
ボルトナットを着脱する作業において、締め付けトルクは重要な要素のひとつ。緩まないように締めるのは当然だが、過大なトルクが悪影響につながることもある。今回は、そうしたトルク測定作業で以前から好評だったトルクアダプターのほか、サンデーメカニックに人気の工具メーカー/ショップのストレートが販売する、モトメカニック編集部おすすめ便利ツールを5点紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ストレート
トルクレンチアダプター:セッティングが簡単で表示単位も変更可能。音と光でトルクが分かるお買い得モデル
トルクアダプターは工具メーカー各社から発売されているが、ストレート製は測定範囲の広さとリーズナブルな価格が大きな魅力。測定精度は必要十分な数値を確保しており、実用面で不満や不足を感じることはない。
使いたいときにサッと取り出して本体で測定値が入力でき、電池が切れたら入手しやすい単4電池を入れ替えるだけという簡便さは、ビギナーからベテランまで誰もが使いやすさを実感できるはずだ。
価格はリーズナブルなのに測定範囲が広い、ユーザーにとっては文句の付けようがないトルクアダプター。差込角3/8インチは100Nm以上が測定できるので、車体まわりでも重宝する。大きなトルクを測定するときは長いスピンナーハンドルを使うと測定が安定する。
【ストレート トルクレンチアダプター デジタル式 15-7541/15-7583】●ストレート会員価格:6~30(Nm) 差込角1/4″(6.3mm)5800円 / 27~135(Nm) 差込角3/8″(9.5mm)5800円
スプリングとコロを組み合わせたプリセット式トルクレンチは、カチッとクリックする際にトルクが変化する可能性があるのに対して、トルクアダプターはLEDインジケーターターとアラーム音でトルクを知らせるので、測定中にトルクが変動する要素がない。
測定値の設定は本体下部の+と-ボタンで行い、入力後しばらく待てば測定可能になる(写真左は20.0Nmにセットした状態)。過去50回分の測定値が自動記録されるので、作業後の再確認も可能。通常の測定はNmで行うが、表示単位をkg-cm/kg-m/lb-in/lb-ftに変更できる。
ブレーキピストンロッキングプライヤー:キャリパーメンテの必須ツール。レストアにも使えるロック機能付き
ブレーキフィーリングを改善するキャリパーピストンの揉み出し。定期的に作業すれば問題はないが、放置期間があると通常のプライヤーでは滑って回らないこともある。そんな時、ピストン内壁に当たるジョーをロックできるタイプなら、滑らずしっかり保持できる。
【ストレート ブレーキピストンロッキングプライヤー 19-9870】●ストレート会員価格:2740円
ハンドル部分の構造は完全にロッキングプライヤーと同一。ピストン内径に合わせてジョーの開き幅を調整して握り込めば、手を離しても外れないので、ピストンを回すことだけに集中できる。
ブレーキピストンプライヤー:ブレーキタッチ向上に役立つキャリパーピストン揉み出しに最適
普段からキャリパーメンテを行っているなら、ロック機構が省略されたこちらのプライヤーで十分だろう。ジョー外周の滑り止め加工によりピストンをしっかり掴み、左右に回しながら引き出すことも可能。作業時は引っ張りすぎてキャリパーから抜かないように注意する。
【ストレート ブレーキピストンプライヤー 19-9889】●ストレート会員価格:1750円
ピストンベース:ピストンの傾きを押さえてリング破損を予防。エンジン組み立て時の便利ツール
シリンダーにピストンを挿入する際、ピストンリングの圧縮と並んで重要なのがピストンの倒れ防止。ピストンが傾かなければリング破損のリスクも下がるからだ。アルミ製ピストンベースは至極単純だが、これがあるだけでエンジン組み立てが一気にはかどるのだ。
【ストレート ピストンベース 19-100】120×39×11.5mm ●ストレート会員価格:1400円
アルミ製の本体の二股部分でコンロッドをまたぎ、クランクケース上面とピストン下面で挟めばシリンダーをまっすぐセットできる。2個のピストンを同時に挿入する4気筒エンジンではありがたさを実感する。
キャリパーホジ郎:キャリパーシール溝を徹底クリーニング。バイク用のL型ヘッドは小径ピストンに対応
シール溝の汚れやフルードカスの除去は、キャリパーオーバーホールの必須作業。シール溝の隅に当たるようヘッド部分がシャープに加工されたキャリパーホジ郎。バイク用は従来のT型ヘッドをL型に変更し、ピストン径が小さいキャリパーに対応できるのが特長だ。
【ストレート キャリパーホジ郎 バイク用 19-3300】●ストレート会員価格:800円
ピックツールではピンポイントしか狙えず傷を付けるリスクがあり、割り箸では硬い汚れに歯が立たない。キャリパーホジ郎はそんなイライラを解消してくれる。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
希少なCBX1000を取り扱う、実績豊富なモトジョイ とことん整備やとことん車検など、絶版車のメンテナンスや修理を得意とするモトジョイ。絶版車専門店として車両販売も行うが、昨今の価格高騰と車両減少のダ[…]
ビギナーにもベテランにも大人気。メンテ必須アイテムを揃えた限定セット イヤーモデルのセット工具がリリースされるのは年末というのが相場だが、シグネットの'21年モデルは夏から1年間の販売となる。マットブ[…]
独自の添加剤配合技術でフリクションロスを低減 "エーゼットエステルテクノロジー"の頭文字から「AET」と名付けられたこの技術は、文字通り添加剤にエステルを活用している。 エステルと聞くと高性能化学合成[…]
明確な個性で場面ごとに使い分け どれを選べば分からなくなるほど多様なラインナップを誇るコーケンのソケットだが、この記事で紹介する製品に限ってもアイテムごとの個性が明確に分かれている。 例えば、72歯の[…]
旧車ユーザーに好評かつ人気があるエンジンオイル '19年東京モーターショー発表直後から話題を集め、待望の発売開始以来、すでにベストセラーの呼び声が高い原付二種クラスの人気モデル・ホンダCT125ハンタ[…]
最新の記事
- 「カワサキ初のレーサーレプリカ」ライムグリーンカラーを導入した初の大排気量車:カワサキZ1000R【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 変化を一気見! カワサキ「Z900RS」歴代カラー大図鑑【2018~2025年モデル】
- 2025MotoGPヘルメット勢力図は5社がトップを分け合う戦国時代へ突入! 日本の3メーカーに躍進の予感!?
- 【SCOOP!】スズキ「GSX-8」系にネオクラが存在か!? 丸目のGS&クーリーレプリカ復活希望!!
- 「初の100ps超え!! 」全面改革で進化した第二世代のZ:カワサキZ1000J【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 1
- 2