’80年代を通じて過熱し続けたレーサーレプリカブーム。このスペック至上主義の時代には、わずか1馬力の差がマシンの命運を分けることもままあった。本記事では、400Rからレプリカスタイルに転身し人気を集めたホンダ CBR400RRを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
低速モリモリ+高速ギンギン=無敵〈ホンダ CBR400RR〉
ʼ86年、ホンダ400初の水冷直4を積んだCBR400Rがデビューした。空冷+鉄フレームのCBR400Fから一足飛びの進化を果たしたが、ツアラー然とした外観から多くの支持を得るには至らなかった。そこで、流行のレーサーレプリカスタイルを含め、大幅な手直しを受けて’88年1月に投入されたのがRRだ。
35度前傾のエンジンをはじめ、カムシャフトを歯車で駆動することで高回転&高出力を実現する最新のカムギアトレーンは400Rから継続。さらにシリンダーヘッドを新設計とし、新型のキャブや軽量なアルミ製マフラーを組み合わせ、吸排気効率を高めた。これによって低中速域でのレスポンスが増強され、2ストを思わせる俊敏な吹け上がりを実現。本来の高回転パワーと合わせ、圧倒的な動力性能を示した。
目の字断面構造のアルミ製ツインチューブフレームも前作同様だが、よりスリム化が図られ、トライアームと呼ばれるボックス型スイングアームや前後ラジアルタイヤも備えた。
サーキットでも活躍し、デビュー年の’88年にいきなり鈴鹿4耐を制覇。’90年型では低重心設計のLCGフレームと湾曲型のガルアームに一新。ダイレクトエアインテークや前後17インチも採用し、扱いやすさを増した。その後、レプリカとしては珍しく、’00年まで販売されるロングセラーとなった。
’86 CBR400R:おとなしすぎたかフルカバードエアロ
ホンダ CBR400RRの系譜
’88 ホンダ CBR400RR:鮮烈デビュー
’90 ホンダ CBR400RR:フルチェンLCG
’93 ホンダ CBR400RR:53psに
’89 ホンダ CB-1:強心臓のNK誕生
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