
普段は短距離のコミューターとして、さらにはクルマに積載して目的地で活躍できる――東京MCショーで国内初披露され、話題を呼んだ電動バイクが「M-1」だ。原付免許で運転でき、年内には日本上陸するかも?
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:編集部 ●外部リンク:
50cc扱いの新作電動バイク、モバイル電源にもなる!
ハンドルやステップ、シートを車体に格納すると箱型になり、クルマに積載しやすくなる。まさにホンダ モトコンポのコンセプトを現代に復活させたマシンがFELOテクノロジーのM-1だ。
FELOテクノロジーは、電動バイクで争う世界選手権モトEに長期参戦し、2023年のTT ZEROクラス勝利を目指すなど、電動バイクが得意な中国メーカー。創業者はホンダのデザイン部門に勤務した後、独立し、2019年にFELOを創業した経緯がある。
東京モーターサイクルショーで日本初公開されたM-1は中国仕様で、現地でもまだ発売前とのこと。定格出力は0.4Kwのため、日本での免許区分は原付1種(50cc)扱いとなり、最高速は35km/h。5時間でフル充電でき、後続距離は40kmを確保している。
また、モバイルバッテリーとしても活用でき、キャンプ場では電源にもなる。なお日本仕様はバッテリー容量や充電方法、細部などが変更される可能性があるという。
電動バイクをリリースしているFELOが発表したM-1。東京MCショーのブースでは、キャンプなどアウトドアでの使用を想定していた。車体の「壱」は1の意。国内では約38万円で販売予定だ。
ヘッドライトはLED。道具を思わせるデザインが特色だ。さらにランプを追加できるスペースも用意されている。
ホイールインモーターを採用。スイングアームにはコントロールユニットが装着される。ホイールは前8インチ、リヤ7インチ。前後8インチのモトコンポよりリヤが小径だ。
スマートキーを採用しており、車体左側にメインスイッチを装備、オン、オフ、モバイルバッテリーの切り替えができる。日本仕様では変更の可能性があるという。
格納時は高さ60cm未満で積みやすいサイズ
ハンドルやステップはボディ内に格納でき、格納時の高さはわずか 583mm。全長は1160mm、車重は55kgあるが、クルマのトランクに積みやすいサイズ感だ。
フレームは、ボディと一体になったモノコック構造で、格納時のフタがハンドルマウントを兼ねる仕組み。オプションでライトやBluetoothスピーカーなどモジュールの追加を想定したスペースを用意し、カスタムする楽しみもありそうだ。
ハンドルマウントが格納時のフタを兼ねる。最上部のノブでフタとハンドルを固定可能だ。左側に小型の液晶メーター、両側にホーンのスイッチを設置。
ステップは後方向に可動し、車体に格納できる。
前後ドラムブレーキだったモトコンポに対し、M-1はフロントディスク、リヤドラムの組み合わせ。フロントキャリパーは自転車で有名なシマノ製。
写真左が格納状態。高さはわずか 583mmだ。フタを引き起こすとハンドルマウントになる。シートは一旦外し、裏返して装着する。
フレームはマグネシウムとアルミの一体型で、剛性とデザインを兼備した設計。車体には十分なモジュラー搭載スペースが確保され、Bluetoothスピーカーなどを追加できる。
ホンダのモトコンポは、1981年にデビューした原付コミューター。4輪のシティに積載するため、共同開発された。左が走行時、右が折りたたみ時。
8月頃に入荷時期などの詳細決定、続報を待つべし!
デザイン、マシンコンプトとも国内で発売されたら、人気を呼びそうなM-1。電動バイクだけに、積載の際、横倒ししてもガソリンが漏れる心配がないのはうれしい。
バイク用オイルや添加剤などの開発&製造販売を手掛ける「スピードマスター」社(東京都千代田区)が、FELOテクノロジーの日本総代理店を務める。価格は約38万円の予定。今年8月頃、デリバリー時期などの詳細を発表できるという。可能なら秋~年内の発売をお願いしたい。
跨らせてもらうと、身長177cmの筆者でも50cc時代のモンキーほど窮屈ではなく、ヒザの曲がりに余裕がある。もちろん車体は超コンパクトで、足着きはベッタリだ。
M-1主要諸元
全長×全幅×全高 | 1160×560×860mm |
軸間距離 | 800mm |
シート高 | 590mm |
車重 | 55kg |
定格出力 | 0.4Kw |
最高出力 | 1.3ps |
最大トルク | 4.6kg-m |
バッテリー | 48V/28Ah |
ブレーキ | F=ディスク、R=ドラム |
タイヤ | F=3.00-8 R=125/60-7 |
予価 | F=3.00-8 R=125/60-7 |
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