドライブレコーダーで撮影された動画が投稿されることも多く見受けられます。
GPS搭載モデルの登場によって、走行ルートや位置情報、時間も記録することが可能となりました。さらに、前後同時に記録されることで、事故・トラブル発生時の証拠やツーリングのルートなどを記録するエンターテイメントとしても大いに役立っており、両面での有用性が高まったことも利用者増加の一因と言えます。
なお、ミツバサンコーワから発売されているGPS搭載のドライブレコーダーは「EDR-21Gα(税込希望小売価格44,880円)」と「EDR-22G(税込希望小売価格58,080円)」の2機種あります。
アクションカメラとの違いは?
最後にドライブレコーダーとアクションカメラの違いについて聞いてみました。
ドライブレコーダーはアクションカメラと比べて、前方だけでなく前後同時録画ができるという点で優れています。また、充電式ではないので電池切れの心配もありません。そのため、ロングツーリングでも安心してご利用いただけます。
さらに、車体に装着されていますので、ドライブレコーダー本来の主旨である実際の事故証拠として用いることができます。実例を挙げると、以前、バイクとトラックの接触事故があり、当初バイク側に過失があるとされた事案がありました。しかしその後、ドライブレコーダーの映像が証拠となって過失割合が逆転(バイク側の過失がゼロ)となり、係争の解決につながったとの声もいただいています。
それぞれのユーザーが自由な発想で利活用方法を工夫するのが今の時代。テクノロジーの進歩、安全意識の高まり、そして楽しいバイクの世界を広げる可能性を秘めたドライブレコーダーの活用は、バイクライフの一部としてますます重要性を増していくでしょう。
もしもの時の自助・共助として、そして旅の思い出作りとして、バイク用ドライブレコーダーの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
難しくて面倒な操作ほど、人間の脳は活性化する 2009年に発表された「二輪乗車と脳の活性化の関係」という研究を覚えていらっしゃる方も多いだろう。脳トレのゲームソフト監修などで知名度の高かった東北大学・[…]
バイク購入者の平均年齢も少し若返り傾向がみられる昨今、キャンプや釣りなどといった他の趣味と掛け合わせた楽しみ方も一因となり、新規ユーザーは着実に増え続けています。 また、ウィズコロナ時代の新たな趣味と[…]
もはや日本のほとんどのクルマに搭載されているエアバッグ。 歴史をたどるとクルマにエアバッグが搭載され始めたのは1980年代後半あたりから。そしてバイク用エアバッグの開発も意外と早く、そのわずか数年後か[…]
回転禁止 折り返し禁止 フレーム禁止 カバー禁止 左右の取り付け角度 上下の取り付け角度 ボルトカバーのサイズも明確化 今回の新基準で誤解してはいけないのは、単純に締め付けが厳しくなったというわけでは[…]
バイクに乗る際、事故や転倒はもちろん、相手を怪我させてしまった場合など、万が一の事態に対する備えとして任意保険加入の必要性が非常に高いことはみなさんご存知のことでしょう。 2020年3月時点で、国内に[…]
最新の関連記事(ドライブレコーダー)
メンテナンス捗るスタンド類 ちょいメンテがラクラクに:イージーリフトアップスタンド 2890円~ サイドスタンドと併用することで、リアホイールを持ち上げることができる簡易スタンド。ホイールの清掃やチェ[…]
マルチスマートモニターYUMIでバイクライフが激変! 待ちに待った開梱! 同梱物のチェック! まずは、中身の確認! シエルのマルチスマートモニターには2モデルあり、ドライブレコーダー、空気圧センサーが[…]
ヘルメットに取り付けるアクションカム型のドライブレコーダー 今回発表となった『MiVue MP30GPS』は、本体の前後に2Kカメラを搭載したヘルメット装着型のドライブレコーダー。近年のアクションカム[…]
愛車のCBR205RRにドライブレコーダー YUMIを取付けました! CIEL-シエル- ドライブレコーダーYUMI GPS【日本企業総監修 国内専用モデル】 前後2眼、200万画素&nbs[…]
ETCのない生活はもう考えられない!? フルカスタムを施したとしても、使用用途の大半はツーリングになるだろうと考える。そこで編集部所有のウィズハーレー号の最初のカスタムは、ツーリングが楽に安全になるた[…]
最新の関連記事(エリミネーターシリーズ)
様々な使い方や乗り方に応える懐の深さが魅力 2024年上半期、400ccクラスの販売台数でGB350をしのぎトップに躍り出たのがエリミネーターだ。それどころか、大型バイクを含めた車検付クラスでもZ90[…]
基本構成は日本仕様のエリミネーター/SEと変わらないが、排気量は異なる カワサキは北米でエリミネーター/SEの2025年モデルを発表した。すでに日本仕様でもファントムブルーおよびブラックのSEとカーキ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
様々な使い方や乗り方に応える懐の深さが魅力 2024年上半期、400ccクラスの販売台数でGB350をしのぎトップに躍り出たのがエリミネーターだ。それどころか、大型バイクを含めた車検付クラスでもZ90[…]
Honda & MAAN Motocicli Audaci presentano il “SuperCub 125X” 生産モデルから大幅に逸脱しない設計……だけど雰囲気は一変! 日本でも好評[…]
深みのあるブルーにゴールドのラインとロゴ ヤマハはタイで、日本でいう軽二輪クラス(126~250cc)にあたるネオクラシックネイキッド「XSR155」に新色のダークネイビーブルーを追加発表。従来のマッ[…]
【ドライバー:谷田貝洋暁】本誌ハンターカブ実験担当として渡河性能実験に続き、今回のサイドカーでの高速道路走行実験にも抜擢されたフリーライター。無理/無茶/無謀の3ない運動の旗手。 【パッセンジャー:難[…]
ひと昔のバイクは一年中暖機運転が必須でした 昔のバイク…と行かないまでも、1990年代末ぐらいまでのバイクは、一年中エンジンの暖気が必要不可欠でした。とくに2サイクルエンジン車は、冬はなかなかエンジン[…]
最新の投稿記事(全体)
トルクアップし、ノーマルより乗りやすい心地に変化 KawasakiのZ650RS(2024-2025)モデルに適合する政府認証フルエキゾーストマフラーが遂に発売開始!2023年モデルから仕様変更があっ[…]
ZX-25Rターボの250km/hチャレンジに続くZX-4Rターボ トリックスターが製作したZX-4Rターボは、2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初披露された。すでにZX-25Rのターボ化[…]
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
PG‐1の国内導入がオフロードのヤマハを復活させる!? 国内の原付二種市場は、スーパーカブやモンキーなどのギヤ付きクラスはもちろん、PCXなどのスクーターを含めて長らくホンダの独壇場となっている。そん[…]
クラッチレバー不要でギヤチェンジできる自動遠心クラッチ 今から65年前にの1958年に誕生したスーパーカブC100は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏と専務の藤澤武夫氏が先頭に立って、欧州への視察などを通じ[…]
- 1
- 2