
トライアンフモーターサイクルズジャパンは、タイガー1200が2021年11月より搭載しているSHOWA製セミアクティブサスペンションをさらに発展させ、最新の「アクティブ プリロード リダクション機能」を実装したと発表した。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:トライアンフ
低い速度でリヤサスペンションを柔らかくし、停止時はシート高が20mm下がる!
SHOWAが電子制御サスペンション「EERA」の付随機能として「ハイトフレックス」機能を開発していたのを覚えている方はいるだろうか。のちにハーレーダビッドソンのパンアメリカ スペシャルに「アダプティブライドハイト」として実装もされ、停止時にシート高を下げてくれる機能として認知されている。
トライアンフモーターサイクルズジャパンが発表したタイガー1200への実装については、さらに付加機能があるようだ。それは速度が65km/h以下になるとプリロードを弱めてリヤサスペンションを沈みやすくしてくれるというもので、さらに停車時にはシート高が最大で20mm下がるというもの。リヤの反発力がそれほど大きくなくてもいい速度域でリヤの動的車高を下げ、そこから停車に至る際には急激なシート高の変化を減らしつつ自然に足着きをよくしてくれることが期待できる。
また、65km/h以下で走行中に手元ボタンの操作で機能のオン/オフも可能だという、より違和感なく電子制御デバイスを介在させようという開発意図が見て取れる。
面白いのは、これから新車を買うユーザーだけでなく、すでにSHOWA製セミアクティブサスペンション搭載の新型タイガー1200のオーナーとなっている場合でも、整備点検の際にアップデートを受けることで機能が提供されるということ。手元スイッチでオン/オフできることだし、これを追加装備しない手はない!
トライアンフのCPO(チーフプロダクトオフィサー)であるスティーブ・サージェント氏は下記のように語っている。
「新型Tiger 1200シリーズは既に世界的な成功を収めており、この競争の激しい市場でも新しいファンを獲得し、Triumphのシェアを伸ばし続けています。新しいこの機能は65km/h以下であれば走行しながらでもオン/オフができ、低速走行時に重心を下げることでライダーに扱いやすさと安心感を与え、停車や制動時の接地性も向上します」
タイガー1200ファミリー、それぞれのシート高の変化
| Tiger 1200 GTファミリー | Tiger 1200 Rallyファミリー | |
| ローシート +アクティブ プリロード リダクション | 810/830mm *最大値 | 835/855mm *最大値 |
| ローシート | 830/850mm | 855/875mm |
| ノーマルシート +アクティブ プリロード リダクション | 830/850mm *最大値 | 855/875mm *最大値 |
| ノーマルシート | 850/870mm | 875/895mm |
TIGER 1200 GT PRO / TIGER 1200 RALLY PRO
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
SHOWAのイーラ・ハイトフレックス(EERA HEIGHTFLEX)は、足つきに悩むライダーの救世主になりそうな新型の電子制御サスペンションだ。必要なときには車高を下げて足つき性をよくし、足をつく必[…]
【テスター:小川勤】WEBヤングマシンの姉妹サイト『ミリオーレ』のディレクター。数々のバイク誌の編集長を経験し、フリーランスに。最近はアドベンチャーに目覚めつつある。 '22 トライアンフ タイガー1[…]
ハーレーダビッドソン パンアメリカ1250/スペシャル 上級仕様のスペシャルは、電子制御サスペンション(シート高自動調整機能ARH付き)/コーナリングランプ/タイヤ空気圧モニター/センタースタンドなど[…]
'21 カワサキ ヴェルシス1000SE [◯] 少なめのピッチングにスカイフックを感じる Z H2 SEに続き、ヴェルシス1000SEにも電子制御サスペンションにショーワのスカイフックEERAテクノ[…]
赤いシートフレームがより目立つ? ロゴあしらいも大胆に ホンダは欧州でアフリカツイン/アフリカツイン アドベンチャースポーツにニューカラーを設定するとともに細部への変更を加え、2022年モデルとして発[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
進化した単気筒TRエンジンは5%パワーアップの42psを発揮! トライアンフは、2026年モデルとして400シリーズの最新作×2を発表した。すでにインドで先行発表されていたカフェレーサースタイルの「ス[…]
ベースはスピード400、コンセプトは伝説の継承 バイパー400は、モダンクラシックロードスターであるスピード400の技術的基盤を出発点としつつ、新しくダイナミックでアグレッシブな方向性で再構築したとい[…]
「箱付き」だけじゃない! 旅仕様の全部入りパッケージ まず目を引くのは、その名の通りツーリングに特化した装備群。なんと、車体色に合わせたパニアケースと、トップボックスが最初から標準装備されているのだ。[…]
Moto2で鍛え抜かれた765ccトリプルエンジン このほど登場したトライアンフのミドル3気筒の新ラインナップは、パフォーマンス、独自性、そしてサーキット志向の走行性能をこれまで以上に引き上げ、公道で[…]
アルプスと砂漠、過酷なフィールドをテーマにした2つの個性 タイガーファミリーは、トライアンフのアドベンチャー性能を純粋に表現するモデルだ。俊敏なミドルクラスの900から威風堂々としたリッター超クラスの[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
排気量に見合った絶妙なシャーシがオフロードで効く!! オフロードバイクのYZF-R1の触れ込みで登場したWR250R、そして長年オフロードバイクのエントリーモデルとして愛されてきたセロー250…がカタ[…]
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
タフネスと優しさを両立した水冷エンジン「シェルパ450」 インド北部にそびえるヒマラヤ山脈は、ロイヤルエンフィールドにとって、ひいてはインド人にとって、いつでも憧れの旅路だ。そんな憧憬が表れているモデ[…]
ターンバイターンのナビゲーションも標準搭載! スズキはインドで、ジクサー250と共通の油冷単気筒エンジンを搭載するスポーツアドベンチャーモデル「VストロームSX」の2026年モデルを発表。4つのカラー[…]
航続距離はなんと362km! ヤマハは、2025春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。従来型のWR155R(海外モデ[…]
人気記事ランキング(全体)
3Mシンサレート採用の4層構造で冬走行の冷えを軽減する 本商品は、防風ポリエステル生地/3Mシンサレート中綿/裏起毛の4層構造で手全体を効率よく保温する設計。一般的なポリエステル綿と比べて中綿が軽く、[…]
バイク整備は、だいたい汚れとの戦いから始まる バイク整備をしていて、より深く分解していくと避けて通れないのがグリスやオイルの汚れです。今回の場合は古いモンキーのフロントフォーク。オイルは入っていない代[…]
4気筒CBR250との棲み分けでさらに長期モデル化の一途へ! ホンダが1982年5月にリリースしたVT250Fは、パワフルな2スト勢に対抗できる唯一の存在として瞬く間に10万台を突破するベストセラーと[…]
16か所発熱で走行中の冷えポイントを広くカバーする 冬の走行時にとくに冷えやすいのが、肩/背中/腹部などの体幹部である。本モデルは16か所にヒーターを内蔵しており、一般的な電熱ベストより発熱面積が広い[…]
16日間で211万着の「メディヒール」が物量攻勢で復活 ワークマンが展開するPBリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」シリーズが、いま爆発的なヒットを記録している。2026年、秋冬商戦に[…]
最新の投稿記事(全体)
車体剛性を見極めるホンダ、V4を投入するヤマハ ホンダは終盤にやや盛り返した感もあったが、依然不安定だ。それでもシャシーはだいぶよくなった。恐らく車体剛性のカンを押さえることができてきて、剛性を落とす[…]
来年10月から首都高料金が1割値上げか? 12月24日、首都高速道路公団は来年10月から料金を改定(値上げ)する案を発表しました。 これは、今年の10月に設置された「首都高の持続可能な道路サービスに関[…]
美しく静かな4秒間 1990年くらいから、撮影の場をWGP(現MotoGP)からF1にシフトし始めた。F1撮影歴が100戦を超えた、1999年F1イタリアGPの予選でのことだ。ジョーダン・無限ホンダの[…]
〈1988年8月〉SR400[3HT1]/500[3GW1]:負圧式キャブ採用 負圧式BSTキャブレターに変更して始動性や加速性を向上。カムシャフトも変更して、扱いやすさを高めた。エアボックスの容量ア[…]
GSX-Rで培ったフラッグシップでもライダーに優しい高次元ハンドリングを追求! 1999年にデビューしたスズキGSX1300R HAYABUSAは、いまも最新世代がカタログにラインアップされるロングラ[…]
- 1
- 2














































