第50回『マシン・オブ・ザ・イヤー2022』 &『 マシン・オブ・ザ・50イヤーズ』人気投票受付スタート

‘70s国産名車・ホンダ CB400FOUR 完調メンテナンス【識者インタビュー:絶妙のサイズ感と軽快なフィーリング】

今も絶大な人気を誇る’80年代の名車たち。個性の塊であるその走りを末長く楽しむには、何に注意しどんな整備を行えばよいのだろうか? その1台を知り尽くす専門家から奥義を授かる本連載、今回は「ホンダ CB400FOUR」について、バイクショップ・アゲインの創業者、松永直人さんに話を伺った。


●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:富樫秀明 ●取材協力:アゲイン

アゲイン:松永直人氏

【アゲイン:松永直人氏】’67年生まれで現在55歳の松永氏は、バイクショップでの修行を経て、23歳のときにアゲインを創業。当初はメーカーや排気量を問わず、さまざまな車両を扱っていたものの、’90年代後半からはCB400フォアを主軸に据えるようになった。 [写真タップで拡大]

乗り手に応じた整備とカスタムのプランを準備【CB400FOUR アゲイン】

16歳からミニバイクレースを始めた松永さんにとって、若き日の興味の対象はレーサーレプリカで、旧車にはあまり感心がなかったと言う。とはいえ、自身のショップを創業した’90年前後は、旧車カスタムが注目を集め始めた時代で、同店には多種多様な’70~’80年代車が入庫。その中の1台として、CB400フォアに出会ったそうだ。

「当時は何でもかんでも太いタイヤという時代で、僕が初めて体験したヨンフォアもそういう改造車でしたから、いきなりピンと来たわけではないです。でもあるとき、ノーマルに近い車両を試乗したら、あ、このサイズ感と軽快なフィーリングはすごくいいなと。その印象が契機になって、以後はヨンフォアに力を入れるようになりました」

取材時の同店に入庫していたヨンフォアは、ほとんどが何らかのカスタムが行われていた。ノーマルにこだわる人は、あまり多くないのだろうか。

「ウチのお客さんの場合はそうですが、いつでもノーマルに戻せるように、純正パーツを保管している人は大勢います。なおカスタムに関しては、ライディングポジション関連/マフラー/リアショック/点火系などから始めるのが定番ですね」

現役時代のCB400フォアは、海外では動力性能がいまひとつ…と言われることが多かったようだが、現代の日本の道路を走るうえで、物足りなさを感じることはないのだろうか。

「そのあたりは乗り手の感性によりけりで、例えば現代のCB400SFと比較すれば、いろいろな意味で物足りないのは事実ですが、動力性能はノーマルで十分と言うオーナーさんは少なくありません。ただし、パワーや制動力の向上を希望するお客さんには、排気量を455~510ccに拡大するボアアップキットや、フロントブレーキの強化キットをオススメしています」

同店を訪れるCB400フォアオーナーに対して、松永さんが話す機会が多いのはオイル管理の重要性だ。

「逆に言うなら、このバイクの注意点と言うべき要素はそれくらいなんです。交換サイクルは半年か2000km以内で、ルックス的にOKなら、オイルクーラーと油温計を装着したほうがいいでしょう。’70年代と現在では道路事情がまったく異なりますから、エンジンオイルにはできるだけ気を使って欲しいです。もっともそれは好調な車両の話で、整備履歴が不明な車両の場合は、オイル管理以前に、要修理という部分がたくさんあるのが通例です」

旧車専門店の中には、他店やネットオークションで購入した車両はお断り、というケースがあるものの、アゲインではそういった区別は行わないそうだ。

「車両購入の経緯はさておき、せっかくヨンフォアを購入したなら、本来の資質を味わって欲しいですからね。ウチに新規のヨンフォアオーナーが来店した場合は、まず各部の点検で問題点の洗い出しを行って、完調に至るまでの費用を概算し、オーナーさんと相談したうえで、作業の優先順位を決定します。ウチで準備している整備済みの中古車を購入すれば、そういった手間は省けるのですが、とりあえず走れるレベルから、徐々に好調を取り戻していく作業は、それはそれで楽しいと思いますよ」

アゲイン CB400フォア

【足まわりを中心とした改革で運動性能が大幅に向上】アゲインがカスタムを行ったCB400フォア。前後ホイールはハヤシキャストで、フロントブレーキはホンダ純正φ298mmディスク+ブレンボ、リヤショックはアイコンを選択する。キャブレターはFCR28で、熊手タイプのマフラーはヨシムラレプリカ。オイルクーラーキットとシートは同店製。 [写真タップで拡大]

CB400FOUR専門ショップ アゲインのおすすめ年式

ここ最近の中古車市場で、最も高値で取り引きされているCB400フォアは、日本のみで販売された398cc仕様。その背景には、大型2輪免許が不要という事情があるのかと思いきや、必ずしもそうではないようだ。

「398cc仕様が高い理由は、希少性です。シリンダーの数字と車検証に記された昭和の文字が、マニアの間ではステイタスになっているようですが、これからCB400フォアを乗ろうという方は、そこにこだわる必要はないと思いますよ。408cc仕様と比べて、乗り味に秀でたところがあるわけではないですから。なおカワサキZも傾向は同様で、日本仕様の750ccのほうが高額ですが、CB400フォアとは異なり、750ccのほうが楽しいと言う人がいるようですね」

HONDA CB400FOUR-II

【’76~ CB400FOUR-II】’76年型のサイドカバーはブラック。燃料タンクはブルーが廃止され、新たにイエローを設定。なお従来型ではスイングアームに溶接されていたタンデムステップは、フレームマウント式に変更。 [写真タップで拡大]

HONDA CB400FOUR-I

【’76~ CB400FOUR-I】’76年に販売された398cc仕様には2種類が存在。と言ってもIとIIの違いはハンドルのみで、その他の諸元は共通。既存の408ccに対して、最高出力/最大トルクは-1ps/-0.1kg-mとなる、36ps/3.1kg-m。 [写真タップで拡大]

アゲイン

【取材協力:アゲイン】’90年から活動を開始したアゲインは、中古車販売やメンテナンス、レストア、カスタムだけではなく、多種多様なリプロ/オリジナルパーツの開発も手がける、CB400フォア専門店。レース参戦にも積極的で、筑波サーキットで開催されるT.O.T.では、同店がチューニングを手がけたCBフォアが何度も優勝を飾っている。 ■大阪府大阪狭山市東野中3-324-3 ●電話番号:072-368-3544 [写真タップで拡大]


※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、著作上の権利および文責は提供元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

最新の記事

WEBヤングマシン|新車バイクニュース