ダックスをもっとも強く特徴づけるパーツといえば、間違いなくT字型のフレームだろう。往年のダックスのイメージを受け継ぐため完全新規生産されたモノコックフレームは、丸みを帯びたカーブから溶接痕にいたるまで伝統工芸品のような仕上がり。その魅力を全方位から見つめてみたい! というわけで、さまざまな角度から激写しました。
●文:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:真弓悟史/編集部 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ 新型ダックス125 フレーム:現代の最新設計で懐かしい味を再現
ダックスならではのアイテムとして現代に復活したプレス鋼板によるT字型のモノコックフレーム。生産性ではパイプフレームに置き換わってしまい、もはや「過去のもの」と思われていた製法をわざわざ蘇らせたのは、暖かみがあるダックス独自の世界観に、それが欠かせない要素であるからだ。
まるで伝統工芸品のような仕上がりを見せる新型ダックスの鋼板プレスフレームは、懐かしい外観とは裏腹に、その設計手法は極めて新しい。一つのCADデータをフレーム設計とデザイン双方の担当者が常時共有することで一元化して開発を進めたのだという。
その上で、2人乗りや125ccに求められる強度剛性となるよう、メイン部材となる鋼板には1.6mmの厚さを選定(部位により板厚は異なる)。張り合わせ構造についても、旧ダックスの2ピースから3ピースへ変えるなど完全新規としてイチから開発。その造形美を余すことなく伝えるためにワイヤーやハーネス類が目立たないよう最新の注意が払われている。ダウンフェンダーとしたのもフレームを綺麗に見せたいという思いからだ。
さらには現代における環境&安全基準をも満たすために、各種補機類を収めるフレーム内部レイアウトも完全に見直し。その過程においてはマスの集中化といったセオリーどおりの作業はもちろんのこと、フューエルタンクのマウントラバーにフレームの内側から一定のテンションをかける役割を持たせ、鋼板フレーム特有の音鳴りを抑える効果を狙うといった工夫も取り入れられた。
こうして誕生したダックス125のプレスフレームのネック部分には塗装された後に旧ダックス譲りの“首輪”グラフィックが与えられ、さらには昔はなかったクラシックウイングマークの立体エンブレムも燦然と輝く。まさに過去と現代が時を越えてひとつになった新しい姿と言えるのだ。
ホンダ 新型ダックス125:鋼板フレーム解説
ホンダ 新型ダックス125:鋼板フレームギャラリー
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