カワサキ エストレヤのカスタムマシンはスポークホイールを半艶黒の丸塗りに〈美的バイク進化論〉

カワサキ エストレヤのカスタムマシンはスポークホイールを半艶黒の丸塗りに〈美的バイク進化論〉

’17年のファイナルエディションにて歴史に幕を下ろしたカワサキのロングセラーモデル・エストレヤ。’21年にメグロK3が登場したことに続けと、その復活が大いに期待される1台だが、そのエストレヤをベースにしたカスタムマシンを、様々なペイントや表面処理技術で知られるカーベックのスタッフが製作中だ。


●取材協力:カーベック

生産終了で欲しくなるのがロングセラーモデル

’21年にカワサキ メグロK3が発売され話題になったが、仮にメグロツインが復活するのなら、250ccクラスの象徴である「ジュニア」シリーズが発売されても不思議ではない。現在の国内シーンにおいては、ある意味で大型モデル以上にジュニアの方が注目度が高くなるはずだ。

そんなメグロジュニアの再来となれば、ベースモデルとして「エストレヤ」が思い当たる。’17年にファイナルエディションが登場し、復活を期待されながらも次なる噂が一向に漏れ伝わって来ない。しかし、今後メグロブランドが本格的に復活するのなら、間違いなくジュニアクラスの存在が期待されてしかるべきだろう。

このエストレヤに限らず、市場からなくなると途端に欲しくなってしまうのがバイクファン。ゼファーシリーズ、W800、最近はヤマハSR400ファイナルエディションも話題になった。ロングセラーモデルは、ファンの年齢層が広く厚いため、様々な期待話で盛り上がることになるようだ。

写真のエストレヤは、メグロを意識したメッキタンクが特徴の’06モデル。長く愛される中で多様なエディションやカラーリングが販売された。

エストレヤカスタムは丸塗りスポークホイールを中心に

さてさて、今回登場したのはそのエストレヤをベースにしたカスタムマシンである。ロングセラーだったが故に、中古車のコンディションも様々。だからこそ大胆なカスタムを楽しむことができるのも、エストレヤの特徴と言えるだろう。

実はこの車両の前後スポークホイールは、前輪ノーマル/後輪SR400用(しかもアルミリム仕様)。金属素地が出ると前後の違いに違和感を覚えるが、ご覧のようにまるまるペイントしてしまえば、ほぼ気がつかないし何よりカッコ良く見えてしまう。

バイクの美しさは、その表現方法で大きく変わるものだが、このチョッパーには”艶気”を強く感じられる。

スポークホイール丸塗り&パウダーコーディング

スポークホイールを丸塗りする際には、必ず最初に「芯出し振れ取り」を確認し、それからまるごとパウダーコーティングで仕上げる。塗ってからリムの振れに気がついたのでは遅い。ここでも人気の半艶ブラックをチョイス。

前輪はエストレヤ純正ホイールだが、後輪は、ヤマハSR400純正スポークホイールをまるごと移植した。

カーベックが開発販売している直圧式サンドブラスター。クラシックバイクや四輪旧車が見直される昨今、カーベックの各種機器は出荷数を伸ばしている。エストレヤのホイールをブラストしパウダーコート前の下処理をする。

ポリマーコーティングでボディも磨き込む

洗車後にポリマーコーティングの「ラスターネオ」を使って、ボディも艶出しした。ワックスの要領で充実の艶と滑り感を得られる。その手順を紹介しよう。

【カーベック 新世代ポリマーコーティング ラスターネオ】洗車後に軽く車体を拭き取り、水を軽く絞ったスポンジに吹き付け、ワックス掛けの要領で塗り伸ばし、乾燥後にマイクロファイバーウエスで拭き取る。充実の艶と滑り感になる。●価格:3300円

湿らせてから絞ったスポンジにラスターネオを吹き付け、施工箇所に塗り伸ばす。クルマでもバイクでも、焼けて熱い夏場は冷えてから施工しなくてはいけない。

部品が冷えていて、汚れが無いことを確認したら作業開始。ゆっくりじっくりケミカルを塗り伸ばそう。ペイントコンディションが良ければ良いほど驚きの輝きに。

塗り伸ばしたケミカルは表面が白く乾いたら拭き取る。汚れウエスでは塗膜にスクラッチキズを付けてしまうので、柔らかく細かなマイクロファイバーウエスを利用。

個性的なチョッパータンクだからこそ、より一層の美しさを期待できるラスターネオ施工。新車ペイントのうちに施工することで、その輝きを長続きさせることができる。

外装パーツばかりではなく、ポリッシュされたエンジンカバーや足周り部品にも最適だ。しっかりポリッシュされた直後のアルミパーツの施工には、特にお勧め。

エンジン部品は高温になるが、夏に対しても強いのがポリマーコート。現在はポリッシュ仕様のエンジンカバーだが、近々ガンコートの塗り分けで仕上げる予定。

【取材協力:カーベックスタッフ I氏】以前は4輪キャンピングカーやトランポ製作を行う会社に籍があったが、現在は、カーベックでパウダーコーティングやドリームボックスの開発製作担当として活躍中。愛車のエストレヤを使用し、自社の機械の可能性を具現化する。


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