都立の大規模複合施設・東京国際フォーラムにバイク駐輪場が新設【四輪スペースの二輪転用にはずみも】

去る7月1日、東京都の大規模複合施設である東京国際フォーラムでバイク駐輪場の利用が開始された。現地を取材してきたのでレポートしよう。


●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)

東京国際フォーラムのバイク駐輪場は、地下3階駐車場の一画に作られた。元々は3台分の四輪用スペースだった場所をバイク10台分のスペースに転用した形だ。現地を訪れたのは7月中旬の月曜日だったが、午前中ですでに5台分が埋まっている人気ぶり。利用料金は60分100円。

こうした転用については、二輪業界団体も以前から推し進めているが、転用にも既知の問題がある。転用スペースの場合は四輪用に設計された入出庫/料金精算のシステムがバイクに対応できていないことが多いのだ。ゲートの開閉がバイクに反応しない場合が多く、たいていの場合は管理人を呼んでから手動で発券とゲート開閉を行い、出庫の際も管理人に対応してもらうといった形だ。定期利用ならばともかく、時間貸しだとその手間はかなりのものとなる。

東京国際フォーラムでも、駐車場入口のゲートバーはバイクを感知できないので、遠隔による手動操作となる。駐輪場にバイクを停めたら、警備員から入庫時間や利用案内が書かれた紙を受け取って入庫は完了。出庫時には料金所で管理人にその紙を見せ、利用時間分の料金を支払う仕組みだ。なお、この紙は、スロープの降り口で受け取る場合もあるとのこと。

料金の支払いは、現金の他にもスイカやパスモといった交通系ICカード、さらにはクレジットカードにも対応しており、キャッシュレス派でも安心して利用できるシステムだ。料金精算機も含めたバイクへの対応は、利用者の実態や状況を見つつ、今後の検討となるだろう。

バイク1台分の駐輪スペースは一般的なサイズであり、特殊な車体構造でないかぎり、大型バイクでも心配はないだろう。この手の地下駐車場としては照明もとても明るく、床材には防滑/耐油/耐水性のある特殊な塗料が使われている。なお、地下駐車場に降りていく際、スロープに注意ということで声がけをされた。急勾配の坂道でよく使われるオーリングが配置されたコンクリート舗装だったが、道幅がとても広く、個人的にはまったく不安のないレベルだと感じた次第だ。

都知事の記者会見によると、今後も都立の施設においてバイク駐輪場の設置が続くようだ。以前にも紹介したように、東京都都市整備局は公有地を積極的に駐車スペースとして活用する方針を示している。我々としては、東京国際フォーラムのように、バイクへの対応を済ませた駐車場を積極的に活用することで、他の都立施設への展開や民間駐車場への広がりを積極的に促したいところだ。転用の認知が高まれば、民間事業者による時間貸し駐車場などでも同様の取り組みが増えていくだろう。

東京国際フォーラムの外観。近代的な建築で美しい。有楽町のほか丸の内や銀座へも歩いてすぐの好立地だ。©TOKYOINTERNATIONALFORUMCO.,LTD.

地下駐車場へはスロープを下っていく。エンジンブレーキを使って安全運転で。

バイク駐輪場は出口のすぐ横に位置する9番エリアにある。エリアに入ってすぐ左側だ。

入庫時に渡される利用案内。入庫時間や出庫手順が書いてあるので、なくさないように。

バイク駐輪場は地下3階。60分100円なので、ちょっとした用事でも気軽に停められそうだ。

支払いは料金所で管理人に対応してもらう必要がある。キャッシュレスにも対応している。


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