![青春名車オールスターズ:[’69-]カワサキ マッハシリーズ【リッター120ps! |開発目標は”世界最速”】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/014_12.jpg?v=1662372105)
CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、カワサキが世界最速を目指し世に送り出したマッハIIIに焦点を当て、その系譜を紹介する。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの引用です。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ZEPPAN UEMATSU
- 1 3速でウイリーした “ジャジャ馬”
- 2 カワサキ MACH IIIの系譜
- 3 進化型のKHとともに大シリーズへ
- 4 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 5 1980ヤマハXJ400:ヤマハの歴史を変えた同社初の4気筒【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 6 「限定車“R”は可変排気バルブEXUP初搭載」1986ヤマハFZR400:FZ400Rの発展進化形【ニッポン旧車列伝】
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- 10 「あえてのダブルクレードル! 」1990スズキGSX-R400R:1990年代も続く快進撃【ニッポン旧車列伝】
- 11 「ウマい奴しか乗れない」1984スズキGSX-R:4ストレプリカ時代の口火を切った金字塔【ニッポン旧車列伝】
- 12 「CBRはここから始まった」1983ホンダCBR400F:最後のホンダ空冷スポーツ【ニッポン旧車列伝】
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3速でウイリーした “ジャジャ馬”
戦前からBMWやベンツの航空機エンジンをライセンス生産していた川崎重工業は、その間に蓄積してきた高い技術力を活かし、戦後になるとこれを民間事業に振り向けて2輪事業に着手した。今でこそカワサキモーターサイクル&エンジンカンパニーと呼ばれているが、マッハが誕生したころは他の多岐にわたる事業に対して「単車事業部」という名称を与えられていた。
初期はエンジンのみであったが、’60年からは車体も明石工場で手がけるようになり、ここに”カワサキ”ブランドが出現する。最後発ながら、生産設備や精度の高さにより、’66年には250A1サムライでクラス最速となり、’69年にいよいよマッハ3を送り出す。
開発目標は”世界最高速”を高い技術力で立証すること。パワーウエイトレシオなどを計算し、60psでゼロヨン12秒台、200km/hを500ccで達成すべく、世界初の空冷2スト3気筒、非対称3本マフラーなどを開発。これが世界的な名車となった。
空冷2スト3気筒500cc。そう聞いただけで、パンチを求めるバイク乗りならヨダレが出てくるはずだ。4スト2気筒450ccDOHCのCB450でリッターあたり約97psを達成していたホンダだったが、カワサキはこれを上回るべく2スト500ccをチョイスし、リッター120psを実現してみせた。実績ある並列2気筒をやめ、並列3気筒というインパクトあるレイアウトを選んだのもこのためだ。化け物のようなエンジンを乾燥重量174kgの軽量ボディに搭載したマッハは、瞬く間にマニアを虜にした。
ピーキーなエンジンに不足気味のフロント荷重で暴れ馬と称されたスパルタンな乗り味もまた、伝説を豊かに彩るエピソードと言えよう。
【’69 KAWASAKI 500SS MACH III】排ガス規制もオイルショックもなかった時代だからこそ、軽量コンパクトでハイパワーを目指して2ストを採用。その走りは刺激と衝撃に満ちていた。■空冷2スト並列3気筒 ピストンバルブ 498cc 60ps/7500rpm 5.85kg-m/7500rpm ■174kg(乾) ■タイヤF=3.25H-19 R=4.00H-18 ●価格:29万8000円
シンプルな構成で軽量&スリムに造られたマッハ3のパワーウエイトレシオは2.9kg/psに到達。乗り手の腕が試されるまさに“暴れ馬”だ。498ccで60psと5.85kg-mの最大トルク値はH1Bまで同一。CDI点火式だが、仕向け地や型式によりポイント式もある。
レーサーですでに実績を上げていたCDI点火システムを採用。ピストンバルブも採用され、徹底的なパワーアップが図られた。
速度計は240km/hまで刻まれている。レッドは8500rpmから。回転計内にあるランプは左がチャージ、右はニュートラル。
カワサキ MACH IIIの系譜
【’70 500SS MACH III H1A】海外で不人気だった初期型のエグレタンクをフラット化したのがH1Aだ。
【’72 500SS MACH III H1B】欧州での整備性を考慮してポイント点火式に。フォークをφ34→36mmとし、ディスクブレーキを採用。
【’73 500SS MACH III H1D】重量配分を前44:後56に変更し、キャスター角を29から27度に変更。ホイールベースは10mm延長(1410mm)された。
【’74 500SS MACH III H1E】H1DからCDI式に改められたものをさらに改良。性能は変らず。価格は32万円から36万5000円に。
【’75 500SS MACH III H1F】250/400系が主力の時代でH1Fはほぼ国内に出回らず。これを最後にKHシリーズへ。
進化型のKHとともに大シリーズへ
500SSの人気を背景に250SSや350SS(のちに400cc版も)のほか750SSをリリース。特に750SSはCB750Four[K0]に対抗できる唯一のモデルで、Z1が登場するまでのつなぎ役としても期待されていた。’76年以降はパワーダウンを伴ったKHシリーズ(250/400/500)にそのキャラクターを受け継いだ。
【’71 750SS MACH IV[H2]】500SSの上位モデルとして登場したカワサキ初の750。マッハIIIよりもさらにハイパワーで、ディスクブレーキを採用。テールカウルも備え、時代を先取りしたデザインが人気を呼んだ。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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