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大切な愛車・2サイクル空冷ミニ等を回し過ぎでエンジンを傷めない予防策〈スーパーゾイル〉

「スーパーゾイル」と言えば、メーカー純正オイルに添加することでより一層安心できるのが特徴。特に長年乗り続けてきた空冷2サイクルミニこそ、回し過ぎたときの”転ばぬ先の杖”として、スーパーゾイルを添加しておきたいものだ。

“絶滅危惧種”の2サイクルエンジンを守る

“絶滅危惧種”とも呼ばれる2サイクルエンジン。個性的な走りが再認識される昨今だが、国内における市販車は、21世紀に入ると次々姿を消していった。一方で海外のオフロードシーンでは、軽量パワフルな2サイクルモトクロッサーが今なお数多くのファンに愛されている。そんな事情もあり、国内メーカーでも海外需要に向けた2サイクルモトクロッサーの生産や補修部品の積極的な供給が、現在でも続いている。

ここ数年、2サイクル旧車が大注目されている。オンロードモデルに限ったことではなく、オフロードモデルも同様だ。以前から、根強いファンが数多いことで知られる2サイクルオフロードの世界だが、軽量かつパワフルな走りは、現代のモデルには無い力強さが魅力的かつ個性的なのだ。

特に、70年代に登場したトレールモデルには、特別な眼差しが注がれている。ここに紹介するヤマハ ミニトレールFT1は、あの「ミニトレ」の名前で一世風靡したヤマハの人気ミニシリーズの初期型。2サイクル縦型エンジンを搭載した後のGTシリーズに対して、2サイクル横型エンジンを搭載しているのが特徴だ。20年ほど前にフルレストアされ、現在でも美しい姿を保っており、エンジンも絶好調!! レストア直後から、エンジンオイルには2サイクル用「スーパーゾイル」を添加しているそうだ。マシンオーナーは、ヤマハトレールモデルの大ファンで、気が向いたときにこのミニトレを走らせているそうだ。近々、ギヤオイルを交換する予定だと聴き、『モトメカニック』誌のガレージでその作業を実践した。

大切な愛車・2サイクル空冷ミニ等を回し過ぎでエンジンを傷めない予防策〈スーパーゾイル〉
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【スーパーゾイル for 2サイクル [左]】2サイクルエンジンの延命アップを最大の目的に開発されたのが、この2サイクルエンジン用スーパーゾイル。金属同士の摩擦や当りで発生する摺動抵抗を、金属表面改質再生効果で減らす働きを持っている。つまり摺動抵抗を減らすことで部品寿命を延命できるのだ。●容量:450ml/100ml ●価格:3800円/1200円(税抜 以下同) 【スーパーゾイル ECO for 4サイクル [右]】添加量5%のスーパーゾイルエコ。従来商品の10%添加に対して、半分の添加量でも同等の金属表面改質再生効果を得られるのが特徴だ。商品名「ECO/ エコ」の由来はそこにある。4サイクルエンジンオイル用添加剤として開発されたが、2サイクルエンジンのギヤオイルとしても利用できるのだ。●容量:450ml/320ml/200ml ●価格:1万2800円/9800円/6800円

オイルタンクレベルを見ると、分離給油用エンジンオイルが減っていた。今使っているエンジンオイルに2サイクル用スーパーゾイルを添加。いつものようにエンジンオイルに対して2サイクル用スーパーゾイルを20%で添加した。そして、オイルタンクへ注入。「ギヤオイルはどうしますか?」と訊ねると、ギヤオイルには長年ヤマハ純正ギヤオイルを使っているとのこと。しかし、「スーパーゾイルを混ぜたことはありません……」とオーナーさん。

そこで今回は、ヤマハ純正ギヤオイルに「スーパーゾイルエコ」を添加。従来品の4サイクル用スーパーゾイル(ゴールドラベル)は、オイル全量に対して10%の添加指示だが、スーパーゾイルエコは5%の添加となっている。

