●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:富樫秀明 ●取材協力:トライアンフモーターサイクル
期待の3気筒スタンダード、日本上陸
’20年8月のデザインプロトタイプ公開を経て、「トライデント660」が’21年2月に発売された。トライアンフのミドルクラスと言えばストリートトリプル、ネオクラシックと言えばストリートツインがあるのになぜ? と思った人も多いはずだ。
【’21 TRIUMPH TRIDENT 660】■全長2020 全幅795 全高1089 軸距1401 シート高805(各mm) 車重189kg ■水冷4スト並列3気筒DOHC4バルブ 660cc 81ps[60kW]/10250rpm 6.52kg-m[64Nm]/6250rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●色:銀×赤 黒×銀 白 黒 ●価格:97万9000円
搭載されているのは、ネーミングからも分かるように660ccの水冷並列3気筒エンジンだ。だが、ストリートトリプルSと排気量は同じであっても(RSとRは765cc)ボア×ストロークが異なる。具体的にはボアを2mm小さくしてストロークを2.6mm伸長している。このためにわざわざ67点ものパーツを変更していることからも、トライデントに賭ける意気込みが伝わってくるだろう。最高出力はストリートトリプルSの95.2psに対して81psとやや低めだが、3600rpm以上の広範囲で最大トルクの90%以上を発揮するというから、日常域での扱いやすさは想像に難くない。そして、純正アクセサリーでクイックシフターを用意するあたり、スポーツライディングを楽しめる要素も十分期待できるだろう。
フレームは、ストリートトリプルシリーズの流用ではなく、スチール製のペリメータータイプだ。これにショーワ製の前後ショックとニッシン製のブレーキキャリパーを組み合わせる。
実車のスタイリングは写真から受ける印象以上に抑揚があり、マスが集中している様子が見た目にも伝わってくる。激戦区のミドルクラスに97万9000円で登場したこの英国車、間違いなく’21年の注目株と言えるだろう。
3600~9750rpmの広範囲で最大トルクの90%以上を発揮する、660ccの水冷並列3気筒エンジン。2種類の走行モードにトラクションコントロール/スリッパークラッチなどを採用。フランジボルトも美しい。
倒立式フォークはショーワ製φ41mmSFF。フロントキャリパーはニッシン製の片押し式2ピストンで、これはストリートトリプルSと共通だ。リヤキャリパーはSのブレンボに対してニッシンとなる。
リヤサスペンションはリンク式モノショック。ユニットはショーワ製のRSUでプリロードのみ調整可。ホイールトラベル量はフロント120mm/リヤ133.5mmで、前後ともストリートトリプルSより10mmほど長く、ピッチングを生かした走りが期待できる。
スイングアームはストリートトリプルSがアルミ製なのに対し、こちらはスチール製となっている。ナンバープレートおよびリヤウインカーはスイングアームマウントとされる。
ウェットグリップに定評のあるミシュランの最新ツーリングラジアル・ロード5を標準装着する。ストリートトリプルシリーズ全車がピレリなのとは対照的だ。
現行カタナも手掛けたロドルフォ・フラスコーリ氏がデザインを担当。ボルトやハーネス類の露出が極力抑えられ、ヘッドライトハウジングはアンダーブラケットの1点のみで支えるというシンプルさだ。
【モジュール追加でスマホなどと連携可能】コネクティビティモジュールを実装するとブルートゥース経由でスマホとディスプレイが連携。ハンドル左のスイッチキューブでナビ/音楽アプリ/GoProなどの操作も可能に。
スタイリングや実用性を高める専用設計の純正アクセサリーを多数用意。いずれも車両と同じ2年保証が付帯する。それぞれの目的に応じて4点のパーツをあらかじめ装着したスタイルパックとプロテクションパックという仕様も設定。公式サイトではパーツ装着状態のスタイリングも確認可能だ。
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