愛車と楽しく走るだけでなく、ちょっとしたメンテナンスを自分の手でできるようになれば、愛車への愛着度がさらに増して過ごす時間も密に愛あるものへと昇華するハズ! というテーマを掲げ、オフロードマシン総合誌『ゴー・ライド』より、超・初心者でもできる簡単メンテナンスを、ヤマハ セロー250をモデルにじっくりと紹介する。第2回目は、操作系メンテナンスの中から比較的需要の高いクラッチ交換と調整について伝授するゾ! (これからメンテナンスを始める人や超初心者に向けた内容なので、経験者の皆様は暖かく見守ってあげてください♪)
実際にメンテナンスに挑戦する前に "自分で愛車をメンテナンス"と聞くと、難しそうだったり下手したら壊してしまいそうというイメージや、手は汚れる&なんだか面倒くさそう、そもそもメンテナンスできそうな広い[…]
クラッチレバーは重要な生命線のひとつ
シフトチェンジはもちろん、ライディングにおける繊細なレバータッチやその軽さ、レバー角度などなど、乗り味や疲労度にも大きく影響し重要な役割を果たすクラッチレバー。が、転倒時には簡単に曲がったり折れたりしやすい弱点を持つ。
一度折れたり曲がったりしたら修正は困難なので、交換するのが安全面においても一番。曲がったレバーを無理にもとに戻そうするのもやめたほうがいい。とくにアルミレバーだと、曲がった部分を支点にパキッとキレイに折れてしまうので、出先などでは下手に曲がりを直すよりも曲がったままで走行したほうがいいこともある。
また、モデルによってはクラッチレバーが折れてしまうと、スゴい握力の持ち主であっても折れ残った部分だけではクラッチを切ることが困難な場合があり、その時点で走行不可になることも……。とくに林道走行中など、転倒しやすい状況かつ、すぐに舗装路など人のいる場所に出れない場所では、進退極まってしまう可能性が高くなる。
そんな時、レバーの予備を1本持っておいて自分でレバー交換ができれば、万が一の場合に対する安心感がグッと上がる。レバー1本など、車載工具とともにそっと忍ばせておけるので、携帯も苦ではないハズだ。
クラッチレバーを交換する
今回、ヤマハ セロー250をモデルに紹介するが、メーカーやモデル別に仕組みや素材、その形状などに多少の差異はある。でも、どういう構造で機能しているかがなんとなくでも理解できれば、自分の愛車へも得た知識を落とし込めるハズだ。
クラッチの遊び量を調整する
クラッチを握って実際に切れはじめるまでの幅=クラッチレバーの”遊び量”はモデルによって千差万別で、ショップの事前メンテナンスなどでもその差異が出る。繊細なクラッチ操作を求めたりと走り方の好みはもちろん、手の大きさの差などでも、クラッチの遊び量は人によってちょうどいい位置が変わってくるのだ。
これを自分で調整できれば、状況に応じて最適な遊び量でマシンを楽しめる。上で紹介したクラッチ交換までできるようになっていれば、この調整も作業の一貫としてバッチリできるハズ!
クラッチを握り、自分の好みと思えるところまでネジを回して合わせよう
手の小さい人は遊びを大きくして、しっかりと握力を伝えられる近い位置に合わせるのがオススメ。締めると緩めるでどっちがどっちか分からない場合は、とにかく”遊び調整のネジ”を回してみて、クラッチを握りながら自分の好みに合わせればOK。
クラッチレバーの高さを調整する
クラッチレバーの高さを自分のスタイルに合わせて調整することで、操作性が格段にアップする。オンロード走行ではそこまで大きく違いは出ないだろうが、スタンディングを多用するオフロード走行ではその違いは歴然。
例えば、林道走行時のみスタンディングメインで走るという場合なら、自分で高さ調整ができれば、林道ではスタンディングに適した高さに変えることで、より林道走行を楽しめるというわけだ。
クラッチレバーの高さを調整する際は”クラッチスイッチ”に注意を
クラッチレバーの高さ調整をするためにレバーホルダーを動かす時、”クラッチスイッチ”のワイヤーが固定されているかいないかをチェックしたい。クラッチスイッチとは、クラッチを切ることで1速でも安全にエンジンをかけられる機構。逆にこれがないと1速に入った状態でもセルが回り、車両がドンと飛び出す危険がある。
セロー250にはないが、車両によってはクラッチスイッチのワイヤーが固定されていることがあるので、レバーの高さをグリグリと変える前に必ず固定をほどいてワイヤーにテンションがかからなくしよう。なぜならば、メーカーによってはクラッチスイッチが抜けたり壊れたりするとエンジンがかからなくなることもあるからだ。
実際にわかりやすく合わせてみると……
スタンディング時に最適の状態に合わせると、シッティング時に手首の角度がやや不自然になる。逆もまた然り。自分の好みのライディングスタイルに合わせてよりよいレバー角度を探ってみよう。
自分のスタイルに合わせたポジション調整で、走りをさらに楽しめる!!
ライダーそれぞれ、体格も違えば乗り方も違う。したがって身体に合わせてのポジション調整はとても重要だ。今回は超・初心者向けに操作系の中からクラッチ交換と調整を紹介したが、ほかにも各部の調整をすることで操作性が良くなり、より楽しく愛車に乗ることができるのだ。もう少し突っ込んで知りたければ、ぜひオフロードマシン総合誌『ゴー・ライド』第6号をチェキ!!
次回はドライブチェーンの清掃や、エンジンオイル交換とエアクリーナーのメンテナンスを紹介する。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
オフロードバイク専門誌『オフロードマシン ゴー・ライド』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
実際にメンテナンスに挑戦する前に "自分で愛車をメンテナンス"と聞くと、難しそうだったり下手したら壊してしまいそうというイメージや、手は汚れる&なんだか面倒くさそう、そもそもメンテナンスできそうな広い[…]
巻頭特集:進化と走りの実力が丸わかり。新型CRF250L/ラリー総力テストライド 大注目のホンダ新型CRF250L&CRF250ラリーを、ゴー・ライド編集部がテストライド。雨の中敢行したダート[…]
長身でもセロー250を楽しむ山下晃和氏と、ツーリングを通じてセロー談義へ 軽量コンパクトな車体と低中速を重視したエンジン特性が、驚異的なオフロード走破性として結実しているヤマハセロー250。2輪+2足[…]
8つのパーツを組み合わせることで、15通り以上の使い方ができるマルチパーパスツールは、付属のポーチに収納すると手のひらに収まるコンパクトさになる。 こうしたコンパクトな工具の場合、組み合わせの精度が悪[…]
まずはサイズの測り方&正しい被り方から SHOEI VFX-WR:機能とデザインが見事に調和。新基準となった高い完成度 エッジを効かせたデザインを採用したVFX-Wには、ゴーグルの最適な装着位置を見つ[…]
最新の記事
- 【2024年9月版】400ccバイクおすすめ20選! 普通二輪免許の最高峰だけど、車検付きでも意外と高くない?!
- ホンダの電動「RTLエレクトリック」で藤波貴久が全日本トライアル参戦!! 10月13日 第6戦に
- 【2024年9月版】シート高780mm以下の400ccバイク10選! 地面に足が着くのはやっぱり安心
- まさかのホーク250が優勝?! 欧州ホンダ、CL500/CL250カスタムコンペティションの投票結果
- 世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.128「暑すぎた鈴鹿8耐、SSTはしばらくBMW・M1000RRの天下になりそう」
- 1
- 2