2サイクルエンジン用ギヤオイルは、4サイクル用エンジンオイルのように、高温のブローバイガスにさらされることはない。また、ピストンやシリンダー周辺部品の潤滑や冷却性能を重要視され、開発されたわけでもない。ギヤオイルは、トランスミッションやクラッチの潤滑性能&極圧 性能に的を絞り開発されている。

そんなギヤオイルには、4サイクル用スーパーゾイルやシンセティックゾイルを利用することができる。スーパーゾイル成分は、金属表面に発生したマイクロレベルのキズやただれに反応する特性を持っている。金属部品同士が擦れ合うときには、必ず摩擦熱が発生するが、その摩擦熱にスーパーゾイル成分が反応し、ダメージを受けた金属表面を改質再生。そのゾイル効果が、摺動抵抗を減らす役割を果たしているのだ。いわゆる”トリートメント効果”を発揮し、金属部品摺動部の耐摩耗性を大きく高めているのである。この効果が金属部品の延命に寄与しており、実際にその効果を体感したユーザーが同商品の効果をクチコミで広げている。

分離給油のエンジンオイルでも同様のスーパーゾイル効果を得られるのはもちろん、金属同士の擦れ合いにより”摩擦が発生する箇所”には、同様の効果を発揮するというデータもある。そんな特徴を理解すれば様々な応用も可能になり、バイクライフを末永く楽しめるようになるはずだ。

これまで使ってきたお気に入りのエンジンオイルがあるなら、最初は50対50の比率で添加。2回目以降は、20%程度の添加で良い。つまり初注入時のみ50%添加で良い。

オイルレベル覗き穴でオイル残量を確認する旧車2サイクルモデル。80年代以降のモデルでは、オイル量が不足するとインジケータランプが点灯するタイプが多い。入れ忘れには要注意!!

このヤマハミニトレFT1(横型エンジン搭載の初期型ミニトレ) のオーナーは、レストア後、スーパーゾイルを添加したエンジンオイルを使用してきた。今は20%の添加でスーパーゾイルを利用中。

旧車に限らず2サイクルモデルのオイルタンク周辺は、こぼれたエンジンオイルでベトベトに汚れていることが本当に多い。注入時には汚さないようにジョウゴを利用しよう。

4サイクルエンジンと同じように、クランクケースのミッション室下にあるドレンボルトからギヤオイルを抜き取る。六角ボルトをナメないようにソケットレンチを利用しよう。車載工具での作業はもってのほか!!

オイルトレイをエンジン下に置き、ドレンボルトを取り外す。取り外し中はボルトの緩めを一度止め、ガスケットの存在がエンジン側か? ボルト側か? どちらにあるのか確認しよう。

ドレンボルトのねじ山点検と同時にパーツクリーナーで汚れを洗浄。今回はドレンボルト側にガスケットが付いてきた。本来なら新品ガスケットに交換するが、今回は再利用することにした。

ギヤオイルは600ccの注入量。オーバーホール後の2サイクルエンジンならギヤオイルは注入量ドンピシャで良いが、交換時は残留オイルもあるので、注入の際は入れすぎに注意しよう。

600ccの5%なのでメスシリンダーを用意して30ccほど注入し、それからヤマハ純正ギヤオイルを足して600ccのギヤオイルを作った。それをオイルジョッキへ入れて注入段取り開始。

ギヤオイル量600ccだから600cc注入するのではなく、まずは500ccほど注入し、フィラーキャップを閉じてキックを何度か踏み込み、ミッションやクラッチを回転させてオイルを馴染ませる。

車両を直立にしてフィラーキャップのレベルゲージをオイル注入穴へ静かに押し付ける。このモデルはキャップをネジ込まないが、メーカーやモデルによってはネジ込み計測もある。

アッパーレベルとなる「上限ライン」を越えないようにオイルレベルを調整しよう。入れすぎるとブリーザー穴からギヤオイルが吹き出し、リアタイヤに付着し危険だ。要注意!!


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