教習車も電動車も投入へ?! 野田一夫 ハーレーダビッドソン ジャパン 代表取締役社長に聞く【持続可能なバイクライフへの取り組み】

購入しやすい施策に加えて、より廉価なモデルも考えている

H-Dといえば、中高年ライダーが主体のようなイメージがあるが、持続可能性を高めるためには若年層の取り込みが必須だ。

「いま若いオーナーさんが増えていて、平均すると30代半ばくらいでしょうか。若い方が購入しやすいように、ハーフアップ・プランというローンもご用意しています。いまH-Dの中古車価格がすごく高いので、残価型のローンを組んでも、5年後にものすごく高く買取してもらえますから、実際に支払う金額は思った以上に少ないんです。

また、ちょっとディーラーさんに入りづらいと思っているお客さまには、積極的にお店に遊びに来てください、ハーレーグッズなども差し上げますよ、ご購入の相談もどんどんしてくださいとお誘いするようにしています」

HDJが推奨している、据え置き価格設定型ローンのハーフアップ・プランを利用すると、現金価格:237万3800円のナイトスター・スペシャル(ビビッド・ブラック)が、頭金0円、支払回数61回、第1回目支払金額:2万2381円、第2回目以降:2万700円、ボーナス時加算分割支払金:3万円で5年間(60カ月)乗ることができ、最終支払い回の61回目に据置支払金118万6900円を支払うか下取りに出すかが選択できる。現状では5年後の平均的下取り額は新車価格の半額程度というから、実質、通常ローンの半額程度でハーレーライフが始められる。

買いやすいローンがあるとはいえ、単価で200万円を超えるH-Dはやはり高価。もっと廉価なモデルは検討していないのだろうか。

「そこは考えないといけなくて、どういうものでやるのか、どのタイミングでやるかですね。いろいろな動きがありまして、ジョイントベンチャー的なことも始めています(編注:中国の銭江モーターと合弁会社を設立して、中国向けの排気量338cc500ccのモデルを製造・販売すると’21年に発表済み)。

そのあたりを見ながら、日本ではどうやるべきか、手を打っていきたいと思っています」

新規ユーザーと言えば、大型免許の教習車にH-Dが用意されていたことも、販売台数をアップする大きな要因にもなっていた。

「以前に作った『スポーツスター』や『ストリート750』の教習車をお使いになっている教習所さんから、代替の教習車を用意してほしいというお声もあって、現在、検討しています。H-Dに乗りたくて教習所に入るという方もたくさんいらっしゃるようなんです。遠くない将来、具体的なお話ができると思います」

新規ユーザーの獲得に加え、既存ユーザーの満足度向上も欠かせない。

「昨年、4年ぶりにブルー・スカイ・ヘブンを富士スピードウェイで開催しました。H-D本社は1万人規模のイベントを主催するなんてと、とても心配しましたが、お客さま、ディーラーさんにとても喜んでいただけました。

今後も、自分もH-Dの文化の一部分なんだと感じてもらえるようなイベントをやっていきたいです。

今年は120周年のお祭りも兼ねてブルー・スカイ・ヘブンを8月に開催する予定です」

2022年、4年ぶりに開催されたブルー・スカイ・ヘブン。何千台ものH-Dが富士スピードウェイに集合し、数々のアクティビティを楽しんだ。圧巻は、国際レーシングコースを埋め尽くすようだったパレードラン。まさにH-Dオーナーだけの特権だ。

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