ライブワイヤー社で電動化を加速、日本導入についても検討中
HDJのウェブサイトにある、H-D 120周年の記念ムービーの中で、『生まれつき私の身体には、ガソリンが流れている』というナレーションがあり、H-Dらしいなと強く思った。とはいえ、将来的にはH-DもCO₂削減に向けたアクションを取らざるを得ないはずだ。H-Dが開発した電動バイクの『ライブワイヤー』とライブワイヤー社はどういう役割を果たすのだろうか。
「ライブワイヤー社は、昨年の9月にニューヨーク証券取引所に上場しました。いまはアメリカだけで販売していますが、日本を含め他のマーケットも非常に重要なので、導入についてはしっかり検討させていただいています。ただ、いつ、どうやって、どのくらいのボリュームでということは、まだまだ確定していなくて、そういう点も含めて検討をしています。電動バイクはコストが高かったりしますから、昨今の為替の状況では大きく影響を受けることもあります。そのあたりの状況も見ながら、日本としてどう手を打つべきかを決めようと思います」
H-D社はライブワイヤーを分離・独立させたが、それと同様に、日本でもHDJではなく、ライブワイヤージャパンという会社が設立されて、そこが販売するということもあるのだろうか。
「結論から言うと、そういうことも踏まえて検討しているということですね。当然、物事はメリットがあればやるべきで、ライブワイヤージャパンという形で大量に販売できるのであればそれに応じた組織も必要になるでしょう。一方で、そうじゃなくて少量でプレミアム性の高いものとして販売するのであれば、そこまでする必要があるかということにもなります」
H-D自体のカーボンニュートラルに向けた動きはどうなるのか。
「ライブワイヤーを別会社にしたのは、電動化を積極的に進めていくため、スピードアップを図るためです。ですから、株式上場して資金を集めて開発を行っていこうという考えで、将来的にはライブワイヤー社の技術をH-D本体が取り込むことも考えていると思います」
創立120周年を迎えた伝統あるブランドは、V字回復した勢いをこのまま保ち、さらなる高みに到達するのだろうか。そして、電動バイクメーカーとして初めて株式上場を果たしたライブワイヤー社を起点とした、H-Dのカーボンニュートラルへの取組みはどのように進んでいくのか。H-DとHDJの動きから、しばらくは目の離せない状況が続きそうだ。
野田社長の提言
- 年間2万台販売が自分の使命
- 今年のブルスカは120周年祭りにする
- 販売形態を含めライブワイヤー導入を検討中
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
2023年は若年層に訴求、大型免許にかかわる施策も…… 1月26日、新型「ブレイクアウト」の発表会は、元K-1世界チャンピオンの魔裟斗さんもゲストで登場するなど華やかに開催された。その後、個別インタビ[…]
かつてのXR1200がフレンドリーなデザインとサイズ感に! ハーレーダビッドソンのブランニューモデルが海外に登場だ! このところ2輪市場が活気づいている中国において、ハーレーダビッドソンが1970年代[…]
昨年11月に二輪事業本部に電動開発部を新設した 昨年の9月13日、ホンダは「二輪事業の取組みについて~電動化を中心としたカーボンニュートラルの実現〜」という内容の記者会見を行った。その中身は、'40年[…]
’23年はEWCの王座奪回が目標、鈴鹿8耐は日本人ライダーを起用したい 昨年7月、数か月前から噂されていたモトGPからの撤退を表明したスズキだが、同時にFIM世界耐久選手権(以下EWC)へのワークス参[…]
高速料金問題は自民党PTの1丁目1番地。12年かかって一歩進んだと思います 2022年4月3日からスタートした“ETC二輪車定率割引”。土日祝日限定/事前に専用サイトで自分のETC機器を登録/片道10[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
さまざまなイベントを開催。オーナー同士の交流も盛んなディーラー ハーレーダビッドソン所沢では、定期的にツーリングやイベントを開催し、店舗ではさまざまなキャンペーンが行われている。たとえば2024年7月[…]
ハーレーダビッドソン高崎カスタム:走行イベントでレンタル&試乗ができるダート仕様 群馬県高崎市にある正規店・ハーレーダビッドソン高崎。X350やパンアメリカでの遊びの提案に力を入れており、X350のカ[…]
2002年、「Vロッド」誕生 2002年式から2017年式まで、ハーレーのラインナップに名を連ねたVロッドシリーズ。その系譜を辿るのも興味深い。現行モデルのパンアメリカ/スポーツスターS/ナイトスター[…]
R750スタイルでフレンドリーなサイズ感と価格を実現したX350に新色 1970年代初頭から40年以上にわたってフラットトラックレースで活躍してきた伝説のマシン XR750をオマージュした「X350」[…]
リジッドボバー1979ショベルヘッド:彫金&塗装! ゴージャスな装いをボバーで追求!! ヴィンテージカスタムハーレーを専門とする遠藤自動車のフラッグシップと言える代表的なフォルムだ。低く長い、[…]
人気記事ランキング(全体)
市販バージョンは750ccオーバー!? ホンダが世界に先駆けて量産直4マシン=CB750フォアを発売したのは’69年のこと。つまり、今年は直4CBの生誕30周年にあたるってわけ。そこで、提案モデルとい[…]
ステップアップの階段・R7の成功が生んだR9 YZF-R9の開発者・お二人にインタビュー 編集部:まずはYZF-R9(以下R9)の企画経緯や狙いを教えてください。 兎田:他社さんを含めてスーパースポー[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
ジクサー150でワインディング 高速道路を走れる軽二輪で、約38万円で買えて、燃費もいいというウワサのロードスポーツ──スズキ ジクサー150。 まだ子どもの教育費が残っている50代家族持ちには(まさ[…]
最新の投稿記事(全体)
みなさん始めまして!北海道札幌市在住のふーまと申します。バイクや車とそのオーナーさんを被写体にした、映像制作や写真撮影をしているチーム「Garagefilm」で活動をしております。 動画作品は、You[…]
様々なイベントで製品を伝えるサイン・ハウス サイン・ハウスは、様々なイベントに出向いてユーザー接点を多くとっている。最新モデルを直接体感してもらい、それぞれの特徴を的確にユーザーに伝える。活用方法や操[…]
YZF-R9の開発者・お二人にインタビュー スピンフォージドホイールを非採用の理由とは? (前編から続く)編集部:エンジンですが、内部部品や吸排気系も含め、基本的にはMT-09と共通です。YZF-R9[…]
1月25日(土)に東京都・埼玉県のバイク用品店3店舗にて開催! 2024年のロードレース世界選手権にて、Moto2クラスのチャンピオンを獲得した小椋 藍選手のサイン会が、2025年1月25日(土)に、[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]