
’75年、自動二輪免許は小/中/大の3区分となった。大型免許が教習所で取得できない当時は、多くのライダーはいわゆる中免。彼らにとって最上位クラスにあたる「400」は性能も装備も向上を続けていく。本記事では、’80年代初頭に各メーカーがしのぎを削った400ccクラスのうち、ヤマハのXJ400/Dを紹介する。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 45馬力を快適サスペンションが支える【ヤマハ XJ400/D】
- 2 ヤマハ XJ400/Dの系譜
- 3 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 4 「初の4気筒! 」ヤマハの歴史を変えたミドルマルチ:1980ヤマハXJ400【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 5 「市販車初の集合マフラー」カフェレーサーの金字塔:1974ホンダCB400フォア【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 6 「そしてZX-10へ」カワサキ流最速&快適マシンの原点:1986カワサキGPZ1000RX【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 7 「油冷による軽量革命」1980年代レプリカブームの決定打:1986スズキGSX-R1100【あの素晴らしい名車をもう一度】
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45馬力を快適サスペンションが支える【ヤマハ XJ400/D】
カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、’80年6月に発売されたXJ400は、やはり空冷2バルブDOHCエンジンを搭載していた。バーハンドルで2本リヤショック、フロント19インチで車格も大柄…と、FXとの共通点は多かったが、これは当時最良と思われるスペックを集めた結果である。
しかしヤマハは、エンジン幅をコンパクトに抑えるために背面ジェネレーターを採用。さらにFXを2馬力凌ぐ45馬力の最高出力も叩き出したのだ。また、FXの硬質なフィーリングとは異なり、XJには滑らかに吹け上がる特性が与えられていた。
剛のカワサキに対し、柔のヤマハ。サスペンションも乗り心地が良く、それでいて鈍重さを感じさせない、スポーティなセッティングだった。柔和でりりしい、燃料タンクのデザインにもそれが表れていようか。ヤマハが国内に初投入した4気筒は、かくして好調な滑り出しを見せた。
翌’81年になると、フロントブレーキのディスクにスリットが入り、燃焼効率向上システム=YICSが採用されるなどのマイナーチェンジを実施。さらに4本マフラーに黒エンジン、エアサス併用式フロントフォーク、燃料計などを装備したデラックス仕様の400Dや、アメリカンタイプのスペシャルも追加。ラインナップがさらに充実した。
【’80 YAMAHA XJ400/D】■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 398cc 45ps/10000rpm 3.5kg-m/8000rpm ■180kg ■タイヤF=3.00-19 R=110/90-18 ●価格:41万円
カワサキZ400FXのシングルに対し、XJはフロントダブルディスクブレーキを装備。高低ダブルホーンも豪華さを感じさせる。
φ35mmフロントフォークは左右を750cc並みのピッチで連結。高荷重な走りにもしっかりと応えた。
XJ400Dはクリフカットと呼ばれる、クラス唯一の4本出しマフラーを採用。リヤサスペンションも調整式となる。
速度計の上に電圧計、タコメーターの上に燃料計を配置。夜間はオレンジの透過光式照明がきれいだった。
ヤマハ XJ400/Dの系譜
’80 ヤマハ XJ400
初期型は2本出しマフラーにシルバーエンジンでスタート。赤、黒、銀の3色。
’81 ヤマハ XJ400
燃焼効率を向上させるYICSを備え、ブレーキディスクにスリットが設けられた。
’81 ヤマハ XJ400D
4本マフラーのDを追加。燃料計も備える。色は黒やYSP仕様を合わせ計4色。
’82 ヤマハ XJ400D YSP仕様
YSP仕様販売店特別バージョンのYSP仕様は白×赤を用意。色以外は標準仕様に準じる。
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