‘70s国産名車・ホンダ CB400FOUR 完調メンテナンス【識者インタビュー:絶妙のサイズ感と軽快なフィーリング】

今も絶大な人気を誇る’80年代の名車たち。個性の塊であるその走りを末長く楽しむには、何に注意しどんな整備を行えばよいのだろうか? その1台を知り尽くす専門家から奥義を授かる本連載、今回は「ホンダ CB400FOUR」について、バイクショップ・アゲインの創業者、松永直人さんに話を伺った。


●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:富樫秀明 ●取材協力:アゲイン

【アゲイン:松永直人氏】’67年生まれで現在55歳の松永氏は、バイクショップでの修行を経て、23歳のときにアゲインを創業。当初はメーカーや排気量を問わず、さまざまな車両を扱っていたものの、’90年代後半からはCB400フォアを主軸に据えるようになった。

乗り手に応じた整備とカスタムのプランを準備【CB400FOUR アゲイン】

16歳からミニバイクレースを始めた松永さんにとって、若き日の興味の対象はレーサーレプリカで、旧車にはあまり感心がなかったと言う。とはいえ、自身のショップを創業した’90年前後は、旧車カスタムが注目を集め始めた時代で、同店には多種多様な’70~’80年代車が入庫。その中の1台として、CB400フォアに出会ったそうだ。

「当時は何でもかんでも太いタイヤという時代で、僕が初めて体験したヨンフォアもそういう改造車でしたから、いきなりピンと来たわけではないです。でもあるとき、ノーマルに近い車両を試乗したら、あ、このサイズ感と軽快なフィーリングはすごくいいなと。その印象が契機になって、以後はヨンフォアに力を入れるようになりました」

取材時の同店に入庫していたヨンフォアは、ほとんどが何らかのカスタムが行われていた。ノーマルにこだわる人は、あまり多くないのだろうか。

「ウチのお客さんの場合はそうですが、いつでもノーマルに戻せるように、純正パーツを保管している人は大勢います。なおカスタムに関しては、ライディングポジション関連/マフラー/リアショック/点火系などから始めるのが定番ですね」

現役時代のCB400フォアは、海外では動力性能がいまひとつ…と言われることが多かったようだが、現代の日本の道路を走るうえで、物足りなさを感じることはないのだろうか。

「そのあたりは乗り手の感性によりけりで、例えば現代のCB400SFと比較すれば、いろいろな意味で物足りないのは事実ですが、動力性能はノーマルで十分と言うオーナーさんは少なくありません。ただし、パワーや制動力の向上を希望するお客さんには、排気量を455~510ccに拡大するボアアップキットや、フロントブレーキの強化キットをオススメしています」

同店を訪れるCB400フォアオーナーに対して、松永さんが話す機会が多いのはオイル管理の重要性だ。

「逆に言うなら、このバイクの注意点と言うべき要素はそれくらいなんです。交換サイクルは半年か2000km以内で、ルックス的にOKなら、オイルクーラーと油温計を装着したほうがいいでしょう。’70年代と現在では道路事情がまったく異なりますから、エンジンオイルにはできるだけ気を使って欲しいです。もっともそれは好調な車両の話で、整備履歴が不明な車両の場合は、オイル管理以前に、要修理という部分がたくさんあるのが通例です」

旧車専門店の中には、他店やネットオークションで購入した車両はお断り、というケースがあるものの、アゲインではそういった区別は行わないそうだ。

「車両購入の経緯はさておき、せっかくヨンフォアを購入したなら、本来の資質を味わって欲しいですからね。ウチに新規のヨンフォアオーナーが来店した場合は、まず各部の点検で問題点の洗い出しを行って、完調に至るまでの費用を概算し、オーナーさんと相談したうえで、作業の優先順位を決定します。ウチで準備している整備済みの中古車を購入すれば、そういった手間は省けるのですが、とりあえず走れるレベルから、徐々に好調を取り戻していく作業は、それはそれで楽しいと思いますよ」

【足まわりを中心とした改革で運動性能が大幅に向上】アゲインがカスタムを行ったCB400フォア。前後ホイールはハヤシキャストで、フロントブレーキはホンダ純正φ298mmディスク+ブレンボ、リヤショックはアイコンを選択する。キャブレターはFCR28で、熊手タイプのマフラーはヨシムラレプリカ。オイルクーラーキットとシートは同店製。

CB400FOUR専門ショップ アゲインのおすすめ年式

ここ最近の中古車市場で、最も高値で取り引きされているCB400フォアは、日本のみで販売された398cc仕様。その背景には、大型2輪免許が不要という事情があるのかと思いきや、必ずしもそうではないようだ。

「398cc仕様が高い理由は、希少性です。シリンダーの数字と車検証に記された昭和の文字が、マニアの間ではステイタスになっているようですが、これからCB400フォアを乗ろうという方は、そこにこだわる必要はないと思いますよ。408cc仕様と比べて、乗り味に秀でたところがあるわけではないですから。なおカワサキZも傾向は同様で、日本仕様の750ccのほうが高額ですが、CB400フォアとは異なり、750ccのほうが楽しいと言う人がいるようですね」

【’76~ CB400FOUR-II】’76年型のサイドカバーはブラック。燃料タンクはブルーが廃止され、新たにイエローを設定。なお従来型ではスイングアームに溶接されていたタンデムステップは、フレームマウント式に変更。

【’76~ CB400FOUR-I】’76年に販売された398cc仕様には2種類が存在。と言ってもIとIIの違いはハンドルのみで、その他の諸元は共通。既存の408ccに対して、最高出力/最大トルクは-1ps/-0.1kg-mとなる、36ps/3.1kg-m。

【取材協力:アゲイン】’90年から活動を開始したアゲインは、中古車販売やメンテナンス、レストア、カスタムだけではなく、多種多様なリプロ/オリジナルパーツの開発も手がける、CB400フォア専門店。レース参戦にも積極的で、筑波サーキットで開催されるT.O.T.では、同店がチューニングを手がけたCBフォアが何度も優勝を飾っている。 ■大阪府大阪狭山市東野中3-324-3 ●電話番号:072-368-3544


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