日本のバイクシーンを支えた、消してはならぬ直4/400ccの灯。EV時代を前に、持てる内燃機関車のすべてを世に送り出すと意気込むカワサキが、その重責に名乗りを挙げるのか? 待望の400SS復活がついに現実のものとなる!?
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
ついに”妄想”から”具体的”の段階に?
ホンダCB400SFシリーズの生産終了決定とともに、絶滅が危惧されている国産の直4/400cc市場。排気量的には日本固有のガラパゴス製品かもしれないが、その精密感や爽快さは他に代え難く、灯を消さないでほしいとヤングマシン編集部では再三に渡って訴えてきた。
その糸口のひとつとして予想していたのが、カワサキの新4気筒400=「ニンジャZX‐4R」だ。ただ、これまでは周囲の状況的にありえる話かも…という、希望を交えたレベルでの予想だった。しかし、ここに来て状況が一変、具体的な情報が舞い込んできた。ZX-4Rは実在しており、しかもすでに走行テストが行われているというのだ!
その情報とは、先だって編集部に寄せられた目撃談。’21年の後半に、某施設で新生ZX‐4Rと思しき車両の実走テストを目撃したというのだ。かなり遠巻きからだったということだが、そのテスト車両は、全体的なシルエットこそZX‐25Rと酷似していたものの、フロントブレーキはWディスクで、排気系は別体のサイレンサーが右サイドに回されていたという。
また、奏でていた排気音は直4に間違いないが、一緒に走行していたZX-25R/ZX‐6Rとは明らかに音質が違っていたという。これはもうZX‐4R以外には考えられないのでは…?!
さらに極めつけは、ヘッドライトまわりはいわゆる”ニンジャ顔”特有の逆スラントではないように見え、合わせてテールまわりも違った形に見えたというもの。偽装の可能性も捨てきれないが、テスト車両はライト周辺に糸のようなものが貼り付けられていたようにも見え、空力性能を確認していたのかも、とは目撃者の言。この情報をベースに、さらに検証を深めてみよう。
カワサキはEV時代の前に内燃機関のすべてを出し切る
『ヤングマシン』’21年10月号で報告したとおり、カワサキは既存モデルのバリエーション展開に力を注ぐ方針だ。ZX-4Rも、ZX-25Rベースの派生機種で間違いないだろう。詳細は下で説明するが、なにせ25Rの車体周辺には、将来的な発展性を見越したかのような箇所が散見されるのだ。
…となれば、まず注目なのはエンジン。新開発の可能性もあるが、情報筋によればZX-4Rの最高出力は60ps程度となる模様。であれば、ZX-25Rベースの排気量拡大版も考えられる。その根拠は、’22年2月号でレポートしたトリックスターのZX‐25Rターボ。記事掲載後も開発は続いており、今やノーマルの倍以上となる後輪80psに達したにもかかわらず、エンジン本体はノントラブルなのだという。この耐久性の高さは、排気量拡大を見据えている証拠なのでは?
また、ZX-25Rは令和2年排ガス規制に適合しておらず、現行型が生産できるのは’22年10月末まで。その前後に規制対応の改良が入るのは確実だ。ここで400cc版も合わせて発表し、一気呵成にラインナップ拡充を図る可能性は十分ありえる。
また、新フェイスの採用も腑に落ちる。’18年登場の2気筒ニンジャ250/400以降、カワサキはニンジャ系の顔つきを統一しており、今後もこの流れは踏襲するハズだが、ZX-4Rはあえて専用の顔に踏み込むのかもしれない。
現在、EVに積極的な姿勢を見せるカワサキだが、電動化時代が到来する前に、内燃機関でできることはやり尽くしておきたいとも考えている模様。同時にテストしていたZX‐6Rも規制に適合させて、”ミドル4気筒ニンジャ3兄弟”を登場させたりすれば、インパクトは絶大だが…。さてどうなる!?
〈YM未来予想〉’23? カワサキ ニンジャZX-4R
スタイリング:現行ZX-25Rとは異なる新フェイスか?
エンジン:共通エンジンで400cc化?
足まわり
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