ハーレーとしては、何もかもが初めて尽くしのチャレンジである。新開発エンジン/独自の車体構造/世界初の電子式車高調整機能、そして何より”大型アドベンチャー”という未知のカテゴリーへの参入…。なのに、なんだこの、初めてと思えないほどの完成度の高さは!! その全容について、まずはディテール解説からお届けしよう。
●文/写真:ヤングマシン編集部(青木タカオ) ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン
ハーレーダビッドソン パンアメリカ1250/スペシャル
上級仕様のスペシャルは、電子制御サスペンション(シート高自動調整機能ARH付き)/コーナリングランプ/タイヤ空気圧モニター/センタースタンドなどを標準装備するほか、スキッドガードも樹脂製→アルミ製にグレードアップ。ライドモードも任意設定できるカスタムモードが2つ追加される。また、スタンダードはキャストホイールが標準。7月初頭で約130台の受注が入ったが、9割以上がスペシャルという。
水冷60°Vツイン“レボリューションマックス”新開発
旧V-ROD系などと同様に60度のバンク角を持つが、完全な新設計。油圧ラッシュアジャスターや吸/排気の連続可変バルブタイミング機構といった特徴を持ち、ツインプラグやノッキングセンサーにより13:1という高圧縮比も実現。3つのオイルポンプによるドライサンプ機構や、鍛造ピストンに備えられたオイルジェットなどで冷却/潤滑能力も万全だ。
初挑戦・エンジンが車体を兼ねるフレームレス構造を採用
フレームはフロント/ミッド/テールの3セクションに分割され、エンジンも車体剛性を担う。リヤシリンダーの後ろ・車体中心に配置され、リヤショックをマウントするミッドフレームはアルミ製とし、高剛性を確保。フロントセクションやシートレールはスチール製だ。 ※写真は’19年発表のプロトタイプ
電子制御機能は最新レベル
ボッシュ製6軸IMUによるトラクションコントロールやコーナリングABSなど、電子制御はハーレー独自のセッティングが施され、「RDRSセーフティエンハンスメント」とネーミング。6.8インチTFTタッチスクリーンできめ細かく操作できる。
上位機種”スペシャル”の仕様/装備
停車時に車高が下がるアダプティブライドハイト(ARH)
リヤショックに油圧ジャッキを内蔵、走行中は加圧して高い車高を保ちつつ、停止直前に油圧を抜いて車高を下げ、足着き性を向上させる量産2輪初の機構。最大43mmもシート高が下がる。走り出せばサスのストロークでジャッキを加圧し、元の車高に戻る。
足まわり
装備
〈参考〉大型ADVは超激戦区
大排気量アドベンチャーは海外メーカーだけでも強敵揃い。ハーレーは最後発だが、初年度の国内販売目標は約800台を公言。これは王者GSにも匹敵する数字なのだ!
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