アプリリアはイタリア本国で、新しい電動スケーター「eSR2」を発表した。主要な家電店やオンラインストアで559ユーロ(約7万2000円)で販売される。1回の充電で最大25kmの走行が可能で、10インチタイヤやフロントドラムブレーキ、リヤ電気式ブレーキを備え、スポーティな走りを実現した。
イタルデザインによる統合アプリでパフォーマンス制御
日本では原動機付き自転車、いわゆる原付バイクと同じ扱いになる電動キックボードは、保安基準に適合する装備とナンバープレートを取り付け、ヘルメットを被れば街中でも普通に乗ることが可能。自転車やスモールバイクに代わる次世代のモビリティとして注目され、欧州などではすでにある程度の市民権を得ているところも。
ただ、8月26日には6月に23歳の女が電動キックボードによる無免許危険運転致傷容疑で書類送検された事案が話題になるなど、正しい運用にはまだまだルールに関する周知徹底が必要なのも確か。
とはいえ、乗り物好きなら気にならないわけはない。
そんな電動キックボード界に、ロードレース世界選手権などで輝かしい実績を誇るイタリアのメーカー、アプリリアが参入する。といっても欧州での話ではあるが、インダストリアルデザインで世界的に知られる“イタルデザイン”による統合アプリなどを採用しているというから面白い。
アプリリアらしくパフォーマンスもスポーティだ。アルミニウム合金製フレームに前後サスペンションを備え、タイヤ径は10インチ、350wブラシレスモーター、そしてこれらをレーシンググラフィックで包み込む。フロントにドラムブレーキ、リヤには電子駆動ブレーキを採用している。
アプリリアとMTディストリビューションのライセンス契約から生まれたeSR2は、フロントサスペンションのクロームメッキホイールが特徴なほか、モビリティ業界でその名を知られるイタルデザインによって設計&開発された統合アプリを導入している。
このアプリはGooglePlayとAppStoreですでに利用可能であり、リアルタイムでテクニカルサポートセンターにアクセスすることができるほか、車両の主要な機能と性能を常に最新の状態に保ち、バッテリーの充電レベルや移動距離、車両の位置などといったパラメーターを監視することができるという。
350wブラシレスモーターは288Whのバッテリーで駆動され、1回の充電で最大25kmの走行が可能。前後にLEDライトを装備し、安全性にも配慮されている。
アプリリアeSR2は、イタリアを中心とした主要な家電店や主要オンラインストアで、推奨価格559ユーロ(日本円換算約7万2000円)で販売される。
日本でもこんな電動キックボードを安心して楽しめる環境が実現してほしいものだが、クルマと歩行者はともかく、自転車レーンの運用などを見ると(一部の地域を除いて)安全な棲み分けがまともに機能しているとは言い難い。聖火リレーの先導に使われたりといったこともあり、電動キックボードへの期待感はありつつも、交通環境の整備が進まなければ、まだまだ諸手を上げて歓迎とはいかないだろう。
遠くない未来に、気軽で安全な移動手段の選択肢が増えるよう願いたいものだ。
